王宮を追放された俺のテレパシーが世界を変える?いや、そんなことより酒でも飲んでダラダラしたいんですけど。
最終更新:2020/11/26
作品紹介
ティモシー・スティーブンソンは、通信魔術師として王宮に仕えていた。 ある日突然、解雇を言い渡されるまでは。 「前線で命を張るわけでもない通信魔術師ごときに高い給金を支払う価値はない、ということだ」 面倒臭そうに言い放つ財務大臣に対して、ティモシーにも言い分はある。 「お言葉ですが大臣。前線で命を張る兵士を支えているのは通信魔術です。私がいなくなれば”端末”は力を失い、情報連携が取れなくなった兵士は命を落とします」 「ふん。そんなもの、毎日その水晶やら石版やらに魔力を通すだけではないか。平民出身のお前などいなくても何とでもなる」 「いえ、ただ魔力を通すだけではなく、通信魔術として特別な術式も必要ですし、消費する魔力量も通常の魔術より…」 「言い逃れは見苦しいぞ!」 取り付く島もなく王宮を追放されたティモシーは酒場に向かう。 時同じくして王宮に大口契約を一方的に破棄された魔導具職人が、酒場の隣の席でくだを巻いている。 その愚痴を聞きながら思う。 「市民たちのこの王宮への不平不満。通信魔術で共有・拡散して煽ったら、この国、終わるんじゃね?」 王宮で地味な裏方として冷遇されてきた通信魔術師の、新しい生活が始まる。
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