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転生で彼が手に入れたものとは?笑いと涙と、勇気。そして、心温まる物語

5.0
1

【物語は】

ある国のとある森。ある一人の少女に迫る巨体。彼女に危機が迫る……かと思いきや。危機的状況に陥っているのは一体どちらなのだろうか。

本編に入ると、何やら不穏な事態。主人公は追っ手から逃れつつ、こうなった経緯について回想している。それは運が悪いとしか言えない状況だった。

25年間自分自身の欲望を押さえつけた彼は、真面目ないい子を演じてきた。それがどうしてこうなったのか。いつか報われると信じていた彼は、悪戯によって希望さえ奪われるのであった。

コミカルに進んでいくので、とても面白い。理不尽さに対する心の叫び、真面目に今後の展開を想像し嘆くなど。真面目に生きてきた彼ならではである。

報われないまま、人生を終えることになってしまった主人公。この先、何が待ち受けているのだろうか?

(普通は人生が終わったら終わりですが、続きます)


【登場人物の魅力】

生活環境の為、自分を殺さなければならなかった主人公は、聖人君主というわけではない。むしろ抑え過ぎた欲望のせいで、本当はむっつりという残念な点がある。しかしそれもまた人間らしさである。

真面目な部分があるからこそ、状況を冷静に分析し、他人を信用できない面もあるのではないだろうか。

主人公は言葉選びが秀逸。想像力も豊かで、考え方が面白い。ネタバレになってしまう為、一つも例をあげられないのが残念。主人公は、女神の話を聞き異世界に転生するという、一択しか道が残されていないことを知る。

ここで出てくる女神が強烈だ。この場面だけで一生分笑えるのではないかというくらい、ユーモアがあり笑いのセンスも光る。


【物語の魅力】

この物語は確かに面白い部分が多いが、心情にリアリティを持たせており、主人公が絶望する様も伺える。心理描写も情景描写も丁寧で、彼がゆっくりと新しい環境に順応していく姿が伺える。転生するまの段階では笑って見ていられたが、大自然の中で適応していこうとするさまは、応援したくなる。

現代社会からいきなりサバイバルな生活を強いられ、しかもモンスターのいる世界で生活をすることになってしまった主人公。その知識はゲームによるものも含まれており、モンスター側から世界はどう見えるのかについても語られている。立場が違えば、考え方もガラリと変わるのだ。

たった一人で異世界にモンスターとして転生され、はじめは不安や恐怖も感じていた主人公。そんな彼が、異世界生活を楽しむまでの経緯も丁寧に描かれており、夢中になってしまう。笑いだけではなく、生活そのものに面白味を感じる物語だ。


【この物語の見どころ】

抑圧されていた人間が、自由を謳歌していく。しかし、そうなるまでにはもちろん苦労もある。タイトルにある通り、欲望の限りを尽くすはずだった。彼は、欲望ではなく自由を謳歌していると感じる。今までなら、周りの目を気にした生活だったり、好きなものを食べることが出来なかったり。

確かに異世界の大自然の中では、好きなものを食べるというのは難しいかも知れない。だが物語が進むごとに、彼は順応し生き生きとしている。自分のしたいことも出来ず、我慢するのが当たり前だった日常が変わっていくのだ。それは決して楽ではないが、自分で学び手に入れていく。失敗もあるだろう。だが、楽しんでいるようにも見える。

この先、彼には英雄となる道が開けていくと思われる。

それは、どんな形で訪れるのだろうか?


あなたもぜひ、お手に取られてみませんか?

真面目に生きてきた青年の第二の人生は、あなたにも考え方を変えるチャンスをくれるかもしれません。おススメですよ。

crazy's7

登録:2021/8/7 20:33

更新:2021/8/7 20:33

こちらはcrazy's7さんが読んだ当時の個人の感想です。詳細な事実については対象作品をご確認ください。

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5.0
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crazy's7

散華のカフカ

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crazy's7