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ゲームで育てた不人気作物パースニップでみんなを元気にしてあげる

ゲームでも現実でも、真っ直ぐやりたいことをやるのが一番!

植物が好きなのに育てられない主人公が、ゲームの中くらいはと好きなだけ植物を育てると言う目的をひたすら初志貫徹して、最後まで一度も戦闘しません。 不快なコメントがくれば全ブロックしてひたすら好きなことをすると言う、正しいゲームの楽しみ方をしてます。 MMOものだと煩わしかったり多彩な人間関係があったりしがちですが、主人公が楽しいことだけやってる感じが見てる方にも楽しい気持ちにさせてくれます。 現実についてもほどほどにいいバランスで描写があります。プレイスタイルと似た、優しいけどクールではっきりした性格が小気味よく真面目に仕事をする姿には好感を抱きます。 恋愛要素は蛇足で保管されるくらいですが、いつの間にか好きになっていた流れは性格上リアル感もあってよかったです。 最後がちょっと駆け足ぎみなのは否めないですが、文庫本一冊程度に収まっていて、ゲーム内ではきれいにストーリーまとまってますし、面白かったです。 淡々とやりたいことを楽しむゲームとちょっと嫌なこともあるけど充実していく現実、どちらも楽しみたい人にはおすすめです。

4.0
0
かんむり

デュラはんは心の友

ある勘違いから始まる、真の友情の物語。

1 読む前の印象や予想など(表紙やあらすじなどから想像したこと) まずデュラハンとは何かについて調べてみた。 アイルランドに伝わる首のない男性の姿をした妖精 。 女性の姿という説も存在する。(ウィキペディア調べ) つまり主人公はトラックに轢かれて異世界転生したら首のない妖精になっていたということだろうか。 詳しいことは端折るが、検索したものを読む限り”死を予言する”のがお仕事なのだろうか?  表紙の感じからは、持っている頭の顔が笑っているので、明るい性格なのかもしれない。 2 物語は(どのように始まっていくのか?) トラックに轢かれ異世界転生したらデュラハンになっており、それから五年後の話しのようである。 ここではデュラハンがどんなものなのか説明がなされているが、確かに首が取れている状態なのですでに死んでいるとも考えられる。 異世界転生ものと言えば、大体新しい生を受け人生を再び新しい場所で! というものなので、転生したらすでに死んでいたというのは斬新である。職業さえ自由に選ぶことの出来なかった彼の今までのいきさつが分かって来る。この後、どのような展開を迎えるのだろうか? 3 世界観について 種族や職業などがある世界観。デュラハンであるとはいえ、気さくで明るそうな主人公を見てみんなが逃げてしまうのは、この世界でもデュラハンは”死を予言する者”だからなのだろうか? それとも見たものは目を潰されるからなのだろうか? その中で何故か教会の神父をしている”ボニたん”だけは彼を怖がらないらしい。物語の舞台はこのような感じである。 4 良かったところ。印象に残ったところ。好きなセリフなど。 *楽しそうである。 主人公を含め、主人公の友人であるボニたんも生き生きとしている。人生を謳歌しているように感じ、明るい物語に感じる。 *デュラハンとして死んでいることの利点が書かれていて面白い。 あまり死んでいることの利点について考えたことはないが、こう客観的に見ると面白く笑ってしまう。 *依頼を受けこなす過程で分かる世界観。 主人公のモノローグにより、仕事の報酬の入り方やどんなものに価値があるのかなども分かって来るのが良い。 *何故二人が友となったのかの経緯も分かる。 これは意外な展開であった。主人公がこういう性格だったからなのだろうか? ほのぼのしていてとても良い。 *友とは何かについて考えさせられる。 この物語は、ボニたんサイドから全体が分かってくる。初めは恐れていた主人公を友人と認めるころには互いに必要な存在となっていくのだ。心温まる物語である。 5 お奨めしたい部分 異世界転生した主人公がチート能力を使い、心の友や村を救うお話。 本来なら”死を告げる”のが仕事なはずだが、主人公はその仕事に疑問を抱き逃げてきた。人から怖がられ友人すら作れなかった彼に、ある日転機は訪れる。初めは彼を利用しようとしていた神父。いつしか本当の心の友となっていく。主人公の働きにより村は発展していくが、そのせいで目をつけられてしまうのだ。ここからが物語について深く考えさせられる部分でもある。 本当の友とは何なのだろうか? あなたなら友の為に命を賭けられるだろうか? 真の友情の物語だと感じた。 おまけ部分も非常に面白いのでお奨め。 6 物語のその先を想像して おまけのその先は、首だらけになるのではないか? と思った。 想像すると、ちょっとホラー! あなたも是非お手に取られてみてくださいね。お奨めです。

5.0
1
crazy's7

注文ができない料理店

五感で楽しむエッセイ。

1 読む前の印象や予想など(表紙やあらすじなどから想像したこと) 宮沢賢治の注文の多い料理店というのを読んだことがあり、ポポロクロイス物語2ではそれが題材となったストーリー部分もあるユニークな物語である。しかし、この作品は”注文ができない料理店”なのである。タイトルだけで心の踊る作品だ。 作品の詳細を見ると、物語ではなくカテゴリーはエッセイ。そうなって来ると料理系のエッセイなのだろうか? ふと”孤独のグルメ”が頭に浮かんだ。なるほど、これはとても面白そうである。 表紙も明るくお洒落な感じで、自分も行ってみたいなと思わせる効果もあるのではないだろうか? 2 物語は(どのように始まっていくのか?) 作品は、白飯やビールなどのカテゴリーに分かれており、それに合うおかず(つまみ)について書かれていくようである。 それに加えて、音などの演出もあり、とても凝っている。 3 世界観について エッセイに世界観という書き方もオカシイかもしれないが、カウンターで独り言 (脳内で)をしているような雰囲気。 店について細かく書かれているわけではないのに、明るい店内と白の木のカウンターテーブルが目に浮かび、暖簾も見えるようだ。全体に明るい店内を想像してしまうのは、このエッセイでのリズムによるのものなのかもしれない。 4 良かったところ。印象に残ったところ。好きなセリフなど。 *音から入る演出が良い。 料理とは音、香り、味、そして見た目に触感。五感で楽しむものである。 揚げ物などを店でいただくのはやはり、揚げ物をしている時の音が小気味いいからなのではないかと感じた。 *おかず、つまみのチョイスが良い やはりご飯に合うのは和食……とは限らない。 カツカレーのサクッとした触感とそこにカレーの混ざり合ったあの味は堪らない。 つい食べたくなる逸品である。 *意外な組み合わせの知識も手に入れることができる え?こんなのが合うの? という意外な食材の組み合わせなどを知ることができ、レパートリーが増えること請け合い。 *サクッと読めて食欲をそそる この作品は料理の作り方などではない。食べて楽しむもの。 見ているだけで何となく、食べた時の気持ちを想像できるのが良いところである。 5 お奨めしたい部分 最初は白飯に合うメニューから始まっていく。主に酒に合うメニューとはなっていいるが、白飯にも充分にあうラインアップ。 読んでいるだけでもなんだかお店にいるような気分を味わえるのが良いところだと感じた。 ただ食べているだけではなく、調理法についても記されているし。お酒が好きな人はもちろん、呑めなくても楽しめると思われる。 6 物語のその先を想像して 〆がきてしまったのでその先を想像し辛いが、お酒の種類はまだまだたくさんあるので、紹興酒やウイスキーなども来るかもしれない。 (無茶ぶりか⁈) あなたも是非お手に取られてみてくださいね。お奨めです。

5.0
1
crazy's7

STARDUSTER  ―終わりのオメガと始まりのアルファ―

あなたなら、物語の先をどう想像しますか?

1 読む前の印象や予想など(表紙やあらすじなどから想像したこと) 音楽にはヒーリング効果もある。これをモチーフとするのは非常に興味深い。 ファンタジー世界でありながら、魔法ではなく歌声で癒す。音というのは、人間に密接に関わっているものである。時には癒し時には害となる。この物語の希望は、滅亡の危機に立ち向かう人類の救世主となるのだろうか? 果たして、その希望を守り抜くことができるのだろうか? ここが見どころなのではないかと感じた。 2 物語は(どのように始まっていくのか?) 科学者たちの会話から始まっていく。彼らが作っているのは、アンドロイド。しかしこの惑星 (?)には既に物資が無かった。希望を作ることは出来ても、その個体を守るための個体には同じだけの資材を充てることが出来なかったのだ。先行きに不安を感じるが、物語はこうして幕開けしていく。人の手によって作り出された希望である”アルファ”は、産まれたのち色んなことを学び、やがてこの惑星について学んでいく。それは繁栄と衰退であった。彼女が背負う運命、役割と産まれた意味。彼女が自分の役割を知った時、物語はどんな展開を見せるのであろうか? 3 世界観について あらすじにある通り、終焉を迎えようとしている惑星が舞台となる。物資が乏しく、人口も数千人しかいなくなってしまった。 その中で科学者がこの惑星を救おうとアンドロイドを作っていた。歌声で癒すというのは、どのような経緯で産まれた発想なのだろうか? もともとこの世界は歌声に癒しの効果があるのだろうか? これについては2:オカアサンまでの部分ではまだ分かってはいない。 しかし、神秘的である。 4 良かったところ。印象に残ったところ。好きなセリフなど。 *モチーフが良い この物語は”歌声”というものが重要なことはあらすじからも想像がつく。 癒しの声というのは、想像がつきやすく共感も得やすいと感じた。 *人間らしいアルファと機械的ではあるが人間のような心を持ったオメガ どちらもアンドロイドでありながら、容姿は全く違うようだ。より人間らしく作られたアルファとそれを守ることを目的とし、頑丈な体に作られたオメガ。オメガには表情などはなく、言葉のみで感情を伝えるしかない。しかし、人間と同じように喜怒哀楽を持つことが伝わって来る。 *二人には互いが必要 どちらか一方が影響を及ぼしているわけではない。オメガによってアルファは成長し、アルファがいるからこそオメガの心は育っていく。 *エンドレスなストーリーでもある 歴史は繰り返すという言葉があるが。この物語の先は色んな解釈が出来ると思う。 *意外なクライマックス ハッピーエンドの形は色々ある。何もストレートな終わりがハッピーエンドではないと、改めて気づかされる。 5 お奨めしたい部分 この物語で気づかされるのは、未来のことも考えて生きなければならないという事。人は常に環境破壊を繰り返す。 そしていつまで経っても戦争という名の殺し合いを辞めることはない。いづれはこの物語のように、地球も終焉を迎えるに違いない。 そうなってからでは遅いのだ。すでに手遅れかもしれないが。 物語は教訓であり、問題提起もある。手遅れにならないうちに、向き合うことが大切なのだと思う。この物語を読んでいろんなことを考えさせられた。あなたなら、何を思うのだろうか? 6 物語のその先を想像して ラストまで拝読。 今度こそか輝かしい未来があると思いたいが、歴史は繰り返すのではないだろうか? 人類はまだ、そこまでの域に達してはいない。人類がもっと環境について考えるようになり、自制が出来るようにならない限り、物語はエンドレスなのではないかと想像した。 あなたも是非お手に取られてみてくださいね。お奨めです。

5.0
1
crazy's7

【短編集】片手間の箱庭

共通点に気づいても、オチは意外かも知れない!

1 読む前の印象や予想など(表紙やあらすじなどから想像したこと) 共通点のある物語というのがこの作品の物語の共通点。うん、何を言っている。 『ローリー嬢とメイの待ちぼうけ』 この物語は”かつて”とあることから、一旦解決したその後ということになる。 以前は邪魔をしたが、今は何もしていない。それなのに彼女は恋人と上手くいかなくなってしまったのだろうか? 会ってくれなくなっても待っている理由とは、一体何であろうか? 『いつも通りの騎士団長』 いつも通りの団長がいつも通りでなくなってしまった為、それを見ていた副団長がその理由について問う話なのではないだろうか? 果たしてやる気のなくなってしまった理由はなんだろうか?  『最高でサイコな治癒師さん』 これはチート級の回復師の謎が描かれているのか、それとも普通では考えられない気質などについて描かれているのか。 全く予測不能の物語である。 果たしてこれらの物語の共通点とは? 2 物語は(どのように始まっていくのか?) 『ローリー嬢とメイの待ちぼうけ』 季節は冬だろうか。貴族の娘として後世の支配者となるべく教育された主人公が、手に入れられなかったものについて語るところから物語は展開されていく。自分の手で何でも手に入れてきた彼女が欲しかったもの、そして得られなかったものは意外なものであった。 だかそれは意外と手にするのが難しいものでもある。これを手に入れた人が、世界にどれほどいるのだろうか? 『いつも通りの騎士団長』 予想とは真逆で、やる気を失ってしまった保守的な状態がいつも通りということのようである。 視点は副団長。以前の団長のことを知っているため、複雑な心境のようだ。 『最高でサイコな治癒師さん』 飾らない王様との会話から始まっていく物語。ここまでストレートだと、腹は立つかもしれないが話が早い。 その上笑ってしまう始まりとなっている。主人公は、そんな王命によりいきなり勇者となってしまう。 主人公からしたら、ありがた迷惑な話である。 3 世界観について 『ローリー嬢とメイの待ちぼうけ』 悪役令嬢が恋敵となり、邪魔をするも彼女と恋のお相手は揺るぎない愛を貫く。 主人公である悪役令嬢は、その後恋は諦め彼らを見守る立場へ変化するのだが。 『いつも通りの騎士団長』 これは、魔物なども出現する世界。そこで、王国を守るのが彼らの仕事のようである。 『最高でサイコな治癒師さん』 魔王のいる世界で、可愛らしいがサイコな治癒師さんと主人公が魔王の討伐へ行く話。 魔物などがいる、ファンタジー世界。ファンタジーの世界には色んな魔法があるよね。 そんな物語である。 4 良かったところ。印象に残ったところ。好きなセリフなど。 『ローリー嬢とメイの待ちぼうけ』 *何故会ってくれなくなったのか? 匂わせで終わってはいるが、納得できる理由であること。 *主人公のセリフから、彼女が世界の事情を知っているように感じるところ。 もしそうなら、この構造 (二重構造かなあ)は面白い。 『いつも通りの騎士団長』 *これは”あるある”である。 人は、段々効率的になっていくものだ。とても共感できる物語だと感じた。 『最高でサイコな治癒師さん』 これは強化の話しかと思ったら、魔法そのもの物語だった。 そして魔王を倒した後が本題だったという。 とても面白い物語であると感じた。 5 お奨めしたい部分 どの物語もオチが良くできている。一作目を読めばその系統の繋がりなのだろうか? とは思うものの意外な展開が待っており、なるほどと思ってしまう。『最高でサイコな治癒師さん』に至っては、王様にも治癒師さんにも押され気味な主人公が面白い。 それぞれの物語が楽しめ、バラエティーに富んでいる部分がお奨めである。 6 物語のその先を想像して これはネタバレになってしまいそうなので、簡潔に述べるが 『ローリー嬢とメイの待ちぼうけ』 これは解決するのではないかと想像する。 『いつも通りの騎士団長』 これに関しては項目がそのうち増えるのではないだろうか? しかし、大切なルーティンだと思った。 『最高でサイコな治癒師さん』 幸せとは、地獄の入口なのかもしれない。 あなたも是非お手に取られてみてくださいね。お奨めです。

5.0
0
crazy's7

いつかまた、バス停で

極上のトリックがそこにある。

 医者になる、という夢を叶えるため、毎日のように予備校に通う高校二年生の主人公。高山樹(たかやまいつき)。  停留所でバスを待っている彼に、なにかと構ってくる中学生くらいの女の子、遠野千鶴(とおのちづる)  心臓に病を抱えているため、激しい運動ができない樹の幼馴染、志保(しほ)。  三人を中心にした物語は、しとしとと降りしきる雨の中、樹が子猫を拾うシーンから幕を開けます。  何故、樹は医者を目指そうと考えたのか?  志保と樹の間に存在している、過去のしがらみとはなんなのか?  そして、何処からともなく現われてはちょっかいを出してくる不思議な少女、千鶴ことちーちゃんの正体は?  次第に真相が明かされていく中、この物語最大のトリックが読者を襲います。  ネタバレになるため詳細は語れませんが、複数の要素を絡めた精巧なトリックに、きっと驚かされると思います。正直私は、完全にしてやられました笑。  あまりの衝撃で、ページをめくるのを、一瞬忘れてしまったほどでした。  青春物語が好きな方。  日常の中に潜んだちょっとしたミステリーが好きな方など、もし、気になりましたら、この極上のトリックに触れてみて欲しいです。  読んで後悔はしない一作です。

5.0
0
木立花音(こだちかのん)

またここで君と逢いたい

謎が謎を呼ぶ展開。またきっと、彼女たちに逢いたくなる。

 ある事故で意識不明だった少女、美桜(みお)は、約一年ぶりに目を覚ました。 リハビリと経過観察のために入院生活を送ることになった美桜は、同じく入院している車椅子に乗る少女、真璃(まり)に出会う……。  物語は、主人公の一人である美桜(みお)が約一年振りに病室で目を覚ましたところから始まります。  一年も意識が戻らなかった原因は、自宅の階段から落ちたことだよ、と説明された美桜は、本当だろうか? と釈然としない思いを抱えます。  けれど、違和感は、他にも様々病院内に存在していたのです。  仕事で海外に出ているから、という理由で見舞いに来ない母親。  時折不自然な対応を見せる、顔馴染みの看護師。  初対面のはずなのに、やたら近い距離で接してくる少女、真璃(まり)。  さらには、病院内を彷徨い歩く不思議な少女。  これらの謎は、適切なタイミングで物語の中に配置されていきます。ごく自然にページを捲らせる引きの上手さと構成の巧みさは、特筆ものです。  さて、最初は真璃の対応を訝しんでいた美桜でしたが、次第に彼女が描く絵画と彼女の存在そのものに惹き付けられていって……?  本作、いわゆる百合、というジャンルに属する恋愛作品なのですが、ミステリーものが好きな方も、楽しめるのではないでしょうか。  もっとも、百合、とは言っても身構える必要はありません。女の子二人による甘酸っぱくもじれったい純愛ものなのですから。いちゃいちゃする二人の様子にほんわかさせられます。  章ごとに視点を変えつつ進行していく一人称は、しっかりとした描写をしつつも決してくどくなく、柔らかい地の文で綴られる文章に、ごく自然に情景が頭に浮かびます。  会話文と地の文の比率が、ライト文芸というジャンルにおける理想値に近いのでしょうかね? 兎に角読みやすいのです。登場人物の動きの中に織り込まれる心情に、見事なまでの伏線。書き手としても参考になる部分が多いです。  しかも驚いたことにこの作者さん。これが処女作なんだそうです。  これは最早、才能ですよ。ほんと、勘弁してほしいですね (苦笑)  珠玉の百合作品。この機会に触れてみませんか?  謎が謎を呼ぶ展開に、またきっと、彼女たちに逢いに行きたくなることでしょう。

5.0
0
木立花音(こだちかのん)

喋る黒猫とうそつきの麦わら

彼女が麦わら帽子を脱ぐとき、二人の本当の旅が始まる。

 物語は、主人公である謙人(けんと)が、あてのない旅をしている場面から始まります。  彼が線路を歩いているとき出会ったのは、麦わら帽子を被った少女、有子(ゆうこ)と、どういうわけか人間の言葉を話す黒猫、ミーシャでした。  有子は謙人に対して、「私の村に来ませんか?」と告げるのですが……?  ◆  本作の魅力は、「ほのぼのとした人間関係」、「どこかノスタルジックな雰囲気漂う世界観」など様々あるのですが、ゆったりしたヒューマンドラマだと思っていると、たびたび入り込んでくる「異物 (謎)」に、はっとさせられます。 ・なぜ、ミーシャは人間の言葉を話すのか。 ・なぜ、有子は「ありす」という呼ばれ方にこだわるのか。 ・春渡しという祭りが行われる意味とは? ・村人がたびたび話す、「これがきっと最後の夏だから」という言葉の真意は? ・そして、なぜ二人は出会ったのか。  等々。これらの謎は、わかりそうでわからない、という絶妙な匙加減をもって、物語の中に配置されていくのです。こういったミステリー要素こそが、むしろ一番の魅力でしょうか。  これにより、ちょっと不穏な空気も漂うのですが、かといって重くなることは決してなく、 「有子って言わないで。ありす。ありすって呼んでよぅ」 「はいはい、ありすね」  というミーシャと有子ありすの軽快な掛け合いや、『巨乳好き』『ロリコン疑惑』など、村の人たちと交わされるお約束のやり取りが、上手く緩和してくれるのです。  ほのぼのとしたコメディと、見えそうで見えない謎。二つの要素に牽引されてページをめくり、たどり着いた『春渡し』の当日。  ここから始まる伏線の回収は、もはや圧巻の一言。全ての謎が一本の線となり収束していく様に、感嘆するほかありませんでした。  有子がついていた嘘のあまりの優しさと切ないラストに、きっと涙することでしょう。  ボーイミーツガール特有の甘酸っぱさと、ミステリーのような謎解きとが一緒に楽しめる本作。ぜひ、お手に取ってみてください。青春恋愛モノが好きな方と、ミステリーが好きな方に特にオススメします。  有子が麦わら帽子を脱いだそのとき、二人の本当の意味での旅が始まるのです。  謙人と有子の未来に、幸多からんことを──。

5.0
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木立花音(こだちかのん)

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