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僕にも魔法が使えたら

突然、非日常に巻き込まれる主人公と天然不思議系ヒロインが世界を救う物語

【簡単なあらすじ】 ジャンル:現代ファンタジー ある日公園で主人公が、天然不思議系女子に突然”パートナー”指名されることから展開されていく。パートナーとは一体なんなのか? 少女の正体は? 突然強引に非日常に巻き込まれる現代ファンタジー。主人公の運命やいかに?! 【物語の始まりは】 主人公と謎の天然少女との出会いから始まっていく。関わりたくないと思いながらも、彼女の強引さと話の噛み合わなさで巻き込まれていく。何故公園の噴水の上に居たのか? パートナーとは一体なんなのか? 何故主人公はターゲットとなったのか? 謎を多く残したまま話は展開されていく。果たしてこの不思議な少女の正体とは? 【舞台や世界観、方向性(箇条書き)】 主人公に対しパートナー指名した彼女は、何かの目的があってこの街に来たようである。 彼女には魔法のようなものが使えるが、施行は出来るもののその為の元(力)自体は所持していないようで、その元(貯蔵庫・タンクのようなもの)となるのがパートナーの役目の一つのようである。 【主人公と登場人物について】 ふぇは少女の口癖なのだろうか? しょっちゅう出てくるワードである。天然で、あまり人の話を聞いておらず、我が道をひた歩く印象。 主人公は流されてしまう部分や、押しに弱いという一面も見受けられる。初めはわけがわからないことに巻き込まれている、迷惑だと感じられる印象もあるが、段々と理解という方向に向かう。 【物語について】 一度は追い返してしまったものの、彼女のことを気にかける主人公。数日後、彼女と再会する。主人公は段々と彼女のペースにハマり、夕飯を作ってもらうことになったのだが、スーパーからの帰り道”匂いがする”といって突然駆け出す彼女を追うと、子猫が川でおぼれていた。子猫を救出した後、家に帰ると今度は謎の男女に出くわす。勝手に家に上がり込み、言いたい放題言って消える二人。相変わらずの天然ぶりで、要領を得ない少女。前途多難である。 少女の説明は相変わらず分かり辛く、全体を掴むことはできないものの、主人公の気持ちは出逢ったばかりの頃とは変わっていた。突然現れた”ぷちおに”なるもの。そしてそれを倒すところを目の当たりにし、彼女から説明を受けた彼は、彼女の力になってあげたいと思い始めていた。 【良い点(箇条書き)】 ・ヒロインが天然で不思議系女子。特に会話のキャッチボールが破壊的。好きな人は好きだと思う。 ・独創性を感じる。一番変わっていると思ったのは、ヒロインが能力を持っている側なのだが、彼女の説明が分かり辛く、それをザックリ説明して分かりやすくしようとしている部分。結果、世界観をザックリ理解という形になるのが、新しい。恐らく、陰陽師系統の能力なのだが、魔法を例にしているのでどんなものなのか想像することは出来ても、例えのほうで理解するので大元の方が理解し辛い。この流れは新しいスタイルだと思う。 ・危機的状況なはずなのだが、コメディ要素が含まれている為、全体的に明るい。 【備考(補足)】13ページ目まで拝読 【見どころ】 ストーリーよりも、登場人物が個性的すぎて際立つ作品。特に個性的なのがヒロインである。天然不思議系で、いまいち何を言っているのか謎の人物。それを主人公のモノローグにて解説ような、解釈が入るスタイルだという印象。しかしその部分がとても変わっており、全体的に世界観を例えで理解する形となる。その上、ヒロインの口癖”ふぇ”がこれでもかと挿入されている為、一番記憶に残るのが”ふぇ”である。ここに萌えを感じる人には、ドストライクな作品なのではないかと感じた。自分は夢に見そうである(笑) 主人公は自分の役目を把握はしたものの(P12にて)、何故自分が選ばれたのかはまだ分かっていない。これには何か理由があるのではないだろうか、と想像する。彼はこの先、パートナーとしての役目を果たせるのだろうか? あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか? この物語の結末をその目で確かめてみてくださいね。お奨めです。

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crazy's7

Πανδώρα―パンドラ―

ガチャガチャの内容に意外性のある不思議なことの起きる物語。しかし道を切り開くのは、己の力。

*2話まで連載中(前後編)2021年12月1日時点 1 読む前の印象や予想など(表紙やあらすじなどから想像したこと) ガチャガチャ大国日本。ガチャガチャしか置いていないお店もある、酔狂な国である。いつからか、ガチャガチャは子供だけのものではなくなった。どんな景品が出てくるのか分からない、夢の詰まったガチャガチャ。おもちゃであるにも関わらず、クオリティの高いもの。シリーズものやシークレット。 そう、大人がコレクションしてしまうほどに精巧に出来たフィギュアなどが存在せるのである。さてこの物語のパンドラとは? ガチャガチャとは? 2 物語は(どのように始まっていくのか?) 都市伝説のような話から始まっていく。未だ見たことのないガチャガチャとなんだろか? どこに存在しているのだろうか? その中身は一体?! 本編に入り、主人公が大切な人を失う場面へと移る。ここからどう繋がっていくのだろうか? 3 良かったところ。印象に残ったところ。好きなセリフなど。 ・不思議なガチャガチャで、一時的な幸せを手に入れた主人公達。それぞれが引いたものが巧く繋がっている。悲しい物語であるが、やり残したことや想いを消化できた。素敵な物語だと感じる。 ・短編集のようなスタイルなのかと思っていたら、意外な繋がりがあり纏まっている。 ・絶望感があり、どん底までいって浮上するというのは凄いなと思った。 ・まだこのガチャガチャに関わるのは二個のストーリーであるが、方向性が異なっており、これからどのようなことが起きるのか気になる。 ・ガチャガチャに対しての発想に独創性を感じた。 4 公開部分の感想 それぞれにドラマがあると感じた。世にも奇妙な物語のようなホラーな部分もあるし、ヒューマンドラマのような部分もある。 初めは不思議な物語で、そのガチャガチャによってどんな体験をしたのか? という流れだと思っていた。しかし物語が進むとそういう単純なことではなく、不思議な力を遣わずとも自分たちで道を切り開いていくのがテーマなのではないか? と感じたのである。 ガチャガチャには夢が詰まっていると思う。その”夢”の部分にオリジナリティを出している。だがご都合主義で終わる話ではなく、ちゃんと自分に返って来るのだ。こういったモチーフを扱っている物語の中では、良いことも悪いことどちらかに傾くのではなく、両方起きるというのは、珍しいのかもしれない。 5 物語のその先を想像して 二話になって誰が物語の軸になっているのかわかって来る物語。 ここまで読んで思ったのは、物語の中心は人間ではなくガチャガチャなのかもしれない。ガチャガチャがどんなものなのかは、ここまでで明かされている。作った人物、もしくは産まれた理由などが今後明らかになるのではないかと想像する。 あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか? お奨めです。

5.0
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crazy's7

理氏とその世界について

読んで理解をすることは出来ても、それを他者に伝えることの難しさを学んだ作品。

★どんなことをテーマにした作品なのか? ザックリ言って理である。 人間そのものでもあるように感じるし、宇宙とも感じる。 【観測と前提とは?】 本編では普段と異なる使い方をしているとはあるが、本来の意味を知らなければ、どう違うのか理解も難しいと思うので、ここで辞書を引いてみた。 観測……天体・気象などの現象の変化を、観察・測定すること。転じて、ある事に基づいて推し測ること。(web調べ) 前提……推論の際、結論を導く基(もと)となる命題。転じて、ある事が成り立つための前置きとなる条件。(web調べ) もう一つこちら。 状態……事物が、その時にそうなっている、ありさま。特に、外面からでもそれとわかる様子。(web調べ) 【どんな物語なのか?】 世界の始まりについてから始まっていく。ここでわかるのは、世界の始まりについてそのものではなく、理氏という人物がどのような思考を持っているのか? ということだと思った。 この”世界の始まり”一つを取っても”誰が作ったのか?”、”どうやってできたのか?”ではなく”始まり”だということが述べられているように感じた。人は質問の意味を考えずに答えることがある。それは思い込みや先入観によるものが多い。あなたなら、その質問に何と答えるだろうか? 【好きな所や印象に残ったところなど】 ・アンケートに答えながら読み進めるスタイルというのはとても面白い。 まるで講義を受けているような楽しさがある。 ・観測と状態について、読んでいるうちにややこしくなったのは、分数の掛け算や割り算を理解しようとした時の心理に似ていて、笑った。 ・難しくはないが、何となくわかる。言いたいことはきっと簡単なことなのだが、それを理解しようとすると難しくなる。 ・言葉にするのは難しいが、当たり前のことを言っているのだと感じた。 (特に世界の終わりなど) *完結作品 【全体の見どころ】 読んで何について考えさせられるか? それが一番重要な部分であると感じた。つまり、物語においての作者とは何か? そしてどういう風に書いていくものなのか? そして人間とは何か? そんなことを考えさせられる物語だ。 言葉にし辛いものが多いのだが、人の先入観や思い込み、偏見は無から作られるものではない。巧く作品についての感想を表現するのが難しい作品だと思われる。読んだ方が理解できるのだ。 ここには、まさにその通りだと思うことが詰まっている。 これぞ百聞は一見に如かずだと思った。 何を言わんとしているのかは理解できる、ただ”どのようにして?”を説明するのがレビューであり、”どう感じたか?”を表現するのが感想である。それらを言葉にするのが難しい作品である。 あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか? あなたならどんな感想を持つのだろうか。おススメです。

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crazy's7

超一流清掃用務員異世界転生譚。元暗殺者兼公爵令嬢側近従者転生後、前世記憶復活、清掃魂覚醒。周辺汚染物徹底清掃開始。異世界清掃黙示録。 ~咆哮、清掃魂~

前世の記憶を取り戻した主人公は、超一流の腕でありとあらゆる心の汚れを落とします!

【簡単なあらすじ】 ジャンル:異世界ファンタジー 彼女の前世は伝説級の"超一流清掃用務員"?! 知らず知らずに異世界に転生し、アサシンとして生きていた主人公は、仕事に失敗し路頭にまよっていたところを、メイドとして雇われることになる。それから10年後。あることをきっかけに前世の記憶を取り戻す。戦闘服はメイド服。武器はお掃除道具。報連相は的確に! しかしお掃除するのは心の汚れ?! 【物語の始まりは】 ある公爵令嬢の側近としてメイドとして働いていた元アサシンの主人公が、前世の記憶を取り戻すことになった経緯から物語は始まっていく。彼女は自分の失敗(不注意いや不幸な事故?!)にて生を終えてしまったが、前世最期に呟いた願いは叶っていたようである。前世を思い出した彼女。まず初めに行ったことは報連相?! 【舞台や世界観、方向性】 異世界転生ものであり、あることをきっかけに前世の記憶が戻る。 前世は"伝説"と呼ばれるほどの"超一流清掃用務員"。現世では元アサシン(暗殺者)でありメイド。どれも”お掃除”に関係しているのは、偶然なのか?! それとも彼女の本能がその道を選んだのか? この世界では職業スキルによって、固有の”視るスキル”というものが備わるようだ。レベルによってもその能力に差があるようで、主人公は超一流の清掃用務員。果たしてその能力とは!(本編にて) 【主人公と登場人物について】 回想から入っていく。主人公は当時15歳であり、仕事に失敗し路頭に迷っていたアサシンであった。そんな彼女に声をかけてきたのは高貴な身分だと分かる5歳の少女。少女に気に入られ、彼女の父にメイドとして働かないかと誘われる。メイドとして働くことになった主人公だったが、使えていたお嬢様に異変が起きる。アサシンとして邪魔者を暗殺しろと言われた主人公だったが……それは前世を思い出すきっかけともなった。 【物語について】 各登場人物がマイペースなところが面白いと感じる物語。主人公は倫理や仕事の基本に従い我が道を貫き、対するお嬢様もまた自分の願望を貫こうとする。噛み合っていないところが笑いを誘う。 主人公の現世での使命は、人の穢れを掃除することのようだ。だが性格のせいか、それとも常識(異世界と前世)の不一致のせいか相手を怒らせてしまう。お掃除の仕方は普通だが斬新! そもそも掃除は人間以外に対して行なわれるものなので、対人となると斬新に感じるのだろう。登場人物たちは非常に真面目だが、それが笑いを誘う。痛快なコメディと言っても過言ではない。 恐らく相手を激昂させているのは、主人公の無自覚毒舌によるものなのではないだろうか? そこもまた面白いところである。 【良い点 (箇条書き)】 ・アサシン(暗殺=掃除)メイド、掃用務員と掃除繋がりであり、全部掃除繋がりであるが、それぞれの特性も活かされた物語である。 ・身近なことをモチーフにしており、想像しやすい。 ・心の汚れの具現化が、モンスターなどではなく汚れとして見えるというのが素朴な感じで良い。 ・下記にある注意書きが、まるで注意喚起の張り紙のようで物語にフィットしている。 ・報連相を笑いに変える斬新さ。 ・ルビ振りが面白い。 ・譲れないもの、それはメイド服 (笑) ・名前の付け方が……! 学園名を見ただけで笑いがこみあげる。 【備考 (補足)】13ページまで拝読 【見どころ】 まず名前の付け方がクリーン(お掃除)系統なのが面白い。主人公は掃除まみれといっていいほど、例え方清掃用品繋がりで笑ってしまう。ここまで掃除ネタで物語を拡げられるのが凄いと感じた。 物語の始まりは、暗く始まる。タイトルはぱっと見、漢文?! と疑ってしまうほどに漢字である。いろいろと度肝を抜かれる作品だ。 物語自体には繋がりがあるが、ショートショートのように読み進めることができるので、ちょっとした空き時間や気分転換におすすめの、コミカルで心の明るくなる物語だ。 主人公は元アサシンであり、ある公爵家に拾われメイドとして働くことになった。そしてあることをきっかけに自分が、前世が”超一流清掃用務員”であることを思い出す。この世界で彼女がお掃除するのは、心。心の汚れをお掃除していく話である。しかしながら、その汚れが何処に現れるかは人によるようで、場所により掃除の仕方も様々。 主人公は至って真面目なのだが、前世と現世での世界の常識などから、説明が大変なことも。報連相までも笑いに変えてしまう作品である。 あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか? おススメです。

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crazy's7

旋風のルスト ~逆境少女の傭兵ライフと、無頼英傑たちの西方国境戦記~

これはまさに、”ライフ”に焦点のあてられた、主人公の成長の物語。

【簡単なあらすじ】 ジャンル:異世界ファンタジー それは内容に虚偽のある依頼を受けたことから始まっていく。戦闘が起きるはずのない依頼。彼女たちは隊長を失い、絶体絶命の危機に居た。自分たちは寄せ集めのメンバーであり、もちろんチームワークなどはない。相対するのは戦うことに慣れた盗賊団。生きて帰るためには、結束力と的確な判断力が必要とされた。暫定の隊長を任された主人公は、彼らと共に無事に帰還できるのか⁈ 【物語の始まりは】 戦闘の一場面から始まっていく。主人公たちは〝職業傭兵〟であり、今回の仕事は林業用の森林地帯の見回り。本来なら敵がでるはずはない。その為、誰でもできる仕事のはずであった。しかし予見はあったのだろう。傭兵の五つの階級の中の上から三番目にあたる人物に、直接指名が入っていたのだから。これは罠なのか? それとも策略か? 依頼内容に虚偽があった為、寄せ集めの彼らでは対処しきれない状況となってしまった。果たしてどう切り抜けるのか? 【舞台や世界観、方向性(箇条書き)】 国独自の職業〝職業傭兵〟という職業(?)があり、軍人、市民義勇兵に続く三番目の存在。依頼の報酬として金銭を受け取り、仕事をする。階級などもある。上から三番目の階級は準1級。 民族固有の精霊科学アイテム〝精術武具〟というものが存在する。 主人公の成長の物語である。 【主人公と登場人物について】 この物語は主人公の成長が描かれた作品。 冒頭で戦闘が開始された直後、彼女たちは自分の置かれた状況を冷静に分析し、隊について辛らつな評価をしている。しかし隊長を喪い、暫定の隊長と認められた彼女にとって頼れるのは自分と一時的な仲間だけ。その場面でも冷静に分析をし、最小限の被害に抑えようとしていた主人公だったが、冒頭の印象とは異なる。 この物語では、主人公の微細な変化も表現しているように感じた。感情の起伏をあまり感じさせない冒頭に比べ、村に帰ったのちの心境など。 【物語について】 撤退を余儀なくされた彼らであったが、事態はそう甘くはなかった。等級準一級である隊長の指示により、主人公は9人で編成された彼らを先導することになる。しかし撤退の途中で隊長は被弾。彼をその場に残さなければならない状況に。皮肉にも、ここまでは纏まりのなかった彼らだったが気持ちが一つとなり、主人公は暫定の隊長として認められるということになる。 彼女たちはこの後、絶体絶命状態から正規軍に助けられることになるが、当初の”虚偽依頼問題”についても触れられている。単に傭兵として戦って……というだけの物語ではなく、問題に解決や状況の把握などにも触れている。戦闘が含まれる物語で、刑事もののように事件の解決とその後にまでスポットがあてられて描かれている物語は、珍しい印象。事件の背景について詳しく分かるため、厚みと奥行きを感じる物語でもあると感じた。 【良い点(箇条書き)】 ・物語として焦点のあてられている部分が斬新だと感じる。 通常、ファンタジー×戦闘ありという作品において、悪事が裁かれるのは多々見かける。それは商業やTVにおいても同じではあるが、依頼とそれらの関係について触れるというのは”ミステリーや刑事もの、探偵もの”などジャンルが多く、このタイプのものは珍しいと感じた。つまりこの物語で表現しているのは”生活”の部分でもあると、言えるのではないだろうか? ・さらっと描かれても不思議ではない部分に、テコ入れしている。 主人公達が何故傭兵をしているのか? これに対してのエピソードが、とても丁寧であると感じた。彼女たちは収入を得るために仕事をしている。もし報酬に不安があれば、その後の仕事自体が巧くいかなくなることもあるだろう。 その後どうなったのか? このことについて疑問を抱くのはジャンルに寄るだろうが、丁寧に描かれていることによって、彼女たちが”生きている”、”生活をしている”ということが、より強く感じられる。 ・主人公だけでなく、主人公によって周りも成長していく物語である。それだけこの世界で生きることが、過酷であるということだと感じた。 ・冒頭からのイメージとは違い、かなり主人公の生活に密着した物語。 バリバリの戦闘もの(息をつく暇もないほど、戦闘に次ぐ戦闘のような物語)が好きな人には物足りなさがあるかもしれないが、海外の友情ものドラマのようなライトさもあるので、逆にバリバリの戦闘ものでないものが読みたい人には好まれると感じた。(生活も感じられる作品が好きな人、という意味合い) 【備考(補足)】16ページ目まで拝読 【見どころ】 この物語での”ライフ”は少し読む前とは、イメージの違うものだと感じた。主人公はワンルームの部屋に住んでおり、17歳の少女である。過去に重いものを背負っており、そこから逃れ、自分らしく生きようとしている印象。しかし母は病にかかっており、その治療費も負担しなければならない。 魔法などが存在するファンタジーを舞台にする作品において、生活に密着し”生きる”ことに対してリアリティを追求した物語だと感じた。スポットをあてている部分がかなり斬新であり、これは筆者(自分)の偏見ではあるが”男性よりも女性”が好みそうな作品だと思った。 戦闘描写においても丁寧ではあるが、それよりも主人公の生活部分が際立ち、その方向性も既存の物語とは少し傾向が異なる印象を受けたからである。 野宿して戦って、砂や泥まみれの戦場、血なまぐさい描写が延々と続くというイメージの傭兵生活ではない。どちらかというと、貧乏なキャリアウーマンというイメージに近い。 その為、都会で貧乏暮らしをし”お金はないし、仕事を探さなければならない。どうしよう!”というような、誰もが一度は感じたことのありそうな感情も共有したり、共感できる部分もある。不思議なバランスの物語である。 読みやすく取っつきやすいという印象を持った。 あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか? 主人公がこの先、どのような人生を歩んで行くのか、その目で是非確かめてみてくださいね。おススメです。

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crazy's7

終わる世界で眠る灰

あなたが主人公の立場だったなら、どうするだろうか?

1 読む前の印象や予想など(表紙やあらすじなどから想像したこと) 人のクローンなのだろうか? クローンそのものについてはいろんな考え方があり、たくさん映画にもなっている。この物語では恐らくアンドロイドのような役割をするのではないだろうか? 人と人でないものの違いについて見た目や機能ではなく”心”があるかないかであるという考えを何処かで読んだことがあり、衝撃だった。 人間とは自分で何かを考え、選ぶことのできる生き物である。どんなに文明が進み、人間の作業が楽になったとしても人間がそこに必要なのは、人だけが臨機応変に対応できる生き物だからだと思う。 この物語では、クローンは感情を持たないとされている。果たしてその願いとは? 2 物語は(どのように始まっていくのか?) クローン同士の会話から、世界の状況が分かっていく。人間が外で生きられないほどに環境が悪化した世界。そこで働けるのは人と同じ形状ではあるが耐久性があり、ロボットのように感情などを持たないものであった。しかし世の中上手くできているわけではない。彼らは変異と合成を繰り返した遺伝子を抱えており、想定外のことが起きる。アンデット病という異常行動を起こす者が現れる。彼らは自害することができな為、そうなると処分されてしまう。現在は処分が追い付かない状況であり、もうすぐ都市の工場が閉鎖されるようである。 3 良かったところ。印象に残ったところ。好きなセリフなど。 ・不思議な世界観。感情が無いというう設定なのでクローンが黙々と仕事をするのだろうか? と想像していたが学習もさせるということからお喋りをし、思考することもできるのかと、思った。 ・この物語で感情のないものとされるクローンたちは、人間よりも人間らしく感じる。 ・己を犠牲にしてでも願いを叶えるところ。 ・人間とは自分勝手な生き物なのだなと、改めて感じた。 4 自分が主人公の立場だったら 恐らく主人公と同じように願いを叶えてあげたいと思う。 5 物語のその先を想像して 主人公の願いは叶わないのかも知れない。冒頭の方で最後の……とあった為。しかし彼らの行動はきっと残ったクローンたちに何か影響を与えるのではないだろうか? と想像する。あなたならば、何を感じるだろうか? あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか? おススメです。

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crazy's7

君に捧ぐレクイエム

ミステリーのような入り口から明かされてく、世界の真実。主人公の覚悟と決意とは……!

【簡単なあらすじ】 ジャンル:現代その他ファンタジー ある事件を先輩と調べるところから展開されていく。 調査の最中、良く見知った場所へ行くと違和感が。恐怖を感じながらもその場所を調べている時に、主人公は意識を失ってしまう。次に目が覚めた時、そこにいたのはある少女だった。そして彼女から知らされるこの世界のこととは……? 【物語の始まりは】 主人公が本を借りようとするところから始まっていく。恰好のせいで注目を集めてしまった彼は、不覚にも本を無断で持ち帰ってしまう。しかしその本はとても不思議な本で、一ページ目しか見ることができない。仕方なく諦めて眠りについたのだが、翌日事件が起こっていたのである。同僚が行方不明となり、日常は非日常へと。一体彼は何処へ行ってしまったのだろうか? 【舞台や世界観、方向性】 ミステリー要素を含む物語だと感じる。 十年前に戦争があったようで、その時日本に手を貸してくれた国があった。しかしその国は謎に包まれており、不可解な条約を日本を含めた他国と行っているようだ。 かなり近代化の進んだ社会が舞台である。 【主人公と登場人物について】 主人公は建設会社で働く社員。まだ二十歳未満ではあるが法律上は成人である。(法律改正後が舞台) とても仲の良い面倒見のいい先輩がいるようだ。彼とはこの事件の謎について一緒に調べることになりそうである。 【物語について】 同僚の失踪事件から始まっていく。どうやらただの失踪ではない様だ。一体どんな謎が隠されているのだろうか? 主人公は謎の本を持って帰ってしまった翌日、優雅な朝を満喫しようとしたところで嫌な予感がし、スマホの履歴を確認する。すると本日は30分前に集合とメッセージが。優雅な朝を諦め、出勤してみるといつもと違う様子であった。なんと、主人公の同僚が行方知れずになっているというのだ。 この事件(?)には不可解な点が多い。何故一般人の自分たちに情報を開示するのだろうか? その疑問から彼らは事件を自分たちで調査し始めるのだった。 【良い点 (箇条書き)】 ・ジャンルは現代ファンタジーながら、ミステリーのような謎とスリルが味わえる。 ・舞台設定がしっかりなされており、臨場感がある。 ・構成が良く、ファンタジー部分と近代的(SFに感じる部分)な部分との融合とバランスが良く違和感がない。 ・ストーリーそのものが面白い。 ・序章が一作分くらいあるが、謎の明かされていく過程とタイトルへの繋がりが鮮やか。 ・意外性がある。 ・ファンタジー部分において、オリジナリティが持たされている。 【備考 (補足)】第21話まで拝読 【見どころ】 序章で明かされていくのは、”君に捧ぐレクイエム ”タイトルの意味である。序章という括りならばかなり長いと感じるが”序章編”としてならば、かなり読み応えがあり、面白いと思われる。 この序章で明かされていくのは、世界観と序章での事件であるが”全て”が解決しているわけではなく、冒頭の事件の人物が誰なのかはまだ分かっていない。特に面白いのは、主人公と同じように読者が、勘違いをしていく点だと思われる。伏線はあるが、この物語を”ミステリー”として読んでいない限り、気づかないのではないだろうか? とても巧く書かれていると感じた。 ミステリーのような始まりではあるが、ここからが本題であり主人公のターニングポイントでもある。果たして彼は狂った世界を壊すことができるのだろうか? あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか? この物語の行く先を是非、その目で確かめてみてくださいね。おススメです。

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crazy's7

彼女と一緒にオカ研で相性を占ってもらったら、死相が出てると言われたのでスカートをめくってみた。

タイトル通りなのに、何故か予想が外れる意外性のある物語

1 読む前の印象や予想など(表紙やあらすじなどから想像したこと) 思想というのは、顔に出たり黒いオーラが見えたりするらしい。 相性で死相が出ているというのはどういう状況なのだろうか? 占いの内容にもよるだろうか、ちょっと恐怖を感じてしまう物語だと感じた。 主人公は無事なのだろうか?  2 物語は(どのように始まっていくのか?) 嘘でしょ! という始まり。予想外の展開にムンクみたいな顔になった。(俺がである)思わず、えー!と声を漏らしてしまったが、死相が出ていると告げられるところから展開されていく。しかし、どうやら回避法もあるようで? 3 良かったところ。印象に残ったところ。好きなセリフなど。 ・タイトルではきっと、自分と同じ予想をし意外性を感じた人もいるはず。 ・回避法が酷い! これは何かありそうだ。 ・予想がつきそうで、最後に意外な展開! ・敵かと思ったら……? ・予想はまったく当たっていなかった。 ・主人公の頑なさが面白い。 4 自分が主人公の立場だったら 主人公の根性は凄いと思うが、これも一種の愛情なのだろうか? こういう人と一般的な人の違いというのは”相手の好悪”に対して無頓着だったり、関係なかったりするのだと思う。一般的な心理では、相手の感情が気になるものなのでここまですることはなく、どこかで諦めるのだと思う。 好かれたい<嫌われるのが怖い こういうことだろう。 ただそこまで想いが強いのは素晴らしいと思う。怖いけれどね。 5 物語のその先を想像して この二人がくっつけば丁度いいのではないだろうか? 策士だなと感じた。この後は、乗り込んできて解決だろうか。 あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか?おススメです。

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crazy's7

ミハルヨサクラ

まだ見ぬ春を求めて。

 良い小説に会うと、ほっとする。小説の灯はいつの時も尽きてはいない、と信じさせてくれるからだ。そういう小説には得てして感想はノイズになることがある。なのでこんな文章を読む暇があるなら、はやく作品のほうを読んでください。ネタバレフィルターは念のため付けましたが、ネタバレをする気はありません。ただ、そんなの関係なく、まず作品のほうを。 〈私は思うのだ。三度の春しか無いからこそ、この町の人々は春というものを心から待ち望むのだろうと。足りないからこそ、満たされないからこそ、その物のありがたみが分かるのだ。手に入れようと必死になれるのだ。私と同じだ。才能が無いからこそ、死に物狂いで絵を描いて居られる、今の私と。〉  樹齢千年を過ぎる巨樹が大量の花を付け、滝の如く降り注ぐ滝桜で有名な福島県田村郡三春町。桜好きなら一度は目にしておくべき、と言われて赴いたその町で、画家の芹沢真人は、ファンだと名乗る十七、八くらいの年頃の少女と出会う。彼女の名は、幸子といった。無名の新人画家に対してファンだと言う彼女の言葉に疑心に駆られながらも、その人懐っこい彼女に滝桜の場所を教えられる。実際に目にした滝桜はすさまじく、彼は美し過ぎるものへの畏れと感動を抱く。その場所で彼は、フリーのジャーナリストをしている滝沢から、毎年のように三春町で起こる失踪事件について聞かされる……、  というのが導入になるのでしょうが、言葉のひとつひとつに気を払った表現がすごく魅力で、静謐で柔らか、というよりはやや凛とした佇まいの言葉が、幻想的なイメージに確かな実感を与えてくれます。内容紹介だけで読んだ気にならないでください、と強く言いたくなる作品です。主人公の絵に対する想いや、誰かや何かに向ける一途な感情とその揺れ、読後も余韻に浸っていたくなります。幻想的な恋愛譚ですが、ホラーやサスペンスの要素も含んだ内容になっているので、ジャンルをこえて幅広くお薦めしたい作品でした。

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サトウ・レン

蝶は己の檻を選ぶ

静かな夏に、記憶を辿って――。

〈箱を眺めていた男の方が、ふいに優也を見た。優也に少しの怪訝向ける顔には、憎たらしいくらいに見覚えがあった。秘密基地に全てをおいて蓋を閉めるきっかけになった男に、面影があった。  ああ、あいつ、死んだんだな。優也はそう思った。〉  静かな夏に、ひとつの死の景色が描かれ、すこしぼやけたような視界が過去を辿るうちにゆるやかに明瞭になっていく。一読して、あぁ好きだなぁ、となり、気付けば物語の余韻を記憶にとどめながら、もう一度、読みはじめ、あらためて語感の良さに浸ってみる。本作は、私にとってそんな作品でした。はっきりと結末を明かすことはしないつもりですが、つねに多くの物語は真っ新な気持ちを求めている、と私は信じているのでネタバレフィルタを付けました。私のこんな拙いレビューを読んでいる暇があるなら、作品を読んでください。つねに多くの評者はそれを求めています。  いいですか?  サークルに所属していない大学二年の優也は、長く暇な夏休みを使って実家に帰省していた。帰ってこなけりゃよかった、と後悔したのは、場も静まりかえるような境内で行われていた葬儀に出くわしてからで、雰囲気から死んだのは若い人間に思えた。誰も見ていないのをいいことに前庭を眺めていた優也が見つけたのが、黒羽だった。……導入はこんな感じですが、言葉ひとつひとつの語感の良さがとても魅力的な作品なので、紹介で内容を知るよりも、何度も言いますが、ぜひ作品のほうに進んで欲しいです。黒揚羽を追って辿り着いた葬儀の場に集まる男たちは葬式ジャケットの黒を身に纏い、そんな中で見つけた黒羽はくくった黒髪を揺らして、そんな彼女を見て、その唇の目立たぬ色のはずの口紅に、鮮やかな赤を意識の上で描く。文章という黒い文字列に、色彩豊かなイメージが浮かび上がる。こういう作品を読んだ後っていつも、あぁ小説を好きになって良かったなぁ、と嬉しい気持ちになります。 〈優也は投げ出していた手を祈る形に組んで、先ほど消えた陽炎を探すように、目を閉じた。〉  そして優也は幼い頃からの記憶を求めるかのように、かつて大豪邸だった、という彼らの想い出の秘密基地を訪れます。彼らの過去に、繊細な心の揺れに、感情を共有しながら知るその結末は、未来の彼らに想いを馳せたくなるようなものでした(ネタバレを避けるため、曖昧な表現になってしまうのですが)。周囲ではなく互いのみをよすがにして、たったふたりだけの夏の世界を築いていくようなこの結末こそが、まるで秘密基地にも思えてきて、すごく好きだなぁ。

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サトウ・レン

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林檎と甜橙、女奴隷とその主人

まだ転がり続けるの? 意外な展開でぐんぐん読まされる

異世界からきた、とある男性の面倒をみることになったレティクラタ。彼の世話のため女奴隷を買うことにした。  …という感じで始まるこの作品。導入部は男性との恋愛もの?と思っていたのですが、話は思わぬほうへ転がり続けます。最後まで!  長短にこだわらないエピソードの区切り方や、直接的な表現をすることなく関係の変化を匂わせる描写など。いろんな箇所に効いている技やシリアスとコメディの緩急も見事で飽きさせず、どんどん読めてしまいます。 本当に面白かった。  設定もしっかり練られているようで、この先のエピソードや登場人物たちの細かい背景まで気になってしまう魅力的なストーリー。  軽い読み口が好みの方、少し深めの考察が好きな方、どちらにも楽しめる作品です。ぜひいろんな方に読んでみてもらいたい。おすすめです!

小説家になろう恋愛連載:154話

絶対呪ってやるからな!【番外編更新中】

暴走沸騰系女子・メイジーによる!拳で☆母を探して。 第一の手段候補は呪いのモトを手に入れる事から

下町で元気に給仕に励む母子家庭の子メイジーは、サバサバした赤毛美人。だがある日突然、下町を謎の高級馬車が走り去った後、家の部屋は血だらけで、もぬけのから。どうも母は攫われたらしい?メイジーは誓う。絶対許さない!下町の隣人たちの諫言をお供に、ちょっぴりニワト…たんじゅ…激怒したメイジーはノンストップで暴走を始める。貴族にツテ?下町にあるわけないじゃ無い!そんな時は呪いがマストって聞いたわ!材料を取りに行くわよ!← これは、たいがい拳で解決しようとする(注・うら若き女性です)メイジーをひょんな事で知り合った美麗な兄と妹が必死に止める?物語。 竹を割りまくってもうスパーン!スパーン!言ってそうなメイジーが爽快。 悩んでる事が小さくかんじる…よしがんばろ!と思わせてくれる、ストレスが飛んでいく小説です。2024年3月中旬の更新ここ数話で、お母さまと再会した今が読み始めるチャンス!