滅びの国の氷姫
最終更新:2020/8/23
作品紹介
その国は、長い間ひどい男尊女卑が続いていた。 女は家畜。男の持ち物。王族でも庶民でも女であれば同じである。 今代の王の時代になり、ようやく男女平等が叫ばれ始めた。だが、所詮は見せかけだけだ。 女王候補だった第一王女は、弟が生まれた途端に王位継承権を失った。 政治の席に着くことは許されたが、女が口を開けば男は目を見開いて驚き、老婆達は「殿方に意見するなんて」と顔をしかめる。 紛い物の男女平等の世界で、元女王候補であったライラは、それでも王族としての義務を果たそうとする。 しかし、自由と平等を求める反乱軍の手が、すぐそこにまで迫っていた。