お隣の女子高生の人生を買うことになったんだが、そのときには既にベタ惚れされてしまっていたらしい。
最終更新:2022/3/6
作品紹介
あらすじ 青野駆、二十七歳。会社員。青野の住むアパートの隣室には、二ヶ月前から女子高生と女子中学生の姉妹が暮らしている。どうやら両親は一緒ではないらしく、そのことについては少々不審に思っていた。 ただ、他人の家庭の事情に首を突っ込むつもりはなく、さらに言えば、女子高生や女子中学生に下手に関われば変質者と間違われかねないと思い、なるべく関わることを避けていた。すれ違えば挨拶くらはするが、それ以上はなかった。 しかし、十一月のある夜、姉の方がアパートの階段に座り込んでいるのに遭遇する。どうやらかなり疲れが溜まっていたらしい。その日は軽く声をかけるだけで終わったのだが、その翌日も、彼女は同じようにアパートの階段で座り込んでいた。 その様子を見て、青野は彼女がかなり追いつめられていることを察する。とっさの正義感だか同情だかで、彼女に対し、生活費の支援を申し出た。 始めは断ってきた彼女だったが、説得の末、支援を受け入れた。 そこから始まる、しがない会社員と女子高生との交流。なぜだか短期間で彼女は青野のことを信頼し始め、やがては積極的に距離を詰めようとしてくるようになった。 また、ただ支援をするだけではなく、もっと深く関わりあうこととなり……彼女の人生を買う、という妙な状況に。 『多大な支援をいただくお礼は、自分の人生の物語をあなたに赤裸々に見せて、楽しんでもらうこと』 この関係は、いつしか……。