エドマは雨音と共に堕ちる
最終更新:2019/7/6
作品紹介
ーーー1868年、パリの郊外。 雨音とは別に響く熱い音にエドマは唇を噛みしめる。 腕を振るたびに、乾いた音がする。 心も身体も、震えるほど冷え切っているのに。 掌だけが、燃えるように熱い。 蓋をしていた想いを暴いた婚約者・アドルフは普段の軽い口調とうって変わった低い声でエドマの手を止めた。 もうこれ以上は。 貴女の手が傷んでしまう、と。 マネ、ルノワールと同じ時代を生き、フランス画壇の華であったベルト・モリゾと並び立つ姉、エドマ・モリゾは突如、絵筆を折った。 結婚はしない、私はずっと絵を描いていく、と周囲に言っていたエドマ。 その心が変化していった真相とは。 *週1更新を目指します。 *完結しました。 無断転載を禁じます。 (c) なななん 2018
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