神隠しの後で。〜隠されたのは、娘ではなく私のほうだった。〜
最終更新:2020/12/29
作品紹介
「かーたん!」 満面の笑みでそう呼びかけてくる愛しい娘が、四歳の誕生日にいなくなった。 必死になって辺りを探していた私が近所の女性に説明すると、彼女は訝しげに言う。 「何を言ってるの……? 貴女に、娘なんかいないじゃない」 そんなバカな、と思った所で、ふと気づく。 自然と接していた目の前の女性も、景色も、知っているのに『知らない』。 ーーーここはどこ? 消えたのは、多分娘ではなく自分のほう。 ーーーあの子のところへ、帰らないと。
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