ともしびが消えようとする前のほんのしばらくの間、光が明るさを増す。人が死ぬ前にちょっと容態がよくなったり、物事の滅亡の直前に一時勢いをもり返したりすることのたとえ。〔仏説法滅尽経〕(出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について)
不幸な事件に巻き込まれ、天涯孤独の身の彼女は、長年眠り続けていた。
無機質な部屋の中、突如、彼女の意識が蘇る。それは、命の灯が消える前の一瞬の煌めきにも似た瞬間だった。
息をするのも苦しくなるほど、迫りくる死の淵へと追い込まれて行く様子。
自分だけが生き残った贖罪は切なさが伝わります。
そして、その淵からふわりと浮かび上がる仄かな希望は、読者に救いを与えました。
作者が高校生とは、思えない筆力には脱帽です。
何年後かに大きな賞でお名前を拝見する日が待ち遠しいです。
登録:2022/10/29 12:37
更新:2022/10/29 11:43