死者な織姫と生者な彦星が夫婦喧嘩をしている件

　柘植秀一は、そろそろ中年に入ろうかという男性。 　若手研究者として将来を嘱望される彼はそれなりに充実していた。 　しかし、彼は10年前に亡くなった妻である葵の事を未だに吹っ切る事が出来ないで居た。 　そして、7月7日。七夕。織姫と彦星が一年に一度だけ会える日。 　また、死をもって分かたれた二人が年に一度だけ会える日。 　つまり、彼にとって待ち望んだ日でもある。 　しかし、再会した秀一は、ちょっとした事から、妻の葵と夫婦喧嘩になってしまい！？ 　これは、少し切ないように見えて、実はほのぼのな、生者と死者の交流の物語。