それは、古代インドにルーツを持つ、盤上の知的総合格闘技である。総数四十の駒を繰り、衝突するのは知力と閃き。意地と気迫で凌ぎを削り、宇宙の真理を探求する、人知をあまねく駆使した神聖儀式である。 しかして、その儀式にして盤上競技たる”将棋”に”完全適応した新人類”の誕生が、伝統ある棋界に支配と停滞をもたらしているのも、また事実。その象徴的存在として君臨するのは、史上最強と謳われる”隻腕の名人”にして”棋人”。対し、その首を虎視眈々と狙うのは、史上最年少で竜王の冠を頂いた粗暴な若手の”棋士”。 私たち東日本テレビのスタッフは、このふたりの密着取材を敢行し、人が人ならざる領域へ飛翔する”時間”を確かに見届けた。そして、ここに公開する以下のテキストこそは、その全てを記録・編集したデータに他ならないのである。
更新:2022/2/17
評価
レビュー
読んだ
気になる
読んでる
※作品の評価点について
登録数が少ない期間は単純平均点で表示します。
より多くの作品数・レビュー数になったら新評価式を適用します。
書籍化/コミカライズのタグについて
該当作品の書籍化・コミカライズ判定は、プログラムによる自動判断です。厳密な確認事項でないことをご了承ください。