魔法。機械。物理に心理。
いずれも息づくその中で。
観客の知性、物語の可能性、両者に対する挑戦状。
現実世界では成し得ぬ推理、ここに誕生。
挑むのは残念美人の記者探偵、ただし知性と眼には曇りなし。
推理を巡らせ、言を引き出し、知恵と行動で真相へ。
魔法でもない。物理でもない。
説明不能の〝それ〟を〝呪い〟と人の言う。
隔絶された森の淵、禍(わざわい)降りて遺す謎。
生き残りし者、復興の陰、謎を探れば魔が招く。
過去の惨劇、今の隔たり、覗く作為と悪意の芽。
遺された涙、欺きの証、綾なす迷路に潜むもの。
純なる悲劇か、巧まれた罠か――されど綻びが顔を出す。
善意の欺瞞、欲得の嘘、転じ転じて渦を成す。
潜む意図、淀む闇、虚偽と真実、重ね織り。
悪意と愛が、情と欲とが、交わり重なり襞を成す。
人の心か、悪魔の笑みか、あるいは神のいたずらか。
いずれが善か、あるいは悪か。意図が、言葉がすれ違う。
虚が実を呼び、実が虚を生み、嘘と真が十重二十重。
矛盾を読み解け。心理を見抜け。狭間の事実を掘り起こせ。
魔法記者マリヴェル。推理と観察は一級品。
魔法と機械の境目で、囁かれるは〝呪い〟ネタ。
魔法も及ばぬ不条理に、推理一つで立ち向かう。
『魔法記者マリヴェルの事件ファイル File1.禍森の狼男』
真相に迫れば、血と呪いが死を招く。
登録:2021/7/18 21:55
更新:2021/7/23 17:15