復讐乙女と黒羽騎士の恋物語
最終更新:2021/9/21
作品紹介
王都の騎士は私の父を殺した。戦場で囮に使い、火を放った。許さない。絶対に許さない。 (好きになんてなりたくなかった……) 私は彼の胸に頭を預けた。涙が溢れて、堪えられなくてポタリと落ちる。私は彼の両手を取って握りしめた。 ☆★ 俺はこんな気持ちは知らない。 「出稼ぎ酒場娘だろう? デレデレした客が多かったから選び放題。金持ち探しかね。なんかこうお前にもグイグイしてたし」 「金? 金があれば俺は彼女と結婚出来るのか?」 「はあ?」 「別に演技だって、身ぐるみ剥がされたって良いだろ」 「はあ?」 「何かされたって、今この時間や気持ちが消えるわけじゃない」 俺は全力で走り出した。疲れないと、全く眠れなそうで。 ☆★ 手が震え、私はボーガンを手放した。床に落下したボーガンを無視して、階段に向かう。早く逃げないとならない。 (何百回も練習したのに、外した……) おそらくわざとだ。体が拒否したんだ。殺人なんて、やはり恐ろしい。 (いいえ。私はあの子を罪から守ったのよ。そうよ……) 奥歯を噛み、震える足を動かす。腰を抜かしそう。 ある日、妹は家から消えた。探さないで下さい、という手紙を残して。だから妹を追いかけて私も上京した。 ☆★ 自宅アパートの布団に潜り、俺は延々と考えている。 (恋愛? 恋愛って何だ? 恋? 何が? 何か喋ったか? 多少話した。俺は嫌われて怯えられてる。手は拭いてくれたな) 頭を抱えて呻く。 (横恋慕。終了) よし、寝るかと頭から手を離す。 (恋? 恋愛ってどういうことだ? 恐れられて嫌われている。ろくに喋ってない。人柄は何となく知っている。何で?) また頭を抱える。突然嵐のような感情が誕生してしまった。 ☆★ これは、復讐乙女と黒羽騎士の恋のお話。
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