少女マリーと父の形見の帆船
最終更新:2019/6/19
作品紹介
シリーズ第一作。近世大航海時代。風力と人力だけで進む帆船が、たくさんの危険を乗り越え、富と名声を運んで来た時代。 ひょんな事から、父が遺した帆船の船長になる事になった主人公の少女マリー。だけど山育ちのマリーはひどい船酔い体質。 おまけにバルシャ型帆船リトルマリー号は小さなオンボロ船、乗組員は少ないし借金だってある。 そして海には商売敵の商社や怖い海軍、もっと怖い海賊、しつこい逆風や荒れ狂う暴風雨も待ち構えていた! マリーは人よりちょっと足が速いだけの、小柄で貧弱な少女。しかし彼女は決して、誰かが助けてくれるのを待っているだけのか弱いヒロインではなかった。 嵐を乗り越え交易品を運べ! 海軍を手玉に取り、怖い海賊の牙をすり抜けろ! お節介な国王の魔の手からも逃れ、広い海で自由に生き抜くのだ! ヒーローが居ない? だったら自分がヒーローになって皆を助ければいいじゃん! どこにでも居るような少しひねくれていて人一倍臆病で貧弱な田舎娘、自分の事をそう思っていたマリーには、強い義侠心と勝負度胸が秘められていた。 これは幾多の海を越え港を廻り様々な冒険を成し遂げて行く、マリー・パスファインダー船長の始まりの物語。 22年4月、シリーズ200万字を突破しました!
評価・レビュー
駆け出し船長の航海記
とても楽しい作品です。 主人公マリーの父親は船乗りであり、その都合上家にはあまり帰ってきませんでした。 そんな父が残した船に乗り、マリーは海へ……。というお話です。 マリーの心の声が地の文にたくさん書いてあります。彼女は快活で愉快な子なので、眺めているとニコニコしてしまいます。 サブタイトルには、マリー以外の登場人物がこの話をしている時にどんなことを考えていたのかが書いてあったりして、「ふふっ、マリーこんなこと思われてる」ってまたニコニコしてしまいます。 それから、この小説の見どころは舞台が海であるということです。 商売のためにオレンジを輸送するのだけれど、オレンジがだめになる前に目的地まで行けるか!? というエピソードがあるのですが、「船で旅をするってこういうことに気を使わなきゃいけないんだなー」と興味深かったです。
タイダ メル
恋の夜行列車