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人々の優しさと絆を感じる物語。果たして、この物語の結末とは?

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【物語は】

主人公が、深夜の宿場村にいるところから始まる。記憶喪失に見舞われた、主人公。目を覚ましたと明確に書かれていないので、目が覚めたらではなく突然の出来事の可能性もある。自分の状況を確認したが、無一文で荷物もなく、ただただ途方に暮れるしかない状況。そこで、出会ったのは人情味あふれるマスター。彼は、主人公の言葉を疑うことなく、一夜の宿を提供してくれたのだ。翌日、店の様子から現在の場所の状況説明という形で、この物語の世界観が分かって来る。その後、自分についての記憶が一切ない主人公に不便さを感じたマスターが、主人公の能力にまつわる仮名を付けようじゃないか、という案を出し、二人はある高名な神官のところに行くこととなったのだが…。


【登場人物の魅力】

主人公は、記憶喪失のオッサン。オッサンであることは彼が、自分で姿を確認したことにより確定した。もし、記憶喪失になってしまったならどんな気持ちなのだろうか。それを想像して心情が描かれていると感じた。その中でも、人恋しさには共感できる。人は記憶があるから、安心して暮らしていられるのだと思った。この後ある神官に、能力を見て貰うこととなるのだが、暗いストーリーではなく明るく展開されていく。それは、個性的な登場人物が出てくるためである。そこでの主人公の心の声にクスッとしてしまう。記憶喪失という状況なのにも関わらず、コミカルなのが面白く、読みやすさも抜群。


【物語の魅力】

意外な方向へと進んでいくのが一番面白い部分である。余談だが、プチメモが面白い。主人公は記憶喪失ではあるが、身体が覚えていたり感覚というもので、『おや?』という事が起きる。それは思考の最中だったり、戦いの最中だったりと、場面は様。序章は、ある予感で終わっている。この場面が後にどうかかわって来るのか、とても興味深い。本編は、主人公が記憶喪失となり、村で過ごすようになった二年後から始まる。ここで第一章がプロローグであるのにも関わらず、長めであった理由が見えてくる。あらすじにある、”人々と紡がれる絆”と言う言葉に納得してしまうのだ。この物語は主人公との絆を描いた物語なのかもしれない。


【物語の見どころ】

二年経っても記憶の戻ることのない主人公だが、彼の生活は明らかに変化をとげている。記憶喪失でこの村にいた当初と比べると、確実に村人たちと良好な関係を築いている。この世界では魔力があって当然。稀に持たない者もいる、と言う程度のレアケース。しかし、彼は無力というわけではないのだ。特技が身を助ける。彼がまさしくそうなのではないだろうか。記憶はなくても、身体が覚えていたせいで、村の危機を乗り越えた。今では村人と信頼関係を築いている。

時々入る別視点がとても良いアクセントになっており、物語に深みを出しているように感じた。なぜあえて魔王のいなくなった世界が舞台なのかは、序章にあたる一章で分かるが、序盤ではまだ物語が、何処へ向かうのか分からない。この先一体何が待ち受けているのだろうか。記憶は戻るのだろうか。そもそも、彼がこの村に居た理由はなんだろうか。沢山の謎がある物語。人々の優しさと絆を感じる物語です。主人公は、記憶がないにも関わらず”恩”を大切にして生きている。彼にどんな結末が待ち受けているというのだろうか。


是非、あなたもお手に取られてみませんか?

お奨めです。

crazy's7

登録:2021/8/1 19:00

更新:2021/8/1 19:00

こちらはcrazy's7さんが読んだ当時の個人の感想です。詳細な事実については対象作品をご確認ください。

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crazy's7

散華のカフカ

事件を追ったその先で、想定外の展開が待ち受ける!

【簡単なあらすじ】 ジャンル:ローファンタジー 「審判」から三十年。都市では人が灰になって消える灰化現象が続出。主人公たちは、その事件を捜査していた。灰の身元を調べようとしていたところある不一致に気が付く。更に詳しく調べようとしていたところ、ある人物に呼ばれ捜査資料を渡されるのだが。まさかそれが、自分たちのその後の運命を変えてしまうことになろうとは思ってもいなかった。彼らの運命はいかに?! 【物語の始まりは】 ”朽人”という意味深な言葉を発れられるところから始まっていく。ある二人が美しい砂のようなものを袋に詰めているが、一体それにどんな価値があるというのだろうか? 彼らを通して伝えられるのは、不思議な光景不思議な体験。そして、最後に残された言葉は誰のものなのか? 謎の多場面から始まり、本編に入ると何か事件が起きたことが分かってくる。被害者は二名のようだが、これが冒頭の彼らなのだろうか? 【舞台や世界観、方向性(箇条書き)】 人が灰の様なものにされる事件が多発してる状況。 埋葬屋という謎の人物が存在する。彼の仕事は一体? オーディナルシステムというものが存在する。 多視点からなる群像劇。 【主人公と登場人物について】 主要な人物は三人の刑事だと思われる。 彼らはこの事件(人が灰のようなものにされる事件)の対策チームで初めて出会ったようで、妙に馬が合い捜査を行う時はよく三人で行動しているようだ。 【物語について】 彼らが灰の身元を調べようとしたところ、ある不可解な点を発見する。それをさらに詳しく調べようとした矢先に、彼らに会いに来た者がいた。その者は普段ならば、絶対に会うことのできない人物。彼らはその人物から直々に事件解決の依頼と、その事件に関する話を聞くことになる。その者から事件の情報を手に入れた彼らは、その資料から犯人を導き出したのだが……。 彼らは犯人を調査していたところ、自分たちもある陰謀に巻き込まれていく。この物語は、死=終わりではない。それは序章に過ぎないと感じた。果たして主人公はどうなってしまうのだろうか。 【良い点(箇条書き)】 ・あらすじに”裏で起こる巨大な陰謀の渦に巻き込まれていく”とあるが、巻き込まれ方が想定外。 ・タグに”主人公は最強”とはあるが序盤では想像がつかない。一般の刑事に見えるからである。しかしあるところまで差しかかると、想定外の展開に驚く。 ・バトルものであるということは先に分かってはいるものの、構成が巧いので先が読めず、意外性と独創性が素晴らしい。 ・冒頭の方は事件ものであり、ミステリーのような雰囲気を持つが、異能力者たちのバトルが熱い。不思議なバランスと魅力を持つ物語である。 ・一人一人戦い方が違うようであり、戦闘自体に見どころがある。 【備考(補足)】8ページまで拝読 【見どころ】 まず構成が面白い作品だという印象。推理モノのような始まりであり、主人公達が事件を追っていくところから始まるが、気づけば異能力バトルとなっている。事件の黒幕は早々に分かる為、早くも事件解決か? と思わせる展開も秀逸。しかしそれは始まりに過ぎないのである。まさか主人公たちが事件自体に巻き込まれるとは、あらすじを読んでも想像できない。意外性の詰まった作品である。何故彼らが戦っているのかも、序盤で明かされていく。一体どんなラストになるのか、誰が勝利するのか予測不能である。 主人公はこの戦いにどのような立場や位置で関わっていくことになるのだろうか? 果たしてその結末とは? あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか? この物語の行く先をその目で是非、確かめてみてくださいね。お奨めです。

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crazy's7