星集めの画家、もう名前だけでロマンティックである。
その画家であるステラと、需要のない魔法しか使えないアルバートの素敵な恋の物語。
とにかく色彩や景色が美しい。星は紫紺の空にチカチカと無数に輝き、ステラとアルバートの瞳の色はひとつに混ざり合う。そして最初と最後に出てくるクリスマスの町の華やかさ。
ここで何語も費やして説明するより本文を読んでほしい。
アルバートの悩みは魔法に需要がないこと。しかしステラと出会って能力が開花する。きっとアルバートの魔法はステラのために用意された特別な力なんだ、と思った。
誰でも、大切な誰かのためになら力を発揮できるし、それが予想以上の結果に結びつくのに違いない。
ところで、今までうまく使えないものが相手を得て使えるようになる、というのはとても示唆に富む。
例えば会社で、上司が変わったとたんに生き生きと仕事ができるようになったり……。
能力を発揮できる人との出会いは人生でとても重要だ。
そんなことを読み終えて漠然と思った。
あまりロマンティックではないのは、わたしがトシをとったせいだ。きっとそうだ。
素敵な物語をありがとうございました。
登録:2021/12/24 04:43
更新:2021/12/24 04:42