その公爵令嬢は、殿下の秘密を宿す
最終更新:2022/10/17
作品紹介
継母と義姉たちに亡き父の遺産をうばわれて、帝国を追放されたセナは、隣国である王国の高級リゾート地で、ホテルの客室係として働いていた。 ある日、幼馴染だった帝国貴族のミアがホテルに宿泊し、いきなり病に倒れ伏してしまう。 友人として仕事の合間にミアの部屋へと、たびたび顔を出していたセナは、親友から驚きの贈り物を受け取る。 「自分は参加できないから貴方に貰って欲しいの」、と渡されたそれは、このホテルで開催される仮面舞踏会のチケットと仮面、そして豪奢なドレスだった。 スタイルも容姿もよく似ているセナは、確かにミアの代理を務められそうだった。 かつて馴染みのある社交界に、今夜だけでも戻ることができる。 セナは内心で嬉しさがこみ上げてくるのを、抑えきれないでいた。 噂では王国の王太子殿下の妃候補を選ぶ場所でもあるらしい。 新聞やホテルのロビーに飾られている人物画で見知っただけの彼に声をかけられたとき、セナの心は思わず、踊った。 一夜だけの夢を見ても許されるでしょう? と、誰かに問いかけたくなるほどに。 ダンスを踊り、雰囲気とシャンパンの勢いとともに、セナは彼に身も心も捧げてしまう。 そして一夜が明け、普段の自分にもどる時間がやってきた。 セナは正体を知られる前に、彼の元から姿を消す。 王太子ロバートの秘密を宿しているとも気づかずに。 〇前半をヒロインと殿下との出会いとしているため、ヒロインが不遇になった理由などは中盤になっております。 継母と義姉たちへのざまあ回は、後半のラスト近くなりますが、ヒロインにはハッピーエンドを用意しておりますので、お付き合いいただけると幸いです。 他の投稿サイトにも掲載しています。
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