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#折合

非の打ちどころのない都合の良いパートナー

 日夜バリバリ働くお疲れ気味の女性カナエと、その家に暮らす曰く名状しがたい同居人のお話。  同居人、というか同居生物というべきか、とにかくこの居候のユーゴくんがなかなかの曲者です。作品紹介から引用するのであれば、『七色に蠢く原形質の不定形な』生物とのこと。作中では人の姿(それも十歳程度の愛らしい男児の姿)であることが多いのですが、まあとにかく人ならざる何者かであることには間違いありません。  ふたりの関係というか、その生き方やあり方に惹かれます。甘く親密な協力関係、異種婚姻譚のような雰囲気を匂わせながら、でもどうしようもなく存在する隔絶のような何か。ユーゴに一個の人格を見出しながらも、でも同時にそれが彼の持つ『どこまでも都合のいい便利な性質』ゆえのものだと認識している、その諦観や割り切りにも似た絶妙な感情。  種が異なるのではなく、もっと大きな違い。実存としての層そのものが食い違っているような違和感を抱かせる、そんな理想のパートナーとの甘い同居生活。優しく幸せな風景の奥底にひっそりと潜む、冷えた芯のような恐怖を味わわせてくれる作品でした。これが幸福であることこそが恐ろしく、恐ろしかろうと幸福には違いない、というこの、うまく言えないんですけど絶対混ざっちゃいけないところが溶け合っちゃっているような感じ。好きです。

5.0
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和田島イサキ

義体探偵

満足感たっぷりの王道娯楽小説

 科学技術の発達した未来の世界を舞台に、とある私立探偵が失踪事件に挑むお話。  てんこ盛りの未来ギミックが嬉しいゴリゴリのサイバーパンクSFであり、また企業と人とその間の倫理を描いた社会派ハードボイルドであり、そしてひとりの男の過去と今を結ぶ悲しくも壮絶な復讐譚であり、そのうえエンタメ感あふれる痛快なアクション活劇であったりもする、もう大変贅沢なお話でした。すんごい満足感。  いやこう要約してしまうとなんだか欲張りすぎのようにも見えるのですけれど、でもこれらが何の違和感もなく整然と、ごく自然にひとつのストーリーとして組み上げられていて、しかもよくよく見てみたらこのボリューム感で約8,000文字ってえっどういうこと嘘でしょ、と、普通に唖然とさせられる感じが衝撃でした。実感としてはその二倍か三倍、もっと分量の多い作品を読んだような読後感。なにこれすごい……。  物語のテーマ性を担う部分が好きです。事件の真相が明らかになると同時に、『ヒトであること』という問いに最後の最後で収束していく、クライマックス周辺の流れがとても心地の良い作品でした。

5.0
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和田島イサキ

みらいぎゅ -寂しがりやな誘拐犯をぎゅっと抱きしめるための7日間-

もしこんな未来があったなら、あなたもきっと変えたいと願うだろう。

【簡単なあらすじ】 ジャンル:SF スマホが大好きな主人公はある日、自宅の自分の部屋でいつものようにゲームの画面にログインしようとしたところ、誰かに通話が繋がり目が覚めたら見知らぬ場所にいた。主人公は元の世界に戻るために、自分を攫った彼の願いに協力することとなったのだった。 【物語の始まりは】 スマホが手放せない高校生の主人公が帰宅するところから始まっていく。今日は帰宅が遅くなったようで、スマホを弄れるのは父が帰宅するまでの時間。早く着替えなければならないのに、誘惑に負けた主人公はいつものようにゲームイベントの声かけをしようとした。しかし、ゲーム画面(オープニング)がいつもとは違う?! 何故かカメラ通話に切り替わり、そこにはイケメンの青年が映し出されていたのだった。彼は一体……? 【舞台や世界観、方向性】 舞台は現代から近未来へと移っていく。主人公のスマホが見知らぬ青年に繋がったことがターニングポイントだと思われる。主人公は目が覚めたら見知らぬ場所にいたのである。ドアの外を確認するも、見知らぬシステムのせいで何処へも行くことができない、軟禁状態であることに気づく。主人公は疑いつつもここが自分の暮らす世界ではなく、未来だと信じ始めるのだ。 そして主人公はある作戦の延長線上の会話にて、現代と未来の大きな違いを知ることになる。それは彼が主人公を未来に招いた(誘拐した)理由を深く関わっていたのである。 【主人公と登場人物について】 主人公はスマホが大好きな高校生。弟がおり、彼には”スマホを使っているのではなく、スマホに使われている”などと言われているほど、スマホばかり弄っているイメージもついているようだ。 未来に誘拐されてしまった主人公に対し、誘拐をした彼の方は余裕があるように感じる。もちろんそれが普通とも言えるのかも知れないが、それは立場によるものではなく、環境によるものではないかと思う。 主人公は初めこそ怯えていたものの、元々コミュニケーション能力が高いのか、彼の目的を知ってからは心に余裕が出来た印象。読み手としても彼女なら、彼の望みを叶えてあげられるのではないかと思ってしまう。 【物語について】 カメラ通話で青年と話した直後、主人公は意識を手放してしまう。青年が主人公に告げた内容は、身に覚えのないものであった。しかし、次に目が覚めた時見知らぬ場所にいたのである。どうやら彼に言われたように、未来に誘拐されたようだ。みたことのないシステムに、逃げようとしても逃げられない事情がある。果たして主人公は無事に家に帰ることができるのだろうか? 【良い点(箇条書き)】 ・主人公の心情が分かりやすく、共感しやすい。 ・最初は不愛想に見える彼に対し、可愛いなと思ってしまう。 ・設定が細かいため、なるほどと納得できる部分が多い。 ・人は環境の変化に次第に順応していく生き物。だからこそ、この未来は自分たちにとって身近な未来だと感じる。 ・”もしもこういう世の中だったら”というIFに対してのリアリティが持たされている。 ・二人の打ち解け方が自然である。 ・物語の方向性がしっかりしているため、オリジナル設定は多いものの分かりやすい物語である。 【備考】11ページまで拝読 【見どころ】 スマホが大好きな高校生がある理由から未来に誘拐されるところから、物語は始まっていく。主人公はよくいる”一般的”な女の子である。何故狙われたのが彼女だったのか? それがこの物語において一番重要な点である。 未来では、家族とさえ触れ合うことができなくなっていた。その現在を変えたくて、過去から主人公を攫った彼。主人公は未来がどんなところなのか教わるうちに、自分が何故誘拐されたのかも知ることとなる。そして今とは違う信じがたい未来を変えるために、自分が狙われたこと理解をする。 初めは自分が無事に、元居た世界に帰る為に協力しようとするのだが、未来のことを知ると少しずつその意識が変わっていく。恐らく彼女もそんな未来を変えたいと感じているのではないかと感じた。 設定が細かく、いつか世界はこんな風になってしまうのではないかという恐怖さえ感じてしまう。彼女は果たして元の時代に帰ることができるのだろうか? あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか? お奨めです。

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crazy's7

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