ユーザー登録・ログイン

新規登録

ログイン

作品

レビュー

登録/ログイン

その他

オノログについてFAQ利用規約プライバシーポリシー問い合わせユーザー管理者Twitter
レビューを投稿
書籍化
コミカライズ原作
ジャンル別
サイト別
サイト関連
運営している人

@オノログ

作:ラブテスター

カッコーの巣を食らえ

星4つ

0%(0)

星3つ

0%(0)

星2つ

0%(0)

星1つ

0%(0)

未評価

0%(0)

最終更新:2020/7/25

作品紹介

小学校五年生の夏、幼なじみの大吉 桐子は、もういじめられていなかった。 ある日、人が変わったような形相でいじめグループの親玉——唐須 葉子——に掴みかかり、指の股に挟んでいた二枚のカッターの替え刃で、あわれな彼女の頬を顎から耳まで撫で切ったからだ。

ハッピーエンドホラー悪魔オカルト擬態

評価・レビュー

かなり強火の苦境にもめげず立ち向かう少年の姿

 壮絶ないじめに遭っていた幼馴染みの女の子を見捨ててしまった少年が、勇気を振り絞って己の過ちを取り返すお話。  オカルトもののホラーです。まつろわぬ〝あちら側〟の存在が出てきて、いろいろ人の世に仇なすそれを、どうにかしようと普通の人が頑張るお話。ただなにより印象深いのはそのハードコアさというか、彼らに立ちはだかる苦難のあまりの壮絶さです。  もちろん怪異の存在そのものやその引き起こす惨禍については言うまでもなく、それらに限らない日常の部分さえも、っていうかだってもう冒頭の意味段落からして「いじめに対する復讐のシーン」なんですからまったく容赦がないです。開始早々顔を切りつけられてのたうつ女生徒を、『床の上で虫みたいに手足を暴れさせている』とさらっと虫けらに例えてしまう、この文章の毛羽立つような重たい黒さ。総じてどこか暴力的というか、漂う不吉さや不気味さにいつも危険な雰囲気の伴う、この火力の高い恐怖感がたまらないお話でした。  普通の少年ひとりに負わせるにはあまりに強すぎる苦難、どう見ても玄人向けの難度設定を、でも臆することなく前へ前へと進んでいく主人公。その動機すら過去の過ちに対する贖罪だったりするので本当に筋金入りです。怪異の不気味さや恐怖感ももちろんあるのですが、それ以上に『そこに立ち向かう主人公』の姿が強く胸を打つ、ひとりの少年の青春と冒険の物語でした。

5.0

和田島イサキ