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作者:秋津冴

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作:秋津冴

公爵閣下の契約妻

 呪文を唱えるよりも、魔法の力を封じ込めた『魔石』を活用することが多くなった、そんな時代。  伯爵家の次女、オフィーリナは十六歳の誕生日、いきなり親によって婚約相手を決められてしまう。  実家を継ぐのは姉だからと生涯独身を考えていたオフィーリナにとっては、寝耳に水の大事件だった。  しかし、オフィーリナには結婚よりもやりたいことがあった。  オフィーリナには魔石を加工する才能があり、幼い頃に高名な職人に弟子入りした彼女は、自分の工房を開店する許可が下りたところだったのだ。 「公爵様、大変失礼ですが……」 「側室に入ってくれたら、資金援助は惜しまないよ?」 「しかし、結婚は考えられない」 「じゃあ、契約結婚にしよう。俺も正妻がうるさいから。この婚約も公爵家と伯爵家の同士の契約のようなものだし」    なんと、婚約者になったダミアノ公爵ブライトは、国内でも指折りの富豪だったのだ。  彼はオフィーリナのやりたいことが工房の経営なら、資金援助は惜しまないという。   「結婚……資金援助!? まじで? でも、正妻……」 「うまくやる自信がない?」 「ある女性なんてそうそういないと思います……」  そうなのだ。  愛人のようなものになるのに、本妻に気に入られることがどれだけ難しいことか。  二の足を踏むオフィーリナにブライトは「まあ、任せろ。どうにかする」と言い残して、契約結婚は成立してしまう。  平日は魔石を加工する、魔石彫金師として。  週末は契約妻として。  オフィーリナは週末の二日間だけ、工房兼自宅に彼を迎え入れることになる。  他の投稿サイトでも掲載しています。

更新:2022/12/19

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作:秋津冴

【書籍化】あなたはもう必要ありません

ご連絡:書籍化が決定いたしました。     2022年11月24日、エンジェライト文庫様より発売となります。  リシェルは闇属性のスキルを神から与えられた伯爵令嬢。  幼い時に教会で受ける、スキル覚醒の儀式でそれが与えられた日が、不遇の始まりだった。 「光の真逆のスキルは、不幸を呼ぶ、隔離しろ」  そう言われて、地下牢のような陰気臭い部屋に押し込められた。  以来、十余年、まともに太陽の光を浴びていない。  十二歳になったとき、妹のカミーナが光属性のスキルに覚醒した。  おかげで、伯爵家の者はみんな、妹を大事にし始めた。  十六歳になった時、兄の知人が彼女を見にやってきた。  どうやら一目惚れらしく、その場で結婚を申し込まれた。  そして、三年。  いまに至る。  どうにか幸せになれそうかな、と思っていた矢先。  夫の目は、光り輝く少女に成長した実妹カミーナに向いたらしい。  ‥‥‥いきなり離縁の宣告書とともに、わずかな荷物だけで放り出されてしまった。  どうやって生きたものか。  とりあえず、地下牢に閉じめられてから今までずっと受けていた、闇魔法の使い方を教える通信講座の先生を訪ねようと、リシェルは思い立つ。  リシェルは先生から「闇魔法は負のエネルギーを使うけれど、それを病人から奪うこともできるんだよ」と教えられる。  それは回復の力ばかりを与えて治療する光の魔法と違い、根本的な病魔を克服させることもできた。  やがてリシェルは、墨色の治療師、と呼ばれ噂になっていく。  一方、わがままで自分勝手な妹のカミーナに愛想が尽きた、元夫が彼女の噂を聞きつけて復縁をせまる。 「は? あなたなど無用です。消えてください」  リシェルは自力で生きれる強くたくましい女性へと成長し、それを撃退するのだった。  ご都合主義が含まれています。  大幅改稿の為、再投稿です。  よろしくお願いします。  他の投稿サイトにも掲載しています。

更新:2022/11/23

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作:秋津冴

その公爵令嬢は、殿下の秘密を宿す

 継母と義姉たちに亡き父の遺産をうばわれて、帝国を追放されたセナは、隣国である王国の高級リゾート地で、ホテルの客室係として働いていた。  ある日、幼馴染だった帝国貴族のミアがホテルに宿泊し、いきなり病に倒れ伏してしまう。  友人として仕事の合間にミアの部屋へと、たびたび顔を出していたセナは、親友から驚きの贈り物を受け取る。 「自分は参加できないから貴方に貰って欲しいの」、と渡されたそれは、このホテルで開催される仮面舞踏会のチケットと仮面、そして豪奢なドレスだった。  スタイルも容姿もよく似ているセナは、確かにミアの代理を務められそうだった。  かつて馴染みのある社交界に、今夜だけでも戻ることができる。  セナは内心で嬉しさがこみ上げてくるのを、抑えきれないでいた。  噂では王国の王太子殿下の妃候補を選ぶ場所でもあるらしい。  新聞やホテルのロビーに飾られている人物画で見知っただけの彼に声をかけられたとき、セナの心は思わず、踊った。  一夜だけの夢を見ても許されるでしょう? と、誰かに問いかけたくなるほどに。  ダンスを踊り、雰囲気とシャンパンの勢いとともに、セナは彼に身も心も捧げてしまう。  そして一夜が明け、普段の自分にもどる時間がやってきた。  セナは正体を知られる前に、彼の元から姿を消す。    王太子ロバートの秘密を宿しているとも気づかずに。 〇前半をヒロインと殿下との出会いとしているため、ヒロインが不遇になった理由などは中盤になっております。  継母と義姉たちへのざまあ回は、後半のラスト近くなりますが、ヒロインにはハッピーエンドを用意しておりますので、お付き合いいただけると幸いです。  他の投稿サイトにも掲載しています。  

更新:2022/10/17

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