隠れ最強の『魔道具作家』は平穏安寧を所望する。～スローライフを求めて自主的に追放されたが、ギルメンに慕われすぎて全員ついてきてしまった件。戻ってこい？　みんなこっちにいるんだが～

『魔道具作家』の天職を持つホドルーには、通常、偶然の産物として生まれる『魔道具』を、意図して作り出すことができた。 魔道具には、目玉の飛び出るような高値がつく。 金のなる木である彼は、冒険者ギルド『ダラープラント』で過酷労働を強いられていた。 「このままじゃ壊れる……。スローライフがしたい……」 しかし、ギルマスのオルドは彼を手放そうとしない。 そこで、ホドルーは一計を案じた。 魔道具の暴走で頭がおかしくなったことにしたのだ。 目論見は見事成功し、ホドルーはギルドから追い出された。 晴れて自由の身となった彼は、スローライフを求めて帰郷の途につく。 しかし、そんな彼を放っておかない者たちがいた。 ギルドメンバーたちだ。 彼らは、ホドルーの作る魔道具なしでは、自分たちの冒険が成り立たないことを知っていた。 そして、彼がいなければ、いずれギルドが立ち行かなくなることを悟っていた。 何より、おかしくなってしまった彼を放っておけなかった。 かくして、ホドルーのもとにギルメンたちが再集結し、勝手に新ギルドを立ち上げてしまう。 ギルマスに祭り上げられたホドルーは、スローライフを望みつつも、忙しい冒険の日々へと駆り立てられていく。 そして、最強の冒険者『魔道具フルアームド・ホドルー』の伝説がここに幕を開けるのである――。 【１５万８千字・全５１話です】 【毎日更新します】