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孤独から逃れるための死に、訪れる真の孤独。しかし、それを救ったのは⁈

5.0
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【物語は】

真に人が恐れるものとは何だろうか?

主人公の心情から物語は始まっていく。主人公が抱えるものは孤独。それにより彼女は、死を選ぼうとしていた。人には承認欲求がある。

自ら選んだ死を目の前にして、それでも承認欲求を満たしたい。誰かに自分の存在を知って欲しい。死の間際でさえ、承認欲求に囚われるのが人間なのだろうか?主人公が選んだ未来とは?


存在意義とは何か?

*存在意義とは、率直に言うと、その者が存在していることの意味や価値、重要性のこと。 仕事や人生における存在意義とは「生きていく喜び・生きるための楽しみ」を指します。(web調べ)


【主人公の考え方】

達観していると言える。あらすじからも、かなりクールで合理的な考え方の持ち主であると感じた。それがゆえに、人から認知されない人生が辛いと感じたのだろう。主人公ががけから飛び込むまでに、走馬灯のように流れる言葉たちが印象的。承認について客観的に見ると、”人は興味感心のある話題に流れていくだけであって、誰かを認知している”という意識はないにではないだろうかと思う。


だからこそ、厄介なのかもしれない。承認欲求というのは、自分だけでは満たせない。しかし、相手は無意識。通常は、親などから認知されることによって多少は満たされるものである。しかし、主人公には両親がいない。代わりに育ててくれた人も、主人公を育ててはくれたものの、特別子供が好きというわけでもないようだ。だからと言って主人公は、はじめから受け身であったわけではない。自分から友人を作ろうとしたこともある。


ここで一つ問題だと思うのは、両親などとコミュニケーションを取らない子供、もしくはとれない子供は、他人との接し方や話題作りが苦手であるという事。会話は、おこなって段々となれたり会話の流れを理解したり、相手の気持ちが汲み取れるようになるのではないだろうか。

主人公は、その経験が少ないために、努力が実らなかった可能性もある。人は、自分の利になる人に流れがちだ。それは何も目に見えるものとは限らない。つまりコミュニケーション能力の高い人間に、人は集まるのではないだろうか。


【世界観。・舞台】

話が進むと明かされるのだが、主人公は霊が見えるようである。このことが、今までの生活の中で、良い方向に向かなかったという事は、良い霊には会えなかったのではないかと想像する。(作中でその事について詳しく語られている)


主人公は、自殺の名所に飛び込んでから後悔する。しかし、時すでに遅し。主人公の運命は変えられないのだろうかと思った時、その人生に光が差す。恐らくそれは、真の光だと思われる。


主人公が自分の孤独への想いを告げると、今度は自分を救ってくれた彼が、彼自身の最後の時を語ってくれる。二人が怖がっていたものは、恐らく同じものだとおもう。

戦争で亡くなった彼と、孤独から逃れようとした主人公。二人はともに行くことを決断するのだ。


【物語の魅力】

孤独に苛まれ、自殺を決意した主人公は、崖に飛び降り死を覚悟した瞬間、孤独から逃れた死のその先の、永遠なる孤独に恐怖する。

しかし、それを救った者がいた。彼との出会いをきっかけにして、主人公の運命が少し上向きになる。そして孤独だった主人公にある、転機が訪れた。


この物語は、常に一定方向に流れていくわけではなく、良いことも悪いことも起きていく。ドキドキハラハラする展開が多い。しかし、主人公は命を助けてくれた者と、徐々に絆を築きながら、困難を乗り越えていくのである。

彼女は果たして、孤独から抜け出せるのだろうか。


【物語の見どころ】

一番の見どころは、主人公の考え方の変化や心の変化なのではないかと思われる。初めは誰にも存在を認めて貰えない自分に価値がないと思い、死を選ぼうとした。しかし、自分を救ってくれたものとの出会いが、主人公を少しづつ変えていく。


孤独の感じ方は人それぞれだと思う。一人を楽しむものもいれば、常に誰かに存在を認めて貰えないと不安な人もいる。これは一つの社会問題なのではないだろうか?そして人は意図して相手を認めているわけではないという事。

そして認めなければならない義務もない。だからこそ、自分の存在を認めて貰えないと、孤独を感じるのではないだろうか?

これは一人では解決できないので、とても難しいことだと感じた。


両親を失ったことで、孤独を感じコミュニケーションを上手に取れず、それでも頑張っていた少女。彼女は自分の特殊な能力 (霊が見える)により、頑張って築き上げたものを一度は失ってしまう。一度ついたイメージは払拭するのが難しく、自分から人を遠ざけてしまう。しかし、自分を救ったのも同じく特殊な能力であった。それはきっかけの一つに過ぎないのかも知れない。

だが彼に背中を押され、再び一歩を踏み出すのだ。


あなたもお手に取られてみませんか?

彼女はこの先、友人を作ることは出来るのだろうか?

現在読了部分では(P24)新たなる謎と問題が発生しているようである。簡単に先の展開を想像できない物語です。彼女のこの先の人生を、その目で確かめてみてくださいね。おススメです。

crazy's7

登録:2021/8/8 20:57

更新:2021/8/8 20:57

こちらはcrazy's7さんが読んだ当時の個人の感想です。詳細な事実については対象作品をご確認ください。

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crazy's7