異世界から帰ってきたふりをしたらクラスメイトの様子がおかしくなったんだが

　山田太郎は異世界に行きたくて仕方ない普通の高校生である。しかし、当然だが異世界にいくことはできないので、せめて気分だけでも味わおうかと思って『異世界から帰ってきた振り』を学校でやってみた。すると、クラスメイトの様子がいきなりおかしくなった。「つ、ついに思い出したのか！？」「封印する方法はないのか！？」「殺してやる！！」「落ち着け、勇者か魔王かまだ分からない！」などと慌て始める。そこで太郎はクラスメイト達が本当に異世界から来たことを知る。 『面白いから、異世界から帰ってきた振りを続けよう！』 　そうして彼は、何も関係ない一般人なのに、異世界のみんなから崇拝されたり、殺されかけたりすることになる。 　――これは、異世界に何も関係ない一般人が、勇者か魔王と勘違いされて、チヤホヤされる物語である。