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作: 品田回昌

雨の音色

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最終更新:2021/2/11

作品紹介

清水さんは部活に忙しい

女主人公学園高校生青春・ヒューマンドラマ現代日本映画

評価・レビュー

すこしだけ見方を変えると、世界も変わるかもしれない。

〈小野がゆっくりと右のリールを回すと、編集機の画面には雨の風景が映し出された。雨の街並み。水たまりの波紋。そして、雨粒に頭を揺らす草むらの葉っぱたち──。〉  同じひとを、同じ光景を見ても、すこしだけ見方を変える、あるいは新たな視点をすこしだけ取り入れてみると、それまで眺めていた世界はまるで違って見えたりする時、ってありませんか。本作は、そんな感覚を再認識させてくれるような、読み終わった後、読者自身も、いままで見ていた景色が違って見えるかもしれない、そんな気持ちになる作品です。  県でも有数の強豪女子バスケ部に所属する〈私〉は、恋愛よりもバスケ、という筋金入りのバスケ女子で、これまでも男子からの告白は断っていたのだが、「なあ清水、シュウがお前のこと好きなんだって」と本人ではなく(本人さえも予期していなかった)別のクラスメートを伝って耳にしたシュウこと小野修二の間接的な告白だけは、どうも尾が引いてしまった。どうも彼のことが気に掛かり、〈私〉は映画好きの彼が以前話していた『シェーン』を観ることにして……、  穏やかなトーンで綴られるふたりの距離感の変化に惹き込まれ、感情の揺らぎに寄り添わせて、爽やかな余韻とともに物語は幕を閉じます。  たとえばこの作品においては『シェーン』がそれになるわけですが、物語が別の物語に繋がっていく(作中で言及されている作品が読みたくなる、観たくなる)作品なのも、個人的にはとても嬉しい。

5.0

サトウ・レン