ユーザー登録・ログイン

新規登録

ログイン

作品

レビュー

登録/ログイン

その他

オノログについてFAQ利用規約プライバシーポリシー問い合わせユーザー管理者Twitter
レビューを投稿
書籍化
コミカライズ原作
ジャンル別
サイト別
サイト関連
運営している人

@オノログ

検索条件

Page16

サイト:エブリスタ

条件をリセット
詳細条件で探す

司祭の国の変な仲間たち

家から逃げ出した少年が出逢った彼とのその先は……?

【物語は】 ある人物が何かから逃げている場面から始まる。この物語にはまず、二つの国が出てくるようである。一つは本作のメインの舞台になるであろう、温暖な気候の司祭が集う国、アストレーゼン。そしてもう一つは、隣国。その中に寒い地域であるシャンクレイスという場所があるようだ。冒頭で出てくる少年は、このシャンクレイスからアストレーゼンへ向かったのではないかと思われる。果たしてこの先、少年にはどんな運命が何が待ち受けるのだろうか。 【舞台・世界観】 司聖とは? オリジナル要素だと思われる。(読み方不明)アストレーゼンという国では司祭の頂点として司聖がおり国を治めているようだ。国王はいないが、実質的な国王の立場にあたるのだろうか?(この時点では、まだどのようなシステムなのか、把握しきれない) 本編に入ると、二人の人物が出てくる。二人は実質この国を支えている人物であり、一人は名前の中に国の名である”アストレーゼン”が含まれる。彼は司祭の長であるが、名前に国名が含まれることから、とても良い家柄のものなのではないだろうかと想像する。この二人がどんな人物なのか、ここで説明されている。 続いて護衛宿舎の近くにあるのだろうか、広い練習場に場面は移る。ここでは恐らく、この物語で重要人物の日常風景について明かされていると思われる。つまり、この物語では”司祭”には護衛がつくという事だ。あらすじに”司祭が集う国”とあることから、その数は多いと想像できる。 更に物語を読み進めると、”司聖の登頂上”という言葉が出てくるので、司聖をまとめるものがいるのではないだろうか。 第一章では主に、この国のシステムなどが明かされていくようだ。 【登場人物について】 司祭の頂点ロシュ 補佐役オーギュ 美少年剣士リシェ 大男剣士ヴェスカ 恐らく、メインの登場人物はこの四人だと思われる。視点切り替えのある物語だ。司祭の頂点ロシュについては、仕事をサボって居眠りをしたりと、一般人と同じような性質も持っているように感じた。かなり高い地位にいるものの、人間らしさも持ち合わせているという印象。 美少年剣士リシェについては、とても世渡りの下手そうな人物である。周りと上手くやろうという気持ちは一切感じられない。彼にはなにか抱えるものがあって、そうなっている可能性もある。 大男剣士ヴェスカについて。とても人間らしさを感じる人物だ。リシェの非礼な態度にストレートに感情を表す。確かに、そもそも彼を性的対象として扱う彼らに問題があると思うが、どっちもどっちという印象である。不快だと思いながらも、修行(強くなるため)に訪れる者。ここが練習のための場所と知りながら、セクハラに値する視線を送る者。互いに不快感を表しながら生活しているのは、大変そうだなと感じた。 【ロシュとリシェ】 恐らくこの二人の関係がメインなのではないだろうか? この物語の舞台や世界観の説明の後、二人が出逢う場面がある。そこでは、”登場人物について”で記載した”リシェ”の印象は変わる。それほどまでに、好意を寄せているという事である。そうなると、彼の普段との違いに見どころがあるのではないかと感じた。 二人の出会いの場面では(正しくは再会のようだ)、急激に仲が深まるということはない。しかし、ロシュの方も彼を意識していると思われる。 【物語の見どころ】 この物語は、主人公の一人が家から逃れ、隣国にやってきたことを発端として始まっていく。読了済33ページまででは、まだ主人公が明確に冒頭の人物であるとは書かれていないが、恐らくそうなのであろう。しかし、まだ初めてあ出逢った時のことが詳しく語られてはいない。あらすじには”一目惚れ”とあるので、これについてのエピソードは、そのうち詳しく明かされていくのではないかと想像する。 再開の後は、簡単には進展しないように感じた。つまり、再び会うことになるには、何か特別なエピソードがあるのかも知れない。二人がこの後、どのように再会し、どのように仲が深まっていくのかが、最大の見どころなのではないだろうか? あなたもお手に取られてみませんか? オリジナルの世界観で繰り広げられる、個性豊かな登場人物の物語です。彼らのこの後を、是非その目で確かめてみてくださいね。お奨めです。

5.0
0
crazy's7

++  月  ノ  夜  ++

素敵な始まり方の物語

【物語は】 いつもと違う親友から告白を受けるところから始まっていく。恐らく主人公にとって親友は恋愛対象ではなく、自分の価値観としては男同士で恋愛ということに、結び付かなかったのだと思う。まず、何故彼が男である自分を恋愛対象として選ぶのか。自問自答していく。 【登場人物の魅力】 親友は、異性愛者なのだろう。親友の告白をすんなり受け入れることが出来ず、まず理解しようとするところから始まっていく。考え方が違うが、相手をはねのけるのではなく、理解しようと詰めるところが素敵である。それでも、すぐに理解することが出来ず、苦悩する。 自分が異性愛者であれば、当然の反応だと思われる。 複雑にしているのは、相手も根っからの同性愛者ないからなのだろうか。 答えが出ないのは、何故自分なのかという事が分からないからなのかもしれない。親友も、単に想いを告げるだけで彼の疑問を解消してはいない。すれ違ったまま進んでいく二人の想い。どうなっていくのだろうか。 【物語の魅力】 綺麗な情景と澄んだ空気。まるでそれは純愛を表しているようで、素敵な始まりだと思った。(月と冷たい空気により感じたこと) どんな状況で相手が覚悟を決めたのかが伝わってくる。 ここで思う事。直ぐに返事を貰わないのは期待の意味があると思う。よく考えて貰えば、うまく行くのでは?という想い。そして反対に、返事を先延ばしにしたいという心理もあるだろう。 この時、親友は何を思っていたのだろうか。 少なくとも、食事に行ったりするような仲であり打ち明けても偏見で見る様な相手だとは思っていないと思う。 そんな二人が、少しずつ心を通わせ、答えを出していくのだろうか? (主人公は、まだ理解が追い付かない状態な為) 【物語の見どころ】 告白から始まる物語。恐らく、主人公が相手の気持ちを理解し、自分自身の気持ちと真摯に向き合っていく過程に見どころがあるのではないだろうか? そして、段々と自覚し、両想いになりその後という流れではないかと想像する。親友サイドもあるので、両側の気持ちを見ることが出来る。 あなたも、お手に取られてみませんか? 告白のその行方。是非、その目で確かめてみてくださいね。

5.0
0
crazy's7

咲くことのない花

解放したいと願う愛。真実に気づき始める時。

【裏表、真実はどこ】 この物語は主人公の美大生が、ある絵本作家と出逢う事で始まっていく。ミステリアスな彼女の心が少しずつ解き明かされ、真実が見えた時主人公もまた少し成長する。彼が心から幸せになれるのはまだ先のことだと思うが、ここで彼の求めているモノも見えてくる。 【確かめたかっただけのはずが】 この物語は、セルリアンブルーとインソムニアを結ぶ物語である。時間の軸としては恐らく前になるのだが、セルリアンブルーでは、この物語で想いを寄せていた相手との交わりがあり、この物語でチラリと触れている彼との物語がインソムニアである。 インソムニアで出てくる彼との出来事が、主人公には棘のように刺さっている。性に奔放ではあるものの、タチである自分にネコを覚えさせた相手自体が気になるのか、単純にネコもイケるのか、それを試すためだったと自分は解釈する。ただ残念ながら、この物語での相手はリベンジという形で少なくとも、快楽はあるということを示してしまったため、インソムニアにて”特別”には繋がらない。 しかしながら、主人公が現在のようになってしまったのには理由があり”呪縛”とも言えるものから解放されない限り、心から誰かを愛したり、その事によって幸福を感じたりするのは難しいと思われる。 【絵本作家の女性】 彼女言葉、気持ちには偽りはないだろう。しかし最後まで読まないと、真実にはたどり着けない。 愛するからこそ、解放したい。 愛とは何も、好きあうことではなく。相手の望む人生へ、自分から解放することも純愛と呼べるのではないだろうか? 深く読まないと分からない部分もあるかも知れないけれど。 この物語を読むことによって、セルリアンブルーシリーズを深く読み解くことが出来ます。 是非、お手に取られてみてくださいね。おススメです。

5.0
0
crazy's7

向日葵とりんご飴

タイトルの意味を知った時、愛の深さを再確認する

【飛んでもない奴だなという印象は】 物語は、冒頭部分から吹き出すやり取りに、一体どんな話なんだろうか?と興味が湧く所から始まる。主人公であるギターボーカルの彼は、一見チャラそうで、軽そう。しかし、誰とでも気軽に話せるような、屈託のない人物に見える。そんな彼が好きになった相手は、自分とは正反対ともいえる性格の相手だった。どんなに求愛しても手に入らない相手。本気なのに信じて貰えない理由は、なかなかわからないまま。しかし、諦められない主人公は、彼と祭りにいく約束を取り付けるのだった。 【酔いから始まる二人の行く末】 この物語は、一見軽そうな主人公を、好きだけれど信じられないから拒むという印象で始まる。そのため、初めのうちはベースの彼が不憫に見える。しかし、何故主人公がこんな振る舞いであるのかに気づいた時、ベースの彼同様、主人公に対する見方は180度かわる。自分から見た自分と、他人から見た自分が合致しないことが、いまいち理解できない主人公。彼は、単に自分に素直なだけで、チャラいというわけではないのだ。見た目がどれほど印象を決めてしまうのかという事を、読者に気づかせてくれる物語でもある。そのため、読者は自分の日常を思い浮かべ、似た体験を思い浮かべることとなるため、主人公の境遇を理解しやすい。 【好きだと気づくと同時に知る、彼の闇】 いつも明るく振舞っている主人公だが、本当は底なし沼のような寂しさを抱えていた。今まで、同性を好きになること、恋愛として興味を持つことのなかった主人公の心の扉を開けたのが、まさしく彼が想いを寄せる、ベースの彼だったのだ。主人公は、彼ならば自分を救ってくれると、本能的に感じたのかもしれない。この物語は、主人公の抱えるものを知った時、純愛であることに気づく。 【分かたれる道】 主人公の目指したかったモノ。この物語は、恋愛と夢という二本柱で構築されている。しっかりとどちらにもスポットが当たっている上、現実的な厳しさも備えている。簡単にめでたしとしないからこそ、リアリティを感じ、主人公の周りの人物の考え方が浮き彫りになり、応援したいという気持ちになる。そして、物語に厚みをだしているのだ。人生には簡単に思い通りにならないことがあり、それでも諦めずに頑張っていれば、いつかは叶うのだというメッセージも読み取れるのだ。 一見、純愛に見えないのに、気づけば「やだ純愛じゃないの!」ときゅんきゅんしてしまう物語です。 自分でもこういうことあるよな、わかると共感できる部分も多い作品です。 是非お手に取られてみてはいかがでしょうか? おススメです。

5.0
0
crazy's7

君の想いをきかせて

読んでいるうちに、タイトルの深い意味に気づく

【分かりやすすぎる叔父、ひた隠そうとする甥】 性格による行動にリアリティを感じる作品。あるトラウマを抱えている男子高校生が、両親を失うことで独りぼっちになってしまう。親戚がいるにも関わらず、施設に預けられることになってしまいそうなその彼に、手を差し伸べたのは優しい叔父だった。嬉しい反面、抱えたトラウマのせいで距離を置くしかない状況。理由をしらない叔父は、次第に自分が嫌われているのではないかと思い始める。 それでも、歩み寄りたいと考えていた叔父に突きつけられる現実。 ショックを受けていた彼に、想定外の幸運をもたらす。 【叔父に萌えを感じてしまう】 三章後半までは、方向違いな互いの想いを切ないな、と思いながら読み進めることとなる。この物語の叔父は、相手の気持ちを大事にする性格の持ち主である。何かあれば、自分が悪いのではないかと考えてしまうところもある。思慮深いが、とても分かりやすい性格の為、心ここにあらずと言う状況になると、目の前の出来事にすら気づかない。甥の言動一つで一喜一憂する様は、とても萌える。料理に手を付けて貰えなければ、しょんぼりしてしまうし、相手が笑えばとても嬉しそうだ。大人ではあるけれど、そういった素直な反応は、可愛らしく目に映る。そのため、甥が彼を傷つけないようにと振舞う場面は、なんだか笑みが零れてしまう。 【甥の苦しみ】 どんなに好意を寄せていても、距離を縮めることが出来ない甥。理由を彼に言えるはずもなく、葛藤していく。もし大好きな人に触れることすら出来なかったら、どれだけ辛いことだろうか。本当は傍に行きたいのに、行くことが出来ず現実的な距離感に、心の距離感を重ねてしまう。言うことが出来ないからこそ、誤解をさせているのではないだろうかと、苦しみがさらに積み重なっていく。 【この物語の凄いところ】 まさに伝えたいのはタイトルの通りなのだと気づく。心理に重点を置いた作品であり、切なさに胸が苦しくなることも多い。この物語では、二人が自分自身と向き合い、相手を思いやるという事に重きをおいており、やたら外野がでてややこしくなるという事がない。そのため、どうなるんだろうか?トラウマから解放されることはあるのだろうか?など、二人の行く末をじっくりと見ることが出来る。 【彼らの周りの人々】 全体的にはシリアスではあるものの、日常の一コマとして職場の仲間との交流の場面もある。 しかし、そこでは自分の性別により、嫉妬や葛藤していく姿が見られ、それは重要なシーンだと感じることが出来る。 なかなか結ばれることがない二人ではあるが、だからこそゆっくりと心の距離を縮めていく様子が丁寧に描かれている作品であることは間違いない。 最後まで、どうなるのか分からないハラハラ感。もしかしたら途中で諦めてしまうのでは?と思う不安。 しかし、幸せを祈らずにはいられない甥の恋。 一緒に、最後まで見守ってみませんか? ここには優しくて、胸が締め付けられそうな恋が存在します。 是非お手に取られてみてくださいね。おススメです。

5.0
0
crazy's7

インソムニア

現実と妄想、過去と現在の狭間と揺らぎ

【物語は】 性に奔放で、過去関係のあった人から”本気になるな”といわれたことにより、一人に真っ直ぐな愛をぶつけることの出来ない美大生と、心に傷を抱え現実すら侵食されてしまった社会人との恋愛が、描かれている。美大生サイドが明るいのに対し、社会人サイドはまるでミステリー×ホラーを見ているようで、虜になる作品。 【まるでパレットの上の絵の具のように】 パッと視点が変わったと分かる作品ではないことが、逆にこの作品良さを引き出している。視点切り替えには、色んなタイプのものがある。例えば、タイトルで分かるようにするものや、あえてSideと表記するモノなど。この作品は、境界が曖昧な部分があり、ページの中で突然別視点が入る。通常なら、これは分かり辛いという感覚を産むはずだが、この作品に居たっては、まるで絵の具が混ざりあうかのようなイメージがし、良い効果となって作用している。 【狭間と揺らぎ、物語の構成】 社会人の彼は、ある過去と闇を抱えているのだが、単にそれがどんな理由からかを率直に書いていたならば、こんなに狭間と揺らぎは出せない。才能のなせる業である。どちらがどちらなのか。夢なのか現実なのか。妄想の産物なのか。真相が明らかになっていくまで、サスペンスのようなハラハラ感に虜になる。 それに対しに、美大生の彼は欲望優先の生き方をしており、キッチリと現実のみという印象がある。これは絵に例えるなら、輪郭とその内側といった関係か。彼がいることにより、社会人の彼と同様、読み手も現実に引き戻される。この不思議な揺らぎと狭間が、魅力的であり物語にぐっと惹きつける効果も担っているのではないかと思われる。 【答えを出せた側と出せなかった側】 主人公である二人は、とても対照的である。もちろん似ている部分もあるが。 心が成長していながらも、下半身がどうにも緩いままの美大生。どんなに嫉妬をしたとしても、自分だけのモノに出来ないことを分かっていながら、自分を救えるのは彼しかいないと感じている、社会人の彼。何処か諦めている部分があるからこそ、魅力的であり、萌えがある。手放せないけれど、所詮は思い通りにはならないし、欲しいものも与えられない。そして、相手に確かめることすらできない。一度は手を差し伸べられるが、望みを告げたところで自分を選んでは貰えなかったが、いつかそれを望んだ理由に、美大生が気づく時、そこが二人にとってのスタート地点なのかもしれない。 社会人の彼にとてつもなく萌える作品です。ゆっくりと明らかになっていく真実からも目が離せません。是非、お手に取られてみてくださいね。おススメです。

5.0
0
crazy's7

セルリアンブルー

複雑な事情を抱えた二人の執着地点

【物語概要】 多重人格で可愛らしい容姿の女装家でもある主人公が、人に言えない過去を抱えた獣医と、ある理由から性に奔放になってしまった友人の美大生との三角関係になってしまう。複雑な関係になってしまった発端は、獣医が女装家が店員であることを知らずに来てしまった”アクロ”での出来事にある。そこで、女装した主人公に出逢った獣医は、彼を何処かで見たような気がするも、分からずに気に入ってしまう。主人公は、自身のペットである”ウサギのユイ”のかかりつけの獣医であることに気づき、正体を明かせないでいた。それは今後困ることになると想定したからである。このことがきっかけで、女装した姿の自分の人格を切り離してしまう。一方、友人である美大生の彼も主人公を気に入っていた。女装する自分と、普段の自分、二人の人格がそれそれ別な人を好きになってしまったことから、物語は複雑な三角関係へと発展していくのだった。 【暗い過去を抱える彼と、人格をいくつも持つ主人公】 始まりは、女装をした自分に彼が惚れてしまったことだった。 人間の人生とはとても不思議だ。それはきっと、小説もリアルも変わらないと思う。生活の中で、自分では気づかないうちに”分岐点”で沢山”選択”をしているに違いない。 この物語の主人公は、心が弱かったため、辛いことから逃げてしまう癖がある。問題解決能力に少し欠けてはいたが、それを補う必要があった。だからこそ多人格を持つことになってしまった。 多重人格などは、子供の時に虐待などを受けていると起きやすい症状であり、それは自分自身を守るためであると言われている。自分が知らないだけで、意外と身近なことなのかもしれない。 それに対し、暗い過去を抱える獣医の彼は病んでいながらも、表には出さない。もちろん軽々しく人に言えるようなことでもなく、一見大人に見える獣医さんだ。 【登場人物の魅力】 自分は申し訳ないが、この獣医さんに一番魅力を感じてしまった。 主人公はとても危なっかしく、フラフラしているように感じるが、無理もない、各人格が別の相手を好きなのだから。自分の幸せと本能の狭間で揺れているようにも感じ、見ていてハラハラしてしまう。 一方獣医の彼は、”大人”というのもあるのかも知れないが、自分自身と真摯に向き合い、一つずつ着実に問題を打破しているように感じる。 彼は初めの頃、男女に拘っており、自分の本心に不安を感じ、自分自身に言い訳してしていたが、相手を個として考えるようになり、悩む方向も変わっていく。多人格であっても彼は一人の人間であり、彼の中の人格も含め”愛している”という結論に到るまでが、とても丁寧に描かれており、彼の魅力が充分に伝わってくる。 【複雑な三角関係】 獣医の彼に比べ、恋のライバルである絵描きの彼は、かなり即物的である。 若いからか、一人と向き合い共に人生を考えていくというのには向いてはいないように見える。しかし、それには理由がある。彼の事情についてはこの作品では書かれてはいないが、彼にそうさせてしまった人物が存在するのである。(詳しくは続編を) ただ彼は、性欲と独占欲が強く、この三角関係を複雑にしているのは否めない。 続編があったら是非、読んでみたいと感じる作品です。 お手に取られてみてはいかがでしょうか? 獣医さんに萌えます。おススメです。

5.0
0
crazy's7

異説 千本桜

拘りと技術の光る作品

【好きだからこそ拘れる】 正直、凄いの一言。 では何が凄いのかと言えば、文体、表現、世界観の保ち方が凄い。 BLと言えば、恋愛要素、濡れ場、プラス他のカテゴリーというもので構成されているものが多い。 その中でも、濡れ場については癖が出てしまうものだが、この作品は言葉の使い方、表現の仕方が統一されており、突然世界観が変わるということがない。一貫しているため、まるで古書を繰っているような錯覚さえ起こす。 かなり研究され、拘り、手を抜かず、愛着や愛情を持って書かれていると感じる。 単に、好きというだけでは書けるものではないからだ。 【華やかさを出せるのは独特の表現があればこそ】 現代語ではなかなか出すことの出来ない、華やかさ、雅、趣なども感じられる作品。 ゆったりとした時間の流れを感じることが出来るのも、やはり、表現によるものだと思う。 緊迫感などもあるが、現代のような時間の流れとは違うものを感じる。 有名なモノをモチーフにしているため、登場人物の想像がし易いと思われる。 登場人物名など、聞いたことがある名が多いため、覚えやすい。 それをアレンジし、オリジナリティを出した作品。 舞台について知識を持っている方には、更に親しみやすい物語なのではないだろうか。 元のストーリーに対し、この物語がどのように違うのか、その違いを楽しむのもこの作品の魅力の一つと言えるだろう。 歴史もの、古文などが好きな方には是非、おススメしたい作品です。 こうだったらいいな、と一度は妄想、想像したことのある、そこのあなた、是非お手に取られてみてはいかがでしょうか? まるで時を超えたような世界が、ここにはあります。 おススメです。

5.0
0
crazy's7

最近の「いいね!」

小説家になろうファンタジー短編完結

魔法少女になるからわたしと契約してよ

法律ヤクザな魔法少女

オチにニヤッとするが、私もこんな魔法少女はイヤだ。 短編小説に定評のある燦々SUN氏の作品で、安定した文章と構成は安心して読める。 「わたし、魔法少女コントラクターまりん! 父は弁護士母は詐欺師。愛読書は六法全書! 今日も、無法地帯出身の蛮族達に契約の恐ろしさを教えちゃうゾ☆」(本文より引用)

小説家になろうファンタジー連載:53話

バズれアリス

ファンタジー×現代×配信で希望を見出すお話!

ネタ全振りのタイトルから想像のできない王道と熱さと恋のお話。あと13万文字とかなり見やすい。 なんやかんや王国から無実の罪で不毛の地へ旅へ出された勇者的な聖女が、不思議な鏡を見つけたら現代(コロナ下)の料理屋に繋がって……? さらに想われるほど強くなる能力は現代の配信稼業とぴったりで……? 鏡を挟んだ現代×ファンタジー異世界交流に、きっと希望が見つかるはず。 あとタイトルから想像つくことはだいたい回収してくれます。

カクヨムファンタジー連載:98話完結

林檎と甜橙、女奴隷とその主人

まだ転がり続けるの? 意外な展開でぐんぐん読まされる

異世界からきた、とある男性の面倒をみることになったレティクラタ。彼の世話のため女奴隷を買うことにした。  …という感じで始まるこの作品。導入部は男性との恋愛もの?と思っていたのですが、話は思わぬほうへ転がり続けます。最後まで!  長短にこだわらないエピソードの区切り方や、直接的な表現をすることなく関係の変化を匂わせる描写など。いろんな箇所に効いている技やシリアスとコメディの緩急も見事で飽きさせず、どんどん読めてしまいます。 本当に面白かった。  設定もしっかり練られているようで、この先のエピソードや登場人物たちの細かい背景まで気になってしまう魅力的なストーリー。  軽い読み口が好みの方、少し深めの考察が好きな方、どちらにも楽しめる作品です。ぜひいろんな方に読んでみてもらいたい。おすすめです!