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ジャンル:ファンタジー

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賢者の弟子を名乗る賢者

【連載中】わしかわいい!TS百合もあるどたばた異世界冒険譚

ゲーム世界でプレイキャラになってしまう話ですが、他にもたくさんの人が同じ状況になってしまっており、ゲームでの仲間たちと再会しながら旅をしたり食べたり遊んで修行して……などと言う説明がいらないくらいには有名な作品なのではないでしょうか。 特徴としてはすぐに仲間に出会えてかつ仲間が国の中枢にいるのでそこの雇われ人になって仲間探しをする形で旅をすることですね。ゲームに入り込む系の中では最初から所属しているのは珍しいと思います。 仲間たちも強く、主人公だけがめちゃくちゃに強いと言うほどではありませんが、戦闘において危なげなくどうなってしまうのかと心配することはあまりありません。 ジジイキャラから少女にかえたばかりで転移してしまったので能力は同じですが他人のふりをしていることから、賢者の弟子と言う立ち位置なのも面白いです。 主人公が可愛いです。容姿はもちろん可愛く、コミカライズも最高ですが、それ以前に主人公の性格が可愛いです。 こだわりもあるけど好奇心旺盛なジジイっぽさもありつつ、少女らしさもある性格で、年をとると幼くなると言うのがあらわされているようで、ジジイとしても少女としても違和感のない性格がとても可愛いです。ゲームしていた本人としては青年なのもあり、精神年齢メチャクチャですが、そこがまた可愛いです。 つい熱くなったりはしゃいでしまうところも、冷静でクールに判断できる年の功的なところも、一貫した性格があって個性ができていてとても魅力的です。 ゲーム時代にサポートNPCだった妖精族のマリアナと言う美少女もいますが、この子がまるで家を守ってくれる可愛い嫁のように健気で、主人公とのTS百合的関係がとてもいいです。 主人公は仲間を探すと言う目的もありあちこち旅にでますが、そこで美味しいものを食べたり色んな人や文化と出会っていくのが見ているだけで旅のワクワクを伝えてくれて読んでいてとても楽しいです。敵や世界の設定も実に凝っていて、深い世界がより旅を楽しませてくれます。 召喚によってたくさんの仲間たちがいるのもそうですし、人間の仲間もたくさんでてきます。次から次に人が出てくるのですが、どの人も個性的だったりストーリーが濃厚で無理せず覚えていくことができます。忘れるくらい懐かしいキャラがさらっと説明付きだったりして誰だったか読み直したりする必要はないのも助かります。 TS百合のたくさんの仲間とわくわく異世界ファンタジーを楽しみたい人には是非お勧めです。 あと好き嫌いがありますが途中から毎回のように作者のあとがきが入るようになります。ほとんどご飯の話になってきて個人的にはこれも好きで、作者のご飯へのわくわく感が伝わってきて自分は何を食べようかなと言う気にさせてくれます。 連載中なので星四にしておきます。

4.0
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かんむり

クレマチスの動輪

子供の頃に見た不思議な光景から始まる、駅を舞台とした物語

【簡単なあらすじ】 ジャンル:現代ファンタジー 主人公は高校三年の就活の最中、小学生の時に目撃した駅での不思議な現象のことを思い出す。大阪駅に就職し、研修中の折に再び不思議な現象そ遭遇する。これが駅の秘密なのだろうか? 上司に質問をするもまだ早いと言われてしまった主人公は、ある日業務の最中に気を失ってしまい……?! 【物語の始まりは】 母が心配する中、小学1年生の主人公は電車に乗り、ここから二十分程度の祖父母の家に向かおうとしていた。 母とのやり取りが長くなってしまった為か、主人公がホームに向かうと電車が出た後であり、次に来るのは15分後。そしてこの15分の間に主人公の人生を変えてしまうような出来事と遭遇するのである。 【舞台や世界観、方向性】 舞台は現代。主人公の見たものが幻でなければ、超能力の存在する世界である。六話にて、少し秘密について明かされる部分もある。 【主人公と登場人物について】 主人公は過去に駅と関係する不思議な体験を何度かしているようである。冒頭の超能力だけでそこまで”鉄道会社には秘密があるにちがいない”と思えるのだろうか? 見間違いではないのか? と思ってしまいそうになるかもしれない。しかし物語が進むにつれ、別の体験や意味深な言葉などがでてくる。それにより”何か秘密があるのでは?” という気持ちがより濃くなっているように感じた。果たして本当に秘密があるのか? それとも気のせいなのか、とても気になる物語である。 そして鉄道会社に就職したものの、指導係が無愛想で早々に気が滅入ってしまいそうな主人公。確かに仕事が続くかどうかは、最初の指導にかかっている気もする。だが主人公は、根性のある人物だと感じた。それは自宅でのあるシーンから感じることだ。 【物語について】 主人公は小学生の時に見たことを忘れてしまっていたが、高校三年就活中の最中この出来事を思い出す。そして駅員として大阪駅に就職し初出勤の日から本編は始まっていく。 物語全体では、この業界に関わったことのない人にはとても興味深いことがたくさん出てくる。客としてしか鉄道を利用しない人にはとても面白い物語だと感じた。あまり考えたことはなかったが、鉄道会社に勤めるということは休日に利用する時、会社に行っているのと変わらない。休日に上司に会うというのは確かに気が休まらないなと感じた。他にも、泊まり込みという業務(?)があり、どんなところで寝泊まりするのか。また風呂はどんなところなのか。普段、見聞きすらしないようなことも知ることができるので、とても興味深い。 【良い点(箇条書き)】 ・普段何気なく使っている駅について知られざる部分を知ることができる。 ・駅員の苦労が分かる部分が多い。 ・駅員がどんな仕事をしているのか分かる。 ・物語を通して、こんなに仕事内容について知識を得られる機会は少ないと思う。この物語では、これだけの知識量を得られるにも関わらず、説明ではなく主人公の体験などを通しているので、大変面白いと感じる。 ・駅の秘密については、序盤では明かされないがチラ見せのように、ちょっとづつその現象(関係しそうな事柄)が出てくるのが興味深い。 ・6話からゆっくりと日常と非日常が混ざり合っていく。 【備考(補足)】10話まで拝読 【見どころ】 それは小学生の時に駅であることを目撃してしまったところから始まる。その事を再び思い出すのは、高校の就活中だったのだがこれはターニングポイントとなったのではないだろうか? 物語の序盤では駅についてや業務などについて、主人公の体験などから詳しく語られていく。鉄道ファンは当然、鉄道ファンでなくても駅を利用したことのある人ならば、とても興味深い内容だと感じた。話しの流れもスムーズであり、主人公が小学生の時に目撃した不思議な現象と何時繋がるんだろう? と先の展開がとても気になる流れである。しかし6話に入るとその予兆が見られ、あれよれあれよという間にその現象(超能力)の正体に辿り着くのである。とても勉強になる作品であり、日常と非日常の混ざり方が巧みであると感じた。鉄道員の秘密を知ってしまった主人公。真実の仕事とは?  あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか? 謎めいた鉄道員の秘密と真実をその目で是非、確かめてみてくださいね。 お奨めです。

5.0
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crazy's7

ルーリアと竜呪と蜂蜜

森から出ることのできない少女がある運命的な出会いを果たす。ゆっくり変わっていく日常。

【簡単なあらすじ】 ジャンル:ファンタジー 主人公は呪いのせいで見た目が成長せず、森から出ることもできなかった。森での暮らししか知らなかった彼女は、ある日運命の出会いを果たす。その少年からは木の実を焼くこと教えて貰ったり、別の女性からはお菓子や料理を教えて貰ったり。少年との出会いから少しづつ日常が変わり始める。 【物語の始まりは】 『魔虫の蜂蜜屋』についてから始まっていく。魔物である蜂の巣から採れる蜂蜜は『魔虫の蜂蜜』と呼ばれ、品質が良ければ万能回復薬と言われ、これを呪われた親子が作っているという噂があるらしい。本編に入ると、恐らくこの噂の親子の娘の方であろう。大きな争いの戦火による煙に怯えていた。父との会話から始まっていく。 【舞台や世界観、方向性(箇条書き)】 魔法が使える世界。 【主人公と登場人物について】 主人公は隠しの森で父と共に特別な回復薬を作っている。そんな彼女はここから出たことがない。自分と同じような秘密を抱えた少年との出会いが、彼女を変えていくのだろう。少女に見えるが、もしかしたら少女ではないのかもしれない。ハーフエルフであること、蜂蜜屋のことも秘密にしなくてはならないようである。 主人公は少年にあることを問われる。そこで主人公の心理により、彼女の置かれている状況も明かされていく。そして本心とは違うことを彼に告げるのだ。自分の意志で自由になれないことがどれだけ辛いことか伝わってくる。 【物語について】 黒煙をみた三日後、来客の予定もないのに父が誰かを連れてくるところから話は展開されていく。どうやら、けが人のようである。彼らは森で薬草を探していたところを父に連れられ、主人公達が住む家に連れてこられたようだ。 そこで、ここに連れて来られた商人たちの中の一人の秘密を知ってしまう。それは本当の姿を隠している主人公にとって他人事とは言えない秘密であった。二人は秘密を共有する関係となっていく。 森から出たことのない主人公にとって、彼の教えてくれることは初めてのことが多かった。例えば木の実の食べ方など。それは他の人にとっては何でもないことかも知れない。しかし彼女にとっては初めてのことであり、ワクワクするようなことだったのだ。 彼に今まで知らないいろんなことを教わる主人公であったが、その時間は永遠ではない。彼らがここを立つ日、”……ここから出たいか?”と少年に聞かれる。果たして彼女の答えとは? 【良い点(箇条書き)】 ・主人公はある少年と出逢うことで、変わっていく。その様子が丁寧に描かれている。 ・主人公はずっと森にいる少女。外のことを全く知らないということが、色んなエピソードから伝わって来る。 ・幸せとは、知らないから不幸になることもない。外のことを知ることができず、自由を得ることのできない少女の辛さが伝わって来る。 ・少年側の日常も語られている為、二人が別れた後どんな風に別々の道を歩んでいるのかもわかる。 ・少しづつ主人公の過去や、家族について明かされていく。 【備考(補足)】15話目まで拝読 【見どころ】 序盤は主人公の日常がメインのようである。主人公はある理由により森から出ることができない。いつまでも子供の見た目であり、長く起きていることもできない様だ。そのせいか、料理も知らない。彼女はある時、父が連れ帰って来たけがをしている行商人たちと一緒にいた少年の秘密を知ってしまう。それをきっかけにして、二人の心の距離は近くなる。 彼にここから出たいか? と聞かれても、彼女には事情がありここから出ることはできない。自由を手にすることはできないのである。 外のことを知らない彼女に、少年や小屋に来る姉のように慕う女性が外のことを教えてくれる。例えば食べ物などを。だがそれがどんなに美味しくて、また欲しいと思ったところで主人公は手にすることができないのである。この物語はほのぼのしてはいるが、自由であることがどれだけ幸せなのかを改めて気づかせてくれる。 あらすじには”いずれ魔王の元へ導かれる宿命”とある。外へ出られない彼女が、この先どのようにしてその運命を辿るのだろうか。  あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか? 読了部分ではまだほのぼのした日常。この先どんなことが待ち受けているのだろうか?  その目で是非、確かめてみてくださいね。おススメです。

5.0
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crazy's7

白夜灯

冬に見る、短い夏の記憶――。

 溜めこんだ太陽の熱を光と熱に戻し、〈私〉たち吹雪の島(スネーストルム)の民が厳しい冬を乗り越えるための必需品となっている不思議な珠を、土地の人間は「白夜灯」と呼んでいた。その魔道具「白夜灯」を点けると、ときおり夏の記憶が蘇ることがあるのだが、理由は王都の魔導士にも分からないらしい。〈私〉はその描き出された夏の記憶の中で、大好きなアルヴァという鷲獅子(グリフォン)と再会する。長く厳しい冬が続く島の、短い夏の日の記憶、婚約者に逃げられた女性と鷲獅子(グリフォン)との想い出と邂逅を描いた本作は、そんな導入からはじまります。  必要以上のネタバレは避けつつも、勘の良い方のためにネタバレフィルタを付けましたが、感想を読むより作品を読んでください。  言葉選びのひとつひとつに読む側に訴えかけてくる情感があって、美しさの中に静謐な哀しみを湛えたようなファンタジーで、細やかに描かれた語り手の心情を表す描写もとても印象的でした。  例えば語り手のユーリアが自分の陰口に花を咲かせている若い娘ふたりの立ち話を耳にした時に、相手を睨みつけるシーンがあるのですが、そのやりとりひとつとっても、淡々としているのに、やり取りの中に嫌なものが感じ取れるようになっていて、そういった細かい部分の積み重ねが、未知なる景色に他人事ではない実感を与えてくれるのかもしれません。 〈不意に湧いてきた問いかけに、私は答えることができない。夏に働くのは、冬に備えるため。冬を生き延びるのは、次の夏を迎えるため。  終わらない繰り返しには、何の意味があるんだろう?〉  という文章が途中に差し込まれるように、本作は幻想性のある奥行きもさることながら、自身のアイデンティティに悩む若者の、青春、成長の物語としても、とても楽しめる作品になっています。必要以上に後半の展開については触れませんが、幻想性の中に混じる人間の営みが持つ普遍的な〈残酷さ〉、というひとつの体験を通して、自分なりの答え、これからどうするかを強く決意する場面には、成長物語として心打たれてしまいました。

5.0
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サトウ・レン

風歌姫─ハルピュイア─

ハルピュイアはまだ恋を歌えない

〈その風に乗って、時おり歌のようなものが聞こえることがある。谷に住むどの鳥にも似ていない、美しい羽根が町に落ちていることもあった。人々はいつしかこう信じるようになる──「この谷は天使様に守られている」と。〉  かつて「風歌の谷」という名の渓谷があり、そこに住む仕立て屋の若者が山をのぼっていた。聡明で美しいお嬢様に恋をしたからだ。薔薇の姫君と呼ばれる彼女のため、高所にしか咲かない峰雪草の花を摘みに。崖の淵で身体の支えを失って転落した若者は、死を覚悟したが、それを救ってくれたのは、風歌姫(ハルピュイア)だった。  情景豊かに紡がれていく物語が辿っていく道行は、幻想的な美しさを持ちながらも、険しく残酷さをはらんでいます。わけ隔てない善良さと素朴な性格を持ち合わせた若者、難題を突き付けながらも冷えた心がとかされていくお嬢様、そして恋の歌を知らない風歌姫(ハルピュイア)。どこかで彼らの幸せを願いながらも、そうはならないのだろう、という諦めにも似た気持ちを抱きながらも、先を知りたい、という気持ちを抑えきれずに読み進めていき、読後、ちいさく息を吐く。余韻は苦い。だけど、心にしみるのは、私たちがすでに知っているからでしょう。  この苦味は大切な誰かとやり取りを重ねて、そして失って、はじめて知るものなのかもしれません。  知ってしまったのでしょう。ハルピュイアは。  だけど知らなかったら、その苦味さえ知らないままだったら。  そんなふうに思ってしまうわけです。

5.0
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サトウ・レン

EGGMAN

終わりに見る光景は

〈おれはとてもしあわせだった。〉  終わりに見る光景がどんなものがいいかって、たぶん、終わりも知らない人間が気軽に語っていいのだろうか、とは思うのですが、でももしも終わりを前に、しあわせ、を感じるとしたら、彼が終わりに見たような色彩なのではないか、と感じました。  日本で発症を確認されたのがおそらく二例目とされる奇病中の奇病、俗に〈エッグマン病〉を発症した〈俺〉は、体が縮みハンプティ・ダンプティのようになっていく病魔に蝕まれながら、入院先で孤独に過ごした。そして退院の日、身寄りのない状況に困っている〈俺〉を迎えにきてくれたのが、幼馴染のモモこと桃園陽一だった。モモは縮んでしまったりはせず、そしてふたりは旅に出ることになった。……というのが、導入です。ですが、奇病の妙なリアリティ、旅の中で見る景色、感情を交わしていくふたりの姿の魅力は、縷々とあらすじを綴ってみたところで伝わるものではないでしょう。ぜひとも私のレビューなんかよりも、本文を読んで欲しいところです。 〈モモがペダルを漕ぎ出すと、世界の感覚が一気に変わった。最初はかなり揺れて気分が悪かったが、しばらくするとおれは残された手足を使って、クッションを敷いたキャリーの中で居心地のいい姿勢をとれるようになった。〉  何故、会社をひと月休んでまでモモが、〈俺〉と一緒にいることを選んだのか、そこに関する一応モモの口から語られる部分はありますが、必要以上に、詳らかに明かされることはありません。でも分かりやすい言葉を当てはめるよりもそのほうがずっと、心を寄り添わせやすい。  進行の続く病のいまを写し取るような変わっていく文体に、彼らのいまを感じ取りながら、幕を閉じて、切なくも静かな余韻に包まれる感覚がありました。

5.0
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サトウ・レン

【堂々完結!】幽閉王女は魔女になる ~先祖返りの忌み子として幽閉されていましたが、ある物を代償に手に入れた魔法で自由に生きて行こうと思います~

16歳の誕生日に自分についての真実を知り、幽閉されていた王女は自由を得て魔女となる?!

【簡単なあらすじ】 ジャンル:ハイファンタジー 忌み子として産まれてすぐに幽閉されていた王女。16歳の誕生日に突然現れた2000年前の先祖「シリア」から、実は自分が忌み子でないという事実を聞かされる。そして、彼女と共に塔から抜け出し、世界へ旅立つのであった。果たして彼女に待ち受けるものとは? 【物語の始まりは】 主人公である王女が、魔法使いになる夢を見たことから始まっていく。魔法を使えるはずのない彼女は夢の中では魔法を使い、人を治療したりと楽しそうに過ごしていた。どうやらこれは、秘密がありそうである。 【舞台や世界観、方向性】 主人公は忌み子として幽閉されていたが、実は祖先返りで? 彼女が塔を脱出してからが本当のスタートなのかもしれない。 【主人公と登場人物について】 不本意ながらも、家事ができる王女というのは珍しいと思われる。 今まで孤独だった主人公は、来訪者によってその気持ちや生活に変化が訪れる。 来訪者である”シリア”という女性は、今まで塔の中に閉じ込められ外の世界のことを知らない主人公に”自由”を与える存在となる。しかしそれは派手なものではなく、堅実な脱出法で。そして外の世界のことも教えてくれ、ある提案もしてくれるのだった。 【物語について】 本編に入ると忌み子として幽閉されている王女の視点となる。15年間塔に閉じ込められ独りぼっち。使い魔を召喚した過去もあるけれど、彼らに断られる始末。以前は家事をしてくれる人もいたようだが、今ではその家事も自分ですることに。世間一般とは違う王女の孤独な日々。彼女が幸せと感じられるのは夢の中だけなのかもしれない。しかし、ある日誰かに呼ばれる声で目覚めた彼女。ここには自分しかいないはずなのに。声の主は一体……? 突然の来訪者により、主人公は孤独から解放されることとなる。その上、自分が忌み子ではないことも知るのだ。来訪者の正体は2000年前の先祖「シリア」という女性。主人公は、彼女に『外の世界で自由に生きたいとは思わんか?』と問われるのだった。 【良い点(箇条書き)】 ・主人公の設定にオリジナリティがある。 ・王女ではあるが庶民的な為、親近感がわく。 ・今まで閉じ込められ、狭い世界に居た彼女は魔法という特別なものを使うことができる。脱出後、一体どんな人生を歩んでいくのか楽しみである。 ・ファンタジーではあるが、考え方が凄く現実的であり、これから起こるかも知れないことを想定し、ハラハラドキドキしてしまう。 ・初めて人(正しくは人ではないが)の優しさや温かさに触れる主人公の楽しそうな姿に感動。 ・主人公は今まで一人だったからこそ、人との出会いを嬉しく思えるのだと感じるのだろう。気持ちが伝わって来るので、読んでいる方もなんだか楽しい気持ちになれる。 【備考(補足)】10話まで拝読 【見どころ】 この物語はある王女の見た夢から始まっていき、忌み子と誤認され幽閉されていた王女へと視点が変わっていく。この物語での忌み子がどんな災いをもたらすのかはわからないが、自分で家事を行えるような年になると、物資などだけが届き自活するような生活を送っていたようだ。産まれて間もなく幽閉されたのであろう、両親が誰かもわからない。孤独な王女のもとへある日、来訪者が訪れ自分が忌み子でないことを知るのだ。その者の手引きで、塔から抜け出した彼女。自由を勝ち取った彼女が飛ばされたのは森の中。そこでたまたま出逢った人々を助けたことで、彼女に運が向いてくる。 この物語では、人と接することができることの素晴らしさなどを改めて感じることができる。たとえそれが親兄弟ではなく他人であっても、人との繋がりは孤独からの解放でもあるのだ。他人は自分を映す鏡ともいう。主人公の損得なしの優しさ思い遣りが、彼女自身に幸運をもたらしたのではないだろうか? 自由を得た彼女のほのぼのとした生活を覗いてみませんか? これからどんなことに遭遇していくのか、その目で是非確かめてみてくださいね。おススメです。

5.0
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crazy's7

風が伝えた愛の歌

ある少女に出逢い、心境に変化の訪れた主人公。彼の探し求めた答えとは?

【簡単なあらすじ】 ジャンル:異世界ファンタジー 故郷を失った青年があるものを探すため、一人で旅を続けていた。しかしある日、野営をしようとしていたところ自分を”かえして”くれる人を探している少女と出逢う。この出逢いが青年の心に変化をもたらしていく。果たして主人公は世界を救えるのだろうか? 【物語の始まりは】 全てを失った青年が、死ではなく生きろと言われて見知らぬ場所に飛ばされた(?)ところから始まるようだ。 本編に入るとモノローグにて彼のいる場所がどんなところで、現在の状況や境遇などについて語られていく。その先で、彼はある少女と出逢うのだった。 【舞台や世界観、方向性】 ”長剣と、剣鉈と呼ばれる大きめの重いナイフ”を主人公が所持していることから、ファンタジーだと思われる。 回想により、彼の境遇が詳しく語られていく。 【主人公と登場人物について】 主人公は故郷を失い追われる身となった青年。彼が何故、故郷を追われることとなったのかいついては物語の中で明かされていく。(あらすじにもあり) 少女は自分を”かえして”くれる人を探している。二人の出会いは主人公にどのような影響を与えるのだろうか? 一章では辛い目にあった主人公だが、何も悪いことだけではなく、世の中には手を貸してくれる親切な人もいるようだ。しかし生きるか死ぬかのハラハラドキドキするような展開も待ち受けているようである。 【物語について】 ”生きろ”と言われ、何処かへ飛ばされた青年。もう彼に戻る場所はなかったが、何処へ向かえばいいのかもわからない状況であると思われる。 街道に向かおうとしたが、日が暮れてきたため野営をしようとしていた彼。野営の場所を決め、薪を集めに行って戻ると先ほどとは少し様子が違っていた。耳に入って来た歌声、それは洞穴の中から聴こえるようであった。ここで主人公はある少女と出逢う。 少女は自分のことを”ちゃんと”主人公である青年に話しているのだが、ここで少しすれ違いが起きる。これは伏線なのかも知れない。主人公の人の良さの分かる場面でもある。 主人公の境遇が明かされると、何故彼が旅をしているのかもわかって来る。彼にも探しているものがあったのだ。だが明確な”なにか”を探している少女とは違い、彼は答えすら分からない。だからこそ旅を続け、それを探しているのだろう。一章は序章に過ぎず、ここで見つけることができるのは少女だけ。果たして主人公は、探しているものを見つけることはできるのだろうか? 【良い点(箇条書き)】 ・二人が出逢った理由に何か意味があるのではないか? ・曖昧な目的で旅をしていた主人公は、少女に出逢うことで確かな目的を持ち始める。 ・彼にあるのは”意味”を突き止めることなのではないか? ・伏線の回収の仕方。 ・情景描写がとても丁寧。 ・主人公の性格が分かりやすくブレない。 ・表現や言葉を巧く使っているように感じた。 ・一気に謎が分かるわけではないので、その先を知りたい気持ちにさせる。 【備考(補足)】12話まで拝読 【見どころ】 故郷を失い、あるものを見つけるために何年も一人で旅を続けていた主人公はある日、自分を”かえして”くれる人を探している少女と出逢う。彼女の両親はどうやら近くにはおらず、ほうって置けなかった主人公は近くの人里まで送ろうとした。だがその日は時間も遅く、一緒に野営することにしたのである。この出逢いが主人公にもたらしたものは、仮に一時的ではあっても孤独からの解放だけではなかったに違いない。彼女と一緒に居ることで吐き出せなかった想いや、自分自身の気づけなかった部分にも気づいていく。主人公の感情の変化は見どころの一つだと言える。 一章では少女の探していたものが見つかり、彼女は主人公と共に行くことを選ぶ。ここからが本当の旅の始まりなのかもしれない。この先二人にどんな試練が待ち受けているのだろうか? 二人の行く先をその目で是非、確かめてみてくださいね。おススメです。

5.0
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crazy's7

天翼の抵抗者(レジスタンス)

悪魔と契約を交わした人類の、天使との壮絶な戦いがここに始まる!

【簡単なあらすじ】 ジャンル:ローファンタジー 栄華、高度文明を築いた人類は、神に対する信仰心を失った。勝手ばかりする人類に失望した神は人類を滅ぼすために天使を遣わす。攻撃により虐げられ数を減らした人類だったが、そんな天使たちに立ち向かう者たちが立ち上がった。悪魔と契約を交わして。天使対人類の壮絶な戦いがここに! 【物語の始まりは】 この世界の状況説明から始まっていく。あまり見たことのないタイプの物語であり、攻めてくるのは天使、味方につけるのは悪魔である。序章一話に入ると、ある姉弟の話となる。姉は抵天軍の曹長。彼女の視点から戦場の様子などについて語られていく。果たして彼女は無事に帰還できるのだろうか? 【舞台や世界観、方向性】 天使対悪魔という物語はよく見かけるが、悪魔を味方につけしかも信頼関係が築かれている形で、天使と戦うという物語は異色なのではないだろうか? 神が人間を作ったとしても、失望したからと言って人間を全滅させようという横暴な神もまた異色かもしれない。つまり、オリジナリティに溢れた設定の物語だと言える。 22世紀を目前としたある日、神からの使いである天使が信仰を忘れた人類に神の言葉をつげる。それは破滅への一歩だったに違いない。天使の攻撃により数を減らした人類。彼らは細々と生きるしかなかったが、天使の攻撃を受けてから50年後、天使の支配を良しとしなかった者たちが立ち上がる。この時代が舞台である。 【主人公と登場人物について】 この物語は群像劇であり、序章一話目では女性の視点であることから主人公視点に入る前にこの物語の背景(世界観)などが明かされていくのだと思われる。 本編に入ると主人公視点となり、彼もまた姉と同じ道を目指すがその理由は違っていた。主人公の物語では兵学校から始まる為、人がどうやって悪魔と契約するのかも明かされていく。 【物語について】 臨場感のある物語だと感じた。天使の攻撃を受けてから50年後。ある姉弟の姉の戦う姿から始まっていく。生きるか死ぬか。仲間たちと連携を取り、戦っていく姿に緊迫感がある。常に味方が生き残るという物語ではなく、戦いの激しさが伺える。戦勝は綺麗ごとではないということを改めて感じる物語でもある。 プロローグでのメインとなるのはアマミヤ姉弟の姉。彼女の視点からは天使との戦争がどのようなものであるのか明かされていく。この物語は、正にサバイバル。一瞬でも気を抜けば待っているのは死のみ。悪魔と契約していても、無敵ではない。連携を取り、必死で人類を守っているのが彼らなのだ。しかしどんなに力を尽くしても失われる命がある。天使たちには情もなければためらいもないからだ。その中で、なんとか生き残った弟が本編の主人公。ある理由から悪魔と契約して力を手に入れようとするが、彼の契約した悪魔は”特別”なものであった。彼は人類を救う光となるのだろうか────?! 【良い点 (箇条書き)】 ・プロローグにあたる部分は、天使との戦いがどのようなものか分かる部分ではあるが、息もつかせないほどの戦いに次ぐ戦い。それは臨場感と生きることへの必死さを感じるものである。 ・主人公は目的があり兵士を目指している。その強い意志を感じる。 ・悪魔との契約が上手くいかなかった主人公が、力を求める経緯、心境の変化の部分の流れが良い。 ・全体的に臨場感のある物語だと感じた。 ・戦闘シーンが凄い。 ・感情の表現の仕方が素晴らしい。人々の感情が生々しく伝わって来る。 ・涙なくしては読めない作品だと思う。 【備考 (補足)】8ページまで拝読 【見どころ】 少し名前のある人物が多めなので混乱する部分もあるかも知れないが、戦闘に臨場感のある物語。全体的に戦闘シーが多めで、戦争とは気が休まる暇などないのだという気持ちになる。設定が細かく、世界観は分かりやすい。そのうえ、善として悪魔と契約して天使と戦うというのは珍しいスタイルだと思われる。そして天使が得体の知れない恐怖があり、目的も分からず謎な部分も。その為、これからその部分が明かされていくのでは? という期待感もある。 そして行方不明となった人物ついても謎が多い。この物語は、それらがこれから明かされ、深みが出るのではないかと想像する。 何故彼女は、行方不明になったのか。起動しない宿天武装には何か秘密があるのでは? 主人公は人類を救えるのだろうか?  まだまだ謎の部分の多い物語。これからどうなっていくのだろうか。 あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか?おススメです。

5.0
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crazy's7

最近の「いいね!」

小説家になろう恋愛書籍化コミカライズ連載:67話

ガリ勉地味萌え令嬢は、俺様王子などお呼びでない

人は見た目じゃない

第一部は俺様王子編。 傲慢俺様なイケメン王子が『良い』と思えるのは、ヒロインが王子のことを好きになることが前提かつ、ヒロインとのふれあいで傲慢で俺様なだけではない王子の奥底にある良さ等が見えてくるからであって。 ヒロインに好きな人がいて王子のことはこれっぽっちも好きではない場合、権力と自身の魔法の力に物を言わせて人の話を聞こうともせず迫ってくるような俺様っプリは、『キュン』とするどころか『ただただ壮絶に面倒くさい』としか思えないんだな……と乙女ゲーマーとして目から鱗が落ちる思いがした。この手のタイプは乙女ゲではわりとメイン攻略対象として存在するので……前提と視点が違うとここまで意味合いが変わってくるのか……と。 王子の言動と彼自身が迷惑でしかないヒロインと、王子に憧れているヒロインの友人との会話での分かりやすい見え方の違いにめちゃめちゃ納得した。 第二部は俺様王子の弟の腹黒王子編。 第一部は学園内でことが収まっていたけれど、第二部はガッツリ王家が絡んできてヤバさが一段とアップ。 人の話を聞かない第一王子の次は、やはり人の話を聞かない第二王子に王妃と、この国の行く末が非常に不安になる。 が、番外編で第三王子が登場し、なんとかなるのではないかと一息つける。 物語全体を通して会話のテンポがよいので読み進めやすく、最初から最後まで一気に楽しく読めた。 いつも全力で好きを押し出すシャリーナと、困惑しながらも段々惹かれていくリオルの二人が可愛い、物凄く可愛い。 見た目は地味なガリ勉少年で、しかも魔法が使えないという欠点があるけれど、シャリーナの為に己が頭脳と持てる力を全力で使って戦うリオルは本当にカッコイイ。

小説家になろう恋愛連載:30話完結

薬師の魔女ですが、なぜか副業で離婚代行しています

恋愛ジャンルになっているが、他者の恋愛に絡んだことを仕事としている物語でヒーローとヒロインの間に恋愛は始まっていない(今後もしかしたら始まるかもしれない? というような匂わせ雰囲気で終わっている)ので、ジャンルタグつけが間違ってる訳ではないが求めていたものとは違う……という複雑な読了感だった。 物語自体はさくさくとテンポよく読めて悪くなかったので、恋愛ではなくファンタジータグであれば気持ちすっきり終えられたのになあ……と思った。

小説家になろうヒューマンドラマ連載:88話完結

目的は生き延びること

展開は重めだが、『物語』として面白くて一気に読み終えた。 最終的にヒロインに想いを寄せる相手が、半分血のつながりのある義弟と、そうとは意図しないままヒロインを追い込んで、心と体に傷を負わせる原因を作った婚約者の王子の2人なのが、ああーーー……という気持ちに。 恋愛ものではないので、二人とヒロインがどうなるかは描写されないまま終わるが、個人的には義弟派。