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作者の熱い想いの籠った、拘りの作品

5.0
1

【物語は】

終りの部分から始まる。とてもドラマチックに。主人公のハナは、去り行く人物の姿を見送りながら、自分の無力さに言葉を漏らす。しかし、それでも想いは変わらない。もしかしたら、タイトルの”されど”はここにもかかっているのかも知れないのではないだろうかと感じた。

自分の無力さを改めて知ったとしても、”されど”カルテを綴り続けるのだと。本編に入ると、ある人物との出会いについて描かれている。ある物を渡されて”精製”依頼され、彼女は思案に耽ることとなる。何故ならば、その依頼は聞き間違いではないかと疑うほど、変わっていたからだ。真意を確かめようと相手を観察したり、思考に耽るさまが実に丁寧に描かれており、視線の動きが分かりやすく、まるで自分が主人公(ハナ)の視線で見ているような気持ちになる。ここでは、主人公がどんなところで薬師をしているのか、なども描かれており、それを対照として相手の風貌などが描かれているので、実に想像しやすい。主人公は聞き間違いではないかと思う事柄について、どう対応したらよいのか迷い焦るところを、読者は固唾を呑んで見守る状況となる。


【登場人物の魅力】

主人公の心情が丁寧に描かれているので、焦る様、困る様子が手に取るようにわかる。また、緊迫感の中にコミカルさもある。それは彼女の想像力によるものだ。

読者も『確かにこんな時は、悪いことばかりが浮かんでしまう』と思ったり、クスッと笑ってしまったり。また、一緒に焦ったりしてしまうこともあるだろうと想像する。

少し話が進むと彼女の師匠が登場するが、この物語は”対照”を上手く取り入れることにより、人物を際立たせている。とても巧い書き方であり、表現方法だと感じた。例えば、主人公が大きいものが苦手であれば、大きいものが好きな人が出てくる。その反応の違いなどにより、性格などが見えてくるのである。


【作品独自の拘り】

*ノベプラ版、なろう版をザッと確認。

この物語には前回のあらすじや、図解などもついており、より読者が楽しめるような工夫がなされている。文体での表現や描写も丁寧で想像しやすいが、読者との想像の違いを修正や補足という意味でも、とても拘りや気遣いを感じ、読者への愛や作品愛を感じる。


【物語の魅力】

全体的に丁寧な描写で分かりやすく描かれており、それに加えてイラストなども添えてあるので、じっくりと読む作品という印象。なろう版とノベプラ版では若干違う部分があるので、軽く見比べて自分の好みの方をチョイスするという楽しみもある。

「第一章・第三節(なろう版では第一章・第二節)」では、薬師たちの里について描かれている。世界観について詳しく分かるのもこのあたりから。読み進める中で、主人公の志、次いで主人公の人となり、そして彼女をよく知る師匠、次いで里について。このように、一気に分かるのではなく、読者がついて行きやすいように段々と分かっていくというスタイルも魅力の一つではないだろうか。世界観の中で分かって行くのは、里の薬師について。この物語では、どんな小さなことも読者に分かりやすく伝えようという配慮がなされているように感じた。例えば、あらすじのページにしても、どんな物語であるのか。また、作品紹介なども書かれており、より読者が理解しやすく、見どころなどが分かりやすいのではないだろうかと感じた。


【作品の見どころ】

これについては、作品紹介に詳しく書かれています。ここから一部解説させていただくと”真面目だけが取り柄の薬師である少女が、誇りと使命感を持ち理不尽さなども感じながら、それでも立ち向かい成長していく物語”である。彼女の成長や立ち向かっていく姿が一番の見どころ。それをより魅力的な物語とするために、作者は細部まで拘り読者に伝えたい、届けたいという想いで描かれた物語であると感じました。


あなたは、この物語を読んで何を思いますか?

どんな想いを抱きますか?

主人公や患者を通し、作者の熱い想いを感じて欲しい作品です。

是非お手に取られてみませんか?おススメです。

crazy's7

登録:2021/8/1 18:54

更新:2021/8/1 18:53

こちらはcrazy's7さんが読んだ当時の個人の感想です。詳細な事実については対象作品をご確認ください。

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ウィッチドライブ ~女の子と事故って魔法少女になり身体の相性が良いから働かされてるんだけど俺はこれを許すべきか? 契約したからもう遅いわよ〜

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【物語は】 異形と呼ばれる怪物が出るようになった世の中が舞台。ある日、主人公は手違いにより、魔法使いのようなカッコをした女性に、女にされてしまう。被害を被ったのはこちらなのに、何故か不満を漏らしているのは相手である。 理不尽な状況でも、冷静に状況を把握しようとする彼。喋ることは出来るが、喋ること以外出来ないという事態に。つまり、身体が乗っ取られている⁈ 突然、日常から非日常へと引っ張り込まれることになった、主人公の運命とはいかに? 【登場人物の魅力】 段々と明かされていく、主人公の過去。主人公は自身の境遇により、荒れていた時期もあったが、常識的な考えを持つ人物の印象。祖母の教えを胸に抱き、寛容になろうとする場面も見受けられる。 主人公が、とても人間らしい。ここが物語の最大の魅力ではないだろうか。常識的=いい人とは限らない。世に出回っている多くの物語は、人類の為にあっさり戦うことを受け入れてしまう。しかし、それは子供向けの物語であると感じている。あくまでも良いこと悪いことを教えるために、極端にしているのではないかと思えるのだ。大人になれば分別もつくので、人間の感情に対するリアリティを求めるもの。その感情は複雑に違いない。 例えば、子供の頃は守られる側であったが、守るものが多くなればなるほど、リスクを考えたりするだろう。この作品では、そのリスクに対する対価についても描かれている場面があり、協力する理由の一つとして納得できる。 この物語では、主人公の心情がしっかり描かれているので、笑ってしまう部分、一緒になって腹が立つ部分など、感情移入しやすいことも、特徴の一つ。 ウィッチドライブをすることになった相手とのやり取りもとても面白い。相性は最高なのに、仲が悪いのである。しかし、言いたいこと言える相手なので信頼関係や絆は結ばれているように感じた。信頼関係があるからと言って、仲がいいとは限らない。これは現実にもあること。二人の関係が今後どうなっていくのか楽しみである。 【世界観・舞台・物語の魅力】 舞台は、異形と呼ばれる怪物の居る世界である。なので、それを倒すような人々も存在するようだ。 ウィッチドライブのシステム自体がとても面白い。原理は簡単に理解することが出来るのに、いろいろと興味深いことが起きてしまうのが面白い。何故、主人公が男から女になってしまうのか。何故胸のサイズが変わってしまうのか。その辺りの理由についても面白く、単に女性になって戦うのではなく、その為に起きる面倒なことについても描かれている。 本来ならウィッチドライブというシステムを使い、戦うはずではなかった主人公。手違いにより、戦うことになってしまった。この契約は簡単には、なかったことに出来ないため、ある程度の期間は主人公が変わりを果たさなければならない。必要なものは経費で落ちるのだが、それはどうやら国民の税金から支払われるらしい。 その為、必要なものではあるが、”これを税金で⁈”という状況が起き、そこにも笑いが起きる。主人公の複雑心境が笑いを誘うのだ。 この物語は、魔法少女に対する期待のようなものも満たされていると思う。男性が好きそうな際どい展開にて。もちろん、匂わせであるが。 単に笑いだけではなく、敵となる人物たちにも拘りを感じた。悪は一概に悪とは言えないかも知れない。関係ない人まで巻き込んではしまうが、発端がありそこに同情を禁じ得ないこともある。そして、そういう人の心に入り込む人間こそが、本当の悪なのではないかと考えさせられるのだ。 【物語のみどころ】 この物語の主人公は、ある理由から喧嘩などに対しては、腕に覚えのある人物。だからと言って、国民の為に戦う義理はない。それを行うのはそういう職に就いているものの仕事であると考える人間が主人公だ。 この考えには、多くの人が共感できるのではないだろうか。物語だから、フィクションだからこそ、正義の為に戦う者に憧れることはある。それは死なない前提だからではないのだろうか。 多くの物語の正義の味方は特殊な力を持っている。毎回入院シーンのある、ヒーローものは皆無とは言わないが、なかなか見たことがないのではないだろうか。しかし、自分の立場だったなら。いくら力があっても、やはり怪我は免れないし、死ぬかも知れない。そうなったら、何も考えずに協力などしないと思う。しかも、同意もなくいきなり体の性別が変わり、勝手に身体が戦い始めるなど、発狂しそうだ。 この物語には、大人になってからヒーローものや魔法少女ものを見た時の疑問などについても、ナチュラルに解決されている。とても人間らしいところが魅力の物語なのだ。 そして、何故異形が産まれるのか。そこにもちゃんと拘りと理由があるように感じる。正義とは一体なんであろうかと考えさせられるのだ。どんな人間にも心があり、悪が一方的に悪とは限らない。同情もしてしまう物語である。 あなたもお手に取られてみませんか? 笑いあり、怒りあり、ハラハラドキドキしてしまう物語です。果たして、主人公たちは真の敵を倒すことが出来るのだろうか? 是非、その目で確かめてみてくださいね。お奨めです。

5.0
0
crazy's7

散華のカフカ

事件を追ったその先で、想定外の展開が待ち受ける!

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crazy's7