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カクヨムその他短編完結

恋心を殺す

 もし女の子の友人が他の女の子を好きと言ったなら、どのように反応すべきでしょうか。  今の時代、同性を好きになることは性の多様性としてそれなりに確立しているように見受けられます。それぞれの「個」を認め受け入れるのは、そう難しいことではないのかもしれません。  こういったことは本来、他人がどうこう言うべき問題ではないのですが、「レズビアン」と呼ばれることへの抵抗感はわかる気がします。フィクションの「百合作品」と現実世界には隔たりがあります。  話を戻します。  誰かを好きと言ったその子に対して、主人公は密かに想いを寄せている。そして恋を成就させる為に協力を乞われている。それはとても残酷な現実です。  これは性別がどうのということではなく、気持ちの問題であり主人公は非常につらい立場に置かれています。  主人公の抱く葛藤が丁寧に描写されており、今からでも本心を言ってしまえば良いのにと、他人事ながら応援したくなりました。  このあと主人公たちの関係性がどうなっていくのか、非常に続きを読みたくなる作品です。

5.0
  • 作品更新日:2022/5/31
  • 投稿日:2022/7/11
カクヨムその他連載:43話

僕のクレイジーDAYS/不運な青年リーハ・H・マフィーと殺し屋たちの奇妙な冒険

 映画を観ているかのような感覚で拝読させていただきました。  冒頭、ハードボイルドな文体は非常にスタイリッシュかつ読みやすく、テロ組織や武器商人とのシーンは、緊迫感をもって読者を物語の中に引き込んでくれます。  別の場所で起こっていることを同時に描く技巧、状況が目に浮かぶ表現は素晴らしく、登場人物の名前が明かされるシーンでは正直かっこいいと感じました。しょっぱなから登場人物が若干多く感じられるものの、それぞれの個性が際立っている為気になりません。  いざこざのあとの第一章では一人称に切り替わり、冒頭とは雰囲気ががらりと変わります。どうも運のない人物である平凡な主人公に転機が訪れるこの章、テンポが良く軽快です。  主人公と親友の間で語られるシャーロック・ホームズはなかなかに個性的な人物なようです。映画スターみたいな格好良いホームズさんの開口一番が謎めいていて、登場するや否や心を鷲掴みにされました。すべては推理のうえに成り立っている言葉はさすがと言えます。  第一章の最後まで拝読した感想ですが、文体が非常に安定していて緩急があり読者を飽きさせない展開は、期待を裏切らないであろう安心感があります。  是非続きも読ませていただきたい作品です。

5.0
  • 作品更新日:2022/9/2
  • 投稿日:2022/7/17
小説家になろうファンタジー連載:39話完結

トネリコ・イン・ミラーワールド〜普通を装う女子高生、並行世界で本気を出す〜

 普通の女子高生でありたい主人公がミラーワールドへ吸い込まれ、戦いに巻き込まれてゆく物語。  戯曲のように始まる零話、そして日常へ。  主人公の外見は幾分「普通」から外れている。だからこそ普通にこだわるのでしょうか。過去に何かが彼女の身に起こってそうなったのか、生まれつきなのか、この時点では判断出来ません。教室での親友とのやり取りは、場を和ませながらも主人公の「普通」へのこだわりが強調されています。  部活動の描写により主人公は弓の名手であることがわかり、身体能力の高さを期待出来ます。このあと巻き込まれてゆくミラーワールドで、きっと役立つのではないでしょうか。  場面転換の際に出てきた謎の「僕」なる人物と主人公の関係性も非常に気になります。  現実世界からミラーワールドへ移り、いきなりピンチになる主人公の前に現れた青い髪の人物。どうやらこの世界では現実世界とは外見が違っているようですね。誰が誰やら把握出来ない状況、なかなかに面白いです。  時折出てくる魔術言語による戦いは、緊迫感はあるものの生々しさが薄い為に、すんなりと読み進めることが出来ます。言葉のチョイスが絶妙ですね。ゲーム世界へ取り込まれたような感覚に陥ります。そして実際これは殺し合いのゲームのようです。  幕間まで拝読させていただきましたが、管理者や天使、膨大な時間の経過、繰り返される世界など、壮大なスケールの世界観が味わえます。今後どう展開していくのか、非常に興味深い作品です。

5.0
  • 作品更新日:2023/3/11
  • 投稿日:2022/6/12
カクヨムファンタジー連載:28話

桜華堂で待ってる

 第一話 ストレイ・ガールを拝読させていただきました。  古書カフェを舞台に、オーナーとそこで下宿しながら働いている従業員たちの日常を描いた作品。  元々四人で共同生活を送ってきた中に、新たなメンバーが加わるというところから物語が始まります。  やってきたのは中学生の女の子、晶。両親から離れてひとりで、というのは何か特別な事情がありそう。  副題である「ストレイ・ガール」の「ストレイ」は「道に迷う、はぐれる」などの意味を持ちます。どこかに問題を抱えている気配は、単に慣れない場所にひとりでやってきたからというだけでもないようで。あらすじに「親戚中をたらい回しにされていた」とあり、遠慮しなければならないという意識が強くあるのかもしれません。身の置き場に困るぎこちなさが伝わってきました。  そんな中、猫の案内で裏庭に導かれた晶は、のちに素敵な名前を与えられる仔猫との出会いを果たす。これによって彼女の心に救いが生まれたように感じます。  今後どのように発展していくのか楽しみな作品です。

5.0
  • 作品更新日:2023/6/23
  • 投稿日:2022/7/17
小説家になろうノンフィクション連載:14話

急性阿呆中毒。~阿保の阿保による阿保の為のエッセイ~

 気になったタイトルから2作ピックアップさせていただきます。 ・骨董アパートと呪いの市松人形(前編・後編)  自身の住まうアパートの階段に、もし市松人形が落ちていたら……。誰かが故意に残していったものか、単なる落とし物か。理由は終始不明ですが、気味が悪くもやもやとした思いが募りそうです。  古い集合住宅にありがちな隣人トラブル。ホラーテイストをほんのり取り入れながら、面白いエッセイに仕上げてくれています。  前後編にまたがり登場する市松人形が、その後どうなったのか気になるところです。  どこにでも起こりうる隣人トラブル。お互いの配慮が必要です。 ・引っ越しと歩く本棚  100冊の本を処分するのは、結構労力を要するものかもしれません。大量の本を透明のゴミ袋に入れ徒歩で運ぶことを考えると、それだけで憂鬱です。資源ゴミの日に出してしまいたい誘惑に駆られます。  大量の本を買取店に持ち込む際は、それなりに強度のあるものに入れる、あるいは便利なサービスがないかなど事前に確認する、という教訓の残るエピソードでした。  筆者様の住まうアパートには、未だ市松人形の呪いがかかっているのかもしれません。  とても興味深く読み応えのあるエッセイです。

5.0
  • 作品更新日:2022/7/1
  • 投稿日:2022/7/24
カクヨム恋愛連載:2話完結

私はコーヒーが飲めない

卒業した先輩が経営するカフェに通う高校生。 苦くて飲めないコーヒーに果敢にチャレンジするも、やはり飲めずにいる主人公。それはなかなか好きだと言い出せない気持ちにも似ていています。二人の微妙な距離感が微笑ましく、大人になりたくて背伸びしているかのようにも受け取れます。 好きだと言わないまま続ける、先輩と後輩という居心地の良い関係。 このぬるま湯に浸かったような関係を崩してしまうのは、もしかしたら怖いのかもしれません。 けれど二人の会話の端々に、お互い気になっていることが滲み出ており、外野からしてみれば「何故言わないのだろう?」と両片思いのすれ違いをやきもきしながら見る羽目になる。しかしそんなもどかしさすら、とてもいとおしく感じられます。 苦いけれど甘い、素敵な作品です。

4.0
  • 作品更新日:2022/3/15
  • 投稿日:2022/8/12
カクヨムSF短編完結非公開

リュクシア星の住人は?

 地球外知的生命体がいるのが当たり前の世界観で、ある惑星へ降り立った調査団の物語。  情景描写に優れ、実際にそこに降り立ったクルーとなって未知の惑星探訪をしているような感覚で拝読させていただきました。  様々なパターンに配慮してコンタクト用の映像が制作されているさまは、まるで現実世界にもある「多様性を配慮」しすぎた結果の、無難な仕上がりになっているようにも思えました。  なかなか登場しない惑星の住人に変わり、主人公たちと対話するAI、アンドロイドたち。もしかしたら命あるものは滅びてしまったあとの世界なのだろうか? 読み進めれば、勿論そんなことはなかったのですが……最後に納得しました。  短い中にぎゅっと凝縮された、読み応えのある作品です。

5.0
  • 作品更新日:2022/9/19
  • 投稿日:2022/8/12
小説家になろうファンタジー連載:1378話

【第9章連載中】黒剣のアズリア〜『忌み子』と呼ばれ故郷を捨てた褐色赤髪の魔法戦士は魔法が使えない

 まず主人公の女性アズリアがとても魅力的です。褐色の肌に赤髪という容姿に、男顔負けの強さ。主人公が魅力的だと、それだけで物語が華やかになります。  タイトルに『忌み子』とあり、暗い過去を持ち合わせていそうですが、さっぱりと気持ちの良い性格であり、考え方もシンプル。健康的な美を思わせる肌はしかし、この世界ではあまり良いものでもないようで。何故彼女は一人で旅を続けているのでしょうか。  どのような世界なのかが違和感なく語られており、作品の世界観に自然と入ってゆけました。文体に独特のリズムがあり、一文を簡潔にまとめている為か、とても読みやすい印象を受けます。  行きがかり上魔物退治を引き受けることになった主人公が、重量感溢れる武器を駆使し、たった一人で魔物たちに立ち向かっていく様は躍動感に溢れて安心感があります。やがて明かされる主人公の強さの秘密……わくわくしますね。  こちらの作品、拝読した時点の全体の文字数が200万字超となっており、大作です。冒頭のおおよそ1万字程度を読ませていただいた感想になってしまいますが、これからの主人公の活躍が大いに期待出来る、読み応えのある作品です。

5.0
  • 作品更新日:2024/5/17
  • 投稿日:2022/8/13