六月の雨
最終更新:2023/7/10
作品紹介
背中越しに、彼女の香りが柔らかく届く。かなり身体を近づけているのかもしれない。 「先生はさぁ、ケモノみたいにガッて襲ったりはしないの? 男として」 職務室で図書室のカギを返却し、下駄箱に向かう。 雨はまだ止む気配が無かった。 空を見上げると、重たい雲のどこからか、雨粒が降り注ぐのが見える。 ケモノみたいに…。呟いてみる。 朝から降り続く雨は夕方に至っても、変わらず一定量の雨粒をこの狭い校庭に注いでいるようだった。
最終更新:2023/7/10
背中越しに、彼女の香りが柔らかく届く。かなり身体を近づけているのかもしれない。 「先生はさぁ、ケモノみたいにガッて襲ったりはしないの? 男として」 職務室で図書室のカギを返却し、下駄箱に向かう。 雨はまだ止む気配が無かった。 空を見上げると、重たい雲のどこからか、雨粒が降り注ぐのが見える。 ケモノみたいに…。呟いてみる。 朝から降り続く雨は夕方に至っても、変わらず一定量の雨粒をこの狭い校庭に注いでいるようだった。