フロー・ラビリンス
最終更新:2017/5/31
作品紹介
人々は自分たちが生きている舞台を世界と呼んだ。世界は限りなく人工的だった。そこには国家も宗教も家庭もない。いかなる組織も存在できず、生や死、そして愛までもコンピューターシステムにコントロールされていた。全ての人々は、根無し草の放浪者として、システムに指示された場所へ行って働き、指示された宿で眠り、指示された相手と子どもを作る。生まれた子供は親の顔を知ることなく、施設で育てられ、やがて独り立ちをする。 それでも人々は、悩みも不満なく過ごしていた。自由がない代わりに、すべての被支配層は平等だった。だったと過去形を使ったのは、完璧と思われたそのシステムに異変が生じたからだ。システムは危機に対応するため一人の冒険者を選び出した。
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