平凡軍人と呪われ女勇者~呪いのせいで繋いだ手を放せなくなった軍人と女勇者の物語~
最終更新:2022/9/27
作品紹介
アレックスは人間連合軍と魔王軍の戦いに後方部隊として参加していた。 戦いは勇者たちと魔王の相打ちという形で終結し、人間は勝利する。 戦後処理を行っている最中に転移結晶を見つけて、転移すると魔王から呪いを受けた女勇者『レイチェル』が重傷を負い、倒れていた。 アレックスは攻撃魔法も使えず、回復魔法も人並しか使えなかったが、二つの能力を持っている。 一つ目は最上位の呪い耐性。 そしてもう一つは呪いを受けている者に触れると一時的に呪いを無効化出来る特式魔法。 しかし、アレックスが触れなければ、呪いは再発してしまう為、実用性はほとんどない特式魔法だった。 アレックスは女勇者レイチェルが強力な呪いを受けていることに気付き、彼女に触れて一時的に呪いを無効化する。意識を取り戻したレイチェルは呪いが無効になっている理由を知り、アレックスに感謝すると同時に頼みがあると言った。レイチェルは故郷の両親に会いたいという。アレックスはレイチェルの願いを聞き入れて、レイチェルの故郷『センド』を目指す旅に出た。 しかし、手を離せば、レイチェルの呪いは周囲の全ての生き物の生気を奪い取ってしまう。その為、いつ、いかなる時も手を離すことは出来ない。就寝中、食事中、入浴中、トイレ中、どんな時でも手を離せない男女の旅は問題だらけだった。 「いいかい、レイチェル。俺の能力は俺と君の体の一部が触れていないと発動しない。もし、今握っているこの手を放せば、君は周囲の全てを殺す災厄になってしまう」 「それは分かってる。だから、私は今もアレックスと手を握っている」 「そう、だから、手を放せない」 「うん」 「食事の時も」 「うん」 「寝る時も」 「うん……」 「トイレの時も」 「……うん?」 「体を洗う時も」 「うん??」 「何をする時も俺たちは二人で離れることが出来ないんだ」 「う~~ん???」
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