双子の兄貴になりすまして、兄貴の彼女の超絶美少女とデートすることになった
最終更新:2021/4/23
作品紹介
双子の兄である輝喜(てるき)と俺は、顔こそ同じものの、中身のスペックは異世界転生モノのチート主人公と、名もなきゴブリン並みの差がある。 兄貴は文武両道なうえ、コミュ力もカンストしている超モテ男。 片や俺は、テストは常に赤点ギリギリ、スポーツテストは全種目赤点、コミュ力はマイナス256という超スーパーウルトラ非モテ男。 一卵性だから遺伝子は同じはずなのに、どうしてここまで残酷な差がついたのか? 神を呪わずにはいられない。 ――中でも特に兄貴を恨んだのは、俺が片想いをしている椎菜美雪(しいなみゆき)さんと付き合い出したことだ。 椎菜さんは超スーパーウルトラ非モテ男である俺に、唯一優しく話し掛けてくれる女神のような女性。 容姿も女神そのものである椎菜さんに心を陥落させられるのに、然程時間は掛からなかった。 とはいえ、俺と椎菜さんのスペックも、異世界転生モノのメインヒロインと、名もなきスライム並みに差があるのも事実。 俺はこの想いを誰にも言えず、ただ毎日を悶々と過ごしていた。 ――そんなある日だった。 「ああ、そういや俺、美雪と付き合うことになったから」 「…………は?」 兄貴が何でもないことのように、そう報告してきたのは。 確かに兄貴であれば、椎菜さんの彼氏として相応しいかもしれない。 だがそんな理屈では到底納得出来ない俺は、その夜、「じ、自分、これ以上水を吸うのは無理っす……!!」と悲鳴が聞こえるくらい枕を濡らした。 ――ところがその数日後、そんな俺をそれ以上の衝撃が襲うことになる。 「なあ、明日俺、美雪と初デートなんだけどさ、お前、俺になりすまして代わりに行ってくんない?」 「………………は?」
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