光の壁――境界線。
条理を違え、
世を分け隔て、
力を吸い、渡るを拒む。
彼方の側には魔が棲まう。
手前の土地にはヒトの息。
厄災を畏れ細々と。
欲を剥き出し眈々と。
聖騎士のみは境界線、越えて探って還れども。
真相はまだ底さえ知れず、
もたらす知見も頼りなく、
ヒトは今なお不明に足掻く。
例外、されどここにあり。
魔の側に棲む、されどヒトの子。
心を識り、心を交わし、和をこそ望むその姿。
困窮に手を。
波乱に解を。
混迷に策を。
その手に力、埒の外。
ゆえに時には◆魔王◆と呼ばる。
殺めに固く禁を課し、
他者のためにぞ力を振るう。
されど過ぎたるその力、良しと認めぬ者たちもあり。
知と理と力、技と術。
併せ持てども、ヒトはヒト。
その身。その傷。その力。
過ぎたるものを、背負う代価は。
◆境界線上の魔王◆
寄り添う心。手を貸す友。ヒトゆえ進む、その先は。
登録:2022/3/20 21:17
更新:2022/3/20 21:17