ユーザー登録・ログイン

新規登録

ログイン

作品

レビュー

登録/ログイン

その他

オノログについてFAQ利用規約プライバシーポリシー問い合わせユーザー管理者Twitter
レビューを投稿
書籍化
コミカライズ原作
ジャンル別
サイト別
サイト関連
運営している人

@オノログ

これは人間の本質について考えさせられる、ヒューマンドラマだ!

5.0
0

【簡単なあらすじ】

ジャンル:ハイファンタジー

平和だと思われた待ちで突如起こった、事件。初めは幻想や見間違いだと思われたが第二、第三の事件が起き自警団が動き出す。解決はするものの、それは一筋縄ではいかなかった。事件の後に起きた出来事と、真相とは?


【物語の始まりは】

ある一人の人物の想いから始まり、ある料理店へと場面が移っていく。しかしその店は、普段ならこの時間に開いていることはなかった。というのも、ある親子が何者かに襲われる事件がこの街で起きたからである。彼らを襲ったのは化け物というが、厳重な警備が為されているこの街でそのような事件が起きるはずがないと誰もが思っていた。だが第二、第三の事件が勃発。放っておけないと自警団も動き出したのだ。そんな経緯もあり、この店は普段なら開いていないはずの時間に、店を開けていたのである。果たして、事件の真相とは?


【舞台や世界観、方向性】

かつては冒険者というものが存在しており、未開の地や化け物と戦うものなどがいた。しかしそれから100年後の物語であり、伝承のみとなっている。

今でも魔物は存在する世界。


この物語での冒険者とは、未開の地などを旅し、冒険をしながら生計を立てる人間を指す。100年前には未開の地や伝説や伝承となる魔物も存在したようだが、その頃と比べると平和。その為かジェノの冒険者仲間の彼女が、冒険者となるまでは、街の外にはまだ魔物が存在することは知らなかったように感じる。


【主人公と登場人物について】

この物語は群像劇。

料理店は三人で切り盛りしており、ジェノという少年は料理屋のウエイターであり、冒険者でもあるようだ。物語はジェノの仲間の冒険者である女性の視点から始まり、ある自警団の男性の視点へと変わっていく。


自警団に所属する一人の少年(レイ)と冒険者仲間である女性(イルリア)の二人の視点から、一人の少年(ジェノ)について語られていく。

彼女からみるとジェノは、自分を含め人に心配をさせている印象。しかし自警団のレイの視点では、”何を考えているのか分からない”愛想のない人物という印象を持っている。タイトルにある”彼は、英雄とは呼ばれずに ”の彼が誰を指しているのか現時点(27ページ)では推測の域を出ないが、二人の視点から語られる冒険者、ジェノのことではないだろうか?


【物語について】

ジェノの冒険者仲間の女性は、冒険者という職に対して良く思っていなかった。というのも冒険者とは未開の地などを旅し、冒険をしながら生計を立てる人間ではあるが、冒険者の英雄と名高い人物が生きていた頃から100年がたっており、様々な古代の魔法品や財宝が眠る神殿などは、この数百年でそのほとんどが発掘され尽くしてしまったからである。

彼女にとって冒険者とは、”定職に就かずに叶いもしない夢を追っている馬鹿な人間というイメージ”だったからだ。しかしある事件が起き、そのイメージは変わったものの、良いイメージでないことは変わらなかった。


【良い点(箇条書き)】

・女性の観点と男性の観点との違いが良いと思った。

この物語で描かれている一部の女性は感情的であり、物事の本質が見えていない。そして逆に、男性の一部は本質を見抜いている。人間というものに、リアリティを持たせていると感じた。男女の区別というよりは、どちらの考え方を持つかによって、どちら側に賛同できるか変わる物語だと感じた。

・周りから理解されないジェノが不憫でならない。とても同情してしまう。物語が進むと、理解者もいるので、ホッとするが。

・この物語で一番共感できるのはジェノだなと感じた。

・それぞれの事情がある物語。誰が悪いとは言えない部分が複雑な気持ちにさせる。

・ヒューマンドラマ部分が深い物語だと感じた。


【備考(補足)】27ページまで拝読

【見どころ】

この物語は英雄譚ではない。あらすじにも書いてはあるが、あえて言いたい。

魔物も存在し、一部先天性の素質をもった魔法使いも存在するファンタジー世界だが、ヒューマンドラマである。心を抉るような物語だと感じた。

モンスターと戦い、仲間と絆を築き、魔王と戦う。そういう所にスポットをあてているのではなく、登場人物たちが、それぞれ自分自身と向き合っていく物語であるという印象を受けた。

そこには他者に対する憎しみや嫉妬など負の感情が渦巻いており、理解されない者もいれば、一方的な感情を向ける者もいる。人間の負の部分をこれでもかと突き付けられているような気持ちになる作品だと感じた。


それぞれに事情があり、抱えているものもある。そして考え方の違いにより、いがみ合ったりすれ違ったりもする。そして他人から見るとエゴでしかない部分も存在する。しかし彼らは”そこに生きている”と感じられるほどに、読者の心を抉っていくのである。好感を持つ人物もいれば、嫌悪してしまう人物も存在する。綺麗ごとではないからこそだと思った。

登場人物それぞれの性格が分かりやすく、どうしてそういう言動なのか? それは後から語られ、真実が明かされていく。その真実から登場人物に同情を抱くか、共感するか、嫌悪していしまうかは読み手のこれまでの人生経験や、性格、考え方によると思う。読む人によって感じ方の分かれる作品である。人間について、深く考えさせらえる物語であると感じた。

あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか? おススメです。

crazy's7

登録:2021/11/28 19:10

更新:2021/11/28 19:15

こちらはcrazy's7さんが読んだ当時の個人の感想です。詳細な事実については対象作品をご確認ください。

同じレビュアーの他レビュー!!

ウィッチドライブ ~女の子と事故って魔法少女になり身体の相性が良いから働かされてるんだけど俺はこれを許すべきか? 契約したからもう遅いわよ〜

笑いあり、怒りあり、語りつくせない魅力の詰まった物語。

【物語は】 異形と呼ばれる怪物が出るようになった世の中が舞台。ある日、主人公は手違いにより、魔法使いのようなカッコをした女性に、女にされてしまう。被害を被ったのはこちらなのに、何故か不満を漏らしているのは相手である。 理不尽な状況でも、冷静に状況を把握しようとする彼。喋ることは出来るが、喋ること以外出来ないという事態に。つまり、身体が乗っ取られている⁈ 突然、日常から非日常へと引っ張り込まれることになった、主人公の運命とはいかに? 【登場人物の魅力】 段々と明かされていく、主人公の過去。主人公は自身の境遇により、荒れていた時期もあったが、常識的な考えを持つ人物の印象。祖母の教えを胸に抱き、寛容になろうとする場面も見受けられる。 主人公が、とても人間らしい。ここが物語の最大の魅力ではないだろうか。常識的=いい人とは限らない。世に出回っている多くの物語は、人類の為にあっさり戦うことを受け入れてしまう。しかし、それは子供向けの物語であると感じている。あくまでも良いこと悪いことを教えるために、極端にしているのではないかと思えるのだ。大人になれば分別もつくので、人間の感情に対するリアリティを求めるもの。その感情は複雑に違いない。 例えば、子供の頃は守られる側であったが、守るものが多くなればなるほど、リスクを考えたりするだろう。この作品では、そのリスクに対する対価についても描かれている場面があり、協力する理由の一つとして納得できる。 この物語では、主人公の心情がしっかり描かれているので、笑ってしまう部分、一緒になって腹が立つ部分など、感情移入しやすいことも、特徴の一つ。 ウィッチドライブをすることになった相手とのやり取りもとても面白い。相性は最高なのに、仲が悪いのである。しかし、言いたいこと言える相手なので信頼関係や絆は結ばれているように感じた。信頼関係があるからと言って、仲がいいとは限らない。これは現実にもあること。二人の関係が今後どうなっていくのか楽しみである。 【世界観・舞台・物語の魅力】 舞台は、異形と呼ばれる怪物の居る世界である。なので、それを倒すような人々も存在するようだ。 ウィッチドライブのシステム自体がとても面白い。原理は簡単に理解することが出来るのに、いろいろと興味深いことが起きてしまうのが面白い。何故、主人公が男から女になってしまうのか。何故胸のサイズが変わってしまうのか。その辺りの理由についても面白く、単に女性になって戦うのではなく、その為に起きる面倒なことについても描かれている。 本来ならウィッチドライブというシステムを使い、戦うはずではなかった主人公。手違いにより、戦うことになってしまった。この契約は簡単には、なかったことに出来ないため、ある程度の期間は主人公が変わりを果たさなければならない。必要なものは経費で落ちるのだが、それはどうやら国民の税金から支払われるらしい。 その為、必要なものではあるが、”これを税金で⁈”という状況が起き、そこにも笑いが起きる。主人公の複雑心境が笑いを誘うのだ。 この物語は、魔法少女に対する期待のようなものも満たされていると思う。男性が好きそうな際どい展開にて。もちろん、匂わせであるが。 単に笑いだけではなく、敵となる人物たちにも拘りを感じた。悪は一概に悪とは言えないかも知れない。関係ない人まで巻き込んではしまうが、発端がありそこに同情を禁じ得ないこともある。そして、そういう人の心に入り込む人間こそが、本当の悪なのではないかと考えさせられるのだ。 【物語のみどころ】 この物語の主人公は、ある理由から喧嘩などに対しては、腕に覚えのある人物。だからと言って、国民の為に戦う義理はない。それを行うのはそういう職に就いているものの仕事であると考える人間が主人公だ。 この考えには、多くの人が共感できるのではないだろうか。物語だから、フィクションだからこそ、正義の為に戦う者に憧れることはある。それは死なない前提だからではないのだろうか。 多くの物語の正義の味方は特殊な力を持っている。毎回入院シーンのある、ヒーローものは皆無とは言わないが、なかなか見たことがないのではないだろうか。しかし、自分の立場だったなら。いくら力があっても、やはり怪我は免れないし、死ぬかも知れない。そうなったら、何も考えずに協力などしないと思う。しかも、同意もなくいきなり体の性別が変わり、勝手に身体が戦い始めるなど、発狂しそうだ。 この物語には、大人になってからヒーローものや魔法少女ものを見た時の疑問などについても、ナチュラルに解決されている。とても人間らしいところが魅力の物語なのだ。 そして、何故異形が産まれるのか。そこにもちゃんと拘りと理由があるように感じる。正義とは一体なんであろうかと考えさせられるのだ。どんな人間にも心があり、悪が一方的に悪とは限らない。同情もしてしまう物語である。 あなたもお手に取られてみませんか? 笑いあり、怒りあり、ハラハラドキドキしてしまう物語です。果たして、主人公たちは真の敵を倒すことが出来るのだろうか? 是非、その目で確かめてみてくださいね。お奨めです。

5.0
0
crazy's7

散華のカフカ

事件を追ったその先で、想定外の展開が待ち受ける!

【簡単なあらすじ】 ジャンル:ローファンタジー 「審判」から三十年。都市では人が灰になって消える灰化現象が続出。主人公たちは、その事件を捜査していた。灰の身元を調べようとしていたところある不一致に気が付く。更に詳しく調べようとしていたところ、ある人物に呼ばれ捜査資料を渡されるのだが。まさかそれが、自分たちのその後の運命を変えてしまうことになろうとは思ってもいなかった。彼らの運命はいかに?! 【物語の始まりは】 ”朽人”という意味深な言葉を発れられるところから始まっていく。ある二人が美しい砂のようなものを袋に詰めているが、一体それにどんな価値があるというのだろうか? 彼らを通して伝えられるのは、不思議な光景不思議な体験。そして、最後に残された言葉は誰のものなのか? 謎の多場面から始まり、本編に入ると何か事件が起きたことが分かってくる。被害者は二名のようだが、これが冒頭の彼らなのだろうか? 【舞台や世界観、方向性(箇条書き)】 人が灰の様なものにされる事件が多発してる状況。 埋葬屋という謎の人物が存在する。彼の仕事は一体? オーディナルシステムというものが存在する。 多視点からなる群像劇。 【主人公と登場人物について】 主要な人物は三人の刑事だと思われる。 彼らはこの事件(人が灰のようなものにされる事件)の対策チームで初めて出会ったようで、妙に馬が合い捜査を行う時はよく三人で行動しているようだ。 【物語について】 彼らが灰の身元を調べようとしたところ、ある不可解な点を発見する。それをさらに詳しく調べようとした矢先に、彼らに会いに来た者がいた。その者は普段ならば、絶対に会うことのできない人物。彼らはその人物から直々に事件解決の依頼と、その事件に関する話を聞くことになる。その者から事件の情報を手に入れた彼らは、その資料から犯人を導き出したのだが……。 彼らは犯人を調査していたところ、自分たちもある陰謀に巻き込まれていく。この物語は、死=終わりではない。それは序章に過ぎないと感じた。果たして主人公はどうなってしまうのだろうか。 【良い点(箇条書き)】 ・あらすじに”裏で起こる巨大な陰謀の渦に巻き込まれていく”とあるが、巻き込まれ方が想定外。 ・タグに”主人公は最強”とはあるが序盤では想像がつかない。一般の刑事に見えるからである。しかしあるところまで差しかかると、想定外の展開に驚く。 ・バトルものであるということは先に分かってはいるものの、構成が巧いので先が読めず、意外性と独創性が素晴らしい。 ・冒頭の方は事件ものであり、ミステリーのような雰囲気を持つが、異能力者たちのバトルが熱い。不思議なバランスと魅力を持つ物語である。 ・一人一人戦い方が違うようであり、戦闘自体に見どころがある。 【備考(補足)】8ページまで拝読 【見どころ】 まず構成が面白い作品だという印象。推理モノのような始まりであり、主人公達が事件を追っていくところから始まるが、気づけば異能力バトルとなっている。事件の黒幕は早々に分かる為、早くも事件解決か? と思わせる展開も秀逸。しかしそれは始まりに過ぎないのである。まさか主人公たちが事件自体に巻き込まれるとは、あらすじを読んでも想像できない。意外性の詰まった作品である。何故彼らが戦っているのかも、序盤で明かされていく。一体どんなラストになるのか、誰が勝利するのか予測不能である。 主人公はこの戦いにどのような立場や位置で関わっていくことになるのだろうか? 果たしてその結末とは? あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか? この物語の行く先をその目で是非、確かめてみてくださいね。お奨めです。

5.0
0
crazy's7