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人によって感じ方の違う作品だと思う

5.0
1

【物語は】

ある一文から始まるのだが、強調の効果を上手く使っている印象。

この物語は緊迫した一場面から始まっている。本編に入るとこの世界の歴史について触れており、そこから現在の国の様子や、人々の様子などを知ることとなる。その後ガラッと雰囲気が変わり、主人公の日常風景が描かれていく。ここで分かって行くのは、主人公の普段の様子と、同僚との関係などについて。とても丁寧であり、分かりやすく、滑らかな文体であると言える。人が体験しそうな事柄について、追って感想を漏らすところや、視線を追うように感じる情景や人物描写はとても自然で、まるで映画を見ているような気分になる。


【物語の魅力】

巧い人にも、いろいろとタイプがある。例えば、話しの展開に繋がりがあり、結果必然性で作られていると感じるタイプ。モチーフの活かし方が秀逸で、メッセージ性を強く感じるタイプ。構成自体が神がかっているタイプ。この物語は、この3タイプとはまた違う巧さを感じる。というよりも、どれもしっくり来ない。流れに無駄がなく、とても巧い。巧過ぎて、『こうだ』と明確にいうのが難しいというのが、近いかも知れない。必要な情報が流れるように読者に与えられていくので、まったくストレスを感じない。言葉にするのが難しい類の巧さという意味合いである。


冒頭に戦うこととなる人物を含まなければ、中途の拝読で主要人物は主人公を含め三人。同僚と上司にあたる人物。それぞれに個性的で、簡単に見分けがつくほど個々性格や言動が違う。しっかりとした世界観、個性的な登場人物。この物語がどう冒頭の場面に繋がっていくのか。そこが現時点では、分からないところが見どころの一つなのかもしれない。3Pあたりからは本題に入っていくのか、含みなどもあり、これから何が起こるのだろうかと、好奇心が刺激されていく。


【登場人物の魅力】

主人公を含む三人は、確かに性格も違い個性もあるのだがチームという感じがする。同じ目的を持ち力を合わせる仲間。信頼関係で結ばれ、絆というものを感じる。もちろん、個人の想いも描かれているのだが不思議なバランスの物語だと感じる。


国の為に犠牲になった彼らの日常。彼らは人でありながら、心を殺さなければならなかった。戦争の真の恐ろしさとはこういうところにあるのかもしれない。この物語の三人は、個々の人物というよりは戦争によって犠牲になった”人間のカタチ”なのかもしれない。


【この物語を通して感じたこと】

あくまでも個人の見解に過ぎないが、戦争が齎す真の恐怖とは何だろうか、という事について考えさせられた。一定年齢に満たない者を戦争の兵器にする理由。彼らがどんなに従順であろうとも最終的には、自国にとっても恐怖の対象になるのではないだろうか?

人は不安から逃れることは出来ない。一度持ってしまえば、相手がどんなに裏切らないと言っても、信じることはない。彼らは生きるために国の犠牲になった。それなのに、自由を奪われる理不尽さ。これは現実世界でも起こっていることであり、決して他人ごとではないはずだ。親が子にしていることも大して変わらない。凄く深いテーマが隠された作品なのではないだろうかと感じた。


この作品を読んであなたはどんなことを考えますか?

恐らく読む方によって感じ方は違うと思われます。

是非あなたもお手に取られてみてくださいね。

crazy's7

登録:2021/7/31 21:50

更新:2021/7/31 21:49

こちらはcrazy's7さんが読んだ当時の個人の感想です。詳細な事実については対象作品をご確認ください。

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ウィッチドライブ ~女の子と事故って魔法少女になり身体の相性が良いから働かされてるんだけど俺はこれを許すべきか? 契約したからもう遅いわよ〜

笑いあり、怒りあり、語りつくせない魅力の詰まった物語。

【物語は】 異形と呼ばれる怪物が出るようになった世の中が舞台。ある日、主人公は手違いにより、魔法使いのようなカッコをした女性に、女にされてしまう。被害を被ったのはこちらなのに、何故か不満を漏らしているのは相手である。 理不尽な状況でも、冷静に状況を把握しようとする彼。喋ることは出来るが、喋ること以外出来ないという事態に。つまり、身体が乗っ取られている⁈ 突然、日常から非日常へと引っ張り込まれることになった、主人公の運命とはいかに? 【登場人物の魅力】 段々と明かされていく、主人公の過去。主人公は自身の境遇により、荒れていた時期もあったが、常識的な考えを持つ人物の印象。祖母の教えを胸に抱き、寛容になろうとする場面も見受けられる。 主人公が、とても人間らしい。ここが物語の最大の魅力ではないだろうか。常識的=いい人とは限らない。世に出回っている多くの物語は、人類の為にあっさり戦うことを受け入れてしまう。しかし、それは子供向けの物語であると感じている。あくまでも良いこと悪いことを教えるために、極端にしているのではないかと思えるのだ。大人になれば分別もつくので、人間の感情に対するリアリティを求めるもの。その感情は複雑に違いない。 例えば、子供の頃は守られる側であったが、守るものが多くなればなるほど、リスクを考えたりするだろう。この作品では、そのリスクに対する対価についても描かれている場面があり、協力する理由の一つとして納得できる。 この物語では、主人公の心情がしっかり描かれているので、笑ってしまう部分、一緒になって腹が立つ部分など、感情移入しやすいことも、特徴の一つ。 ウィッチドライブをすることになった相手とのやり取りもとても面白い。相性は最高なのに、仲が悪いのである。しかし、言いたいこと言える相手なので信頼関係や絆は結ばれているように感じた。信頼関係があるからと言って、仲がいいとは限らない。これは現実にもあること。二人の関係が今後どうなっていくのか楽しみである。 【世界観・舞台・物語の魅力】 舞台は、異形と呼ばれる怪物の居る世界である。なので、それを倒すような人々も存在するようだ。 ウィッチドライブのシステム自体がとても面白い。原理は簡単に理解することが出来るのに、いろいろと興味深いことが起きてしまうのが面白い。何故、主人公が男から女になってしまうのか。何故胸のサイズが変わってしまうのか。その辺りの理由についても面白く、単に女性になって戦うのではなく、その為に起きる面倒なことについても描かれている。 本来ならウィッチドライブというシステムを使い、戦うはずではなかった主人公。手違いにより、戦うことになってしまった。この契約は簡単には、なかったことに出来ないため、ある程度の期間は主人公が変わりを果たさなければならない。必要なものは経費で落ちるのだが、それはどうやら国民の税金から支払われるらしい。 その為、必要なものではあるが、”これを税金で⁈”という状況が起き、そこにも笑いが起きる。主人公の複雑心境が笑いを誘うのだ。 この物語は、魔法少女に対する期待のようなものも満たされていると思う。男性が好きそうな際どい展開にて。もちろん、匂わせであるが。 単に笑いだけではなく、敵となる人物たちにも拘りを感じた。悪は一概に悪とは言えないかも知れない。関係ない人まで巻き込んではしまうが、発端がありそこに同情を禁じ得ないこともある。そして、そういう人の心に入り込む人間こそが、本当の悪なのではないかと考えさせられるのだ。 【物語のみどころ】 この物語の主人公は、ある理由から喧嘩などに対しては、腕に覚えのある人物。だからと言って、国民の為に戦う義理はない。それを行うのはそういう職に就いているものの仕事であると考える人間が主人公だ。 この考えには、多くの人が共感できるのではないだろうか。物語だから、フィクションだからこそ、正義の為に戦う者に憧れることはある。それは死なない前提だからではないのだろうか。 多くの物語の正義の味方は特殊な力を持っている。毎回入院シーンのある、ヒーローものは皆無とは言わないが、なかなか見たことがないのではないだろうか。しかし、自分の立場だったなら。いくら力があっても、やはり怪我は免れないし、死ぬかも知れない。そうなったら、何も考えずに協力などしないと思う。しかも、同意もなくいきなり体の性別が変わり、勝手に身体が戦い始めるなど、発狂しそうだ。 この物語には、大人になってからヒーローものや魔法少女ものを見た時の疑問などについても、ナチュラルに解決されている。とても人間らしいところが魅力の物語なのだ。 そして、何故異形が産まれるのか。そこにもちゃんと拘りと理由があるように感じる。正義とは一体なんであろうかと考えさせられるのだ。どんな人間にも心があり、悪が一方的に悪とは限らない。同情もしてしまう物語である。 あなたもお手に取られてみませんか? 笑いあり、怒りあり、ハラハラドキドキしてしまう物語です。果たして、主人公たちは真の敵を倒すことが出来るのだろうか? 是非、その目で確かめてみてくださいね。お奨めです。

5.0
0
crazy's7

散華のカフカ

事件を追ったその先で、想定外の展開が待ち受ける!

【簡単なあらすじ】 ジャンル:ローファンタジー 「審判」から三十年。都市では人が灰になって消える灰化現象が続出。主人公たちは、その事件を捜査していた。灰の身元を調べようとしていたところある不一致に気が付く。更に詳しく調べようとしていたところ、ある人物に呼ばれ捜査資料を渡されるのだが。まさかそれが、自分たちのその後の運命を変えてしまうことになろうとは思ってもいなかった。彼らの運命はいかに?! 【物語の始まりは】 ”朽人”という意味深な言葉を発れられるところから始まっていく。ある二人が美しい砂のようなものを袋に詰めているが、一体それにどんな価値があるというのだろうか? 彼らを通して伝えられるのは、不思議な光景不思議な体験。そして、最後に残された言葉は誰のものなのか? 謎の多場面から始まり、本編に入ると何か事件が起きたことが分かってくる。被害者は二名のようだが、これが冒頭の彼らなのだろうか? 【舞台や世界観、方向性(箇条書き)】 人が灰の様なものにされる事件が多発してる状況。 埋葬屋という謎の人物が存在する。彼の仕事は一体? オーディナルシステムというものが存在する。 多視点からなる群像劇。 【主人公と登場人物について】 主要な人物は三人の刑事だと思われる。 彼らはこの事件(人が灰のようなものにされる事件)の対策チームで初めて出会ったようで、妙に馬が合い捜査を行う時はよく三人で行動しているようだ。 【物語について】 彼らが灰の身元を調べようとしたところ、ある不可解な点を発見する。それをさらに詳しく調べようとした矢先に、彼らに会いに来た者がいた。その者は普段ならば、絶対に会うことのできない人物。彼らはその人物から直々に事件解決の依頼と、その事件に関する話を聞くことになる。その者から事件の情報を手に入れた彼らは、その資料から犯人を導き出したのだが……。 彼らは犯人を調査していたところ、自分たちもある陰謀に巻き込まれていく。この物語は、死=終わりではない。それは序章に過ぎないと感じた。果たして主人公はどうなってしまうのだろうか。 【良い点(箇条書き)】 ・あらすじに”裏で起こる巨大な陰謀の渦に巻き込まれていく”とあるが、巻き込まれ方が想定外。 ・タグに”主人公は最強”とはあるが序盤では想像がつかない。一般の刑事に見えるからである。しかしあるところまで差しかかると、想定外の展開に驚く。 ・バトルものであるということは先に分かってはいるものの、構成が巧いので先が読めず、意外性と独創性が素晴らしい。 ・冒頭の方は事件ものであり、ミステリーのような雰囲気を持つが、異能力者たちのバトルが熱い。不思議なバランスと魅力を持つ物語である。 ・一人一人戦い方が違うようであり、戦闘自体に見どころがある。 【備考(補足)】8ページまで拝読 【見どころ】 まず構成が面白い作品だという印象。推理モノのような始まりであり、主人公達が事件を追っていくところから始まるが、気づけば異能力バトルとなっている。事件の黒幕は早々に分かる為、早くも事件解決か? と思わせる展開も秀逸。しかしそれは始まりに過ぎないのである。まさか主人公たちが事件自体に巻き込まれるとは、あらすじを読んでも想像できない。意外性の詰まった作品である。何故彼らが戦っているのかも、序盤で明かされていく。一体どんなラストになるのか、誰が勝利するのか予測不能である。 主人公はこの戦いにどのような立場や位置で関わっていくことになるのだろうか? 果たしてその結末とは? あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか? この物語の行く先をその目で是非、確かめてみてくださいね。お奨めです。

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crazy's7