たとえ、ハズレ属性と呼ばれても、王女様はパワーで幸せを掴む婚活戦記～アイアンハートは砕けない～

ソルスティス王国という弱小国家は、存亡の危機に陥っていた。国力差一〇倍以上の大帝国に侵攻され、一人の美姫が外交カードに選ばれる。 彼女の名は、ヴァレリア・アイアンハート。強大な魔力を持ちながらも、風属性という”はずれ”を引いた悲運の姫である。 運命を受け容れた、ヴァレリアは最後のお願いを口にした。 「戦場に立ってみたいですわ！」「よきにはからえ！フェリックス！」 しかしその時に、最大の不運をかぶったのは、従者であるフェリックス・オルガノンだった。 「嫁ぐのは仕方ないですけれど、武功を挙げてくっせぇジジイ様よりもう少し若い方にしてもらいますわ！行きますわよフェリックス！」 「そんなことだろうと思いました、姫様」 主従二人が率いる一〇〇人の部隊で、一万を超える帝国軍へと吶喊する。 ヴァレリア・アイアンハートの婚活戦記。