君には贈れない花 花公爵の懺悔
最終更新:2020/6/13
作品紹介
侯爵令嬢だった私は家を出た。私を苛むことしか考えない家族を捨てて。 シオン様が何故赤い薔薇しか下さらないのか知らなかったから────。 『フレディ見て! シオン様から戴いたお花よ?』 ええ、そうね。わかっていたわ。 シオン様もお姉様を好きになると。 でも、どうしてこんなに苦しいのかしら? シオン様が微笑んでくださらなかったから? お姉様が戴いたお花がガーベラだったから? そしてそのガーベラが黄色だったから? フレデリカは抱えた花を見る。 ──それとも私にはまた赤い薔薇だったから? 姉の喜ぶ声が頭から離れない。 お花の好みだけは、お姉様とそっくりなのに。 ガーベラをいただけるのはお姉様だけ。 ※6/28 時系列が分かりにくいと強いご指摘があり、一部話順を入れ替えました。 「裁判とフレデリカの祈り」前後編と「赤い薔薇とピンクのガーベラ」前後編をそっくり入れ替えてあります。 お読みいただいている途中の方々にご迷惑をお掛けし、申し訳ございません。
評価・レビュー
まだレビューはありません。