《魔力無限》のマナポーター ~パーティの魔力を全て供給していたのに、勇者に追放されました。魔力不足で聖剣が使えないと焦っても、メンバー全員が勇者を見限ったのでもう遅い~ 【書籍化】
最終更新:2023/7/18
作品紹介
※ 第2回集英社WEB小説大賞で【銀賞】を受賞しました! 「我がパーティに魔力支援しかできない無能は不要! よって貴様を追放処分とする!!」 僕――イシュアは、そんな理不尽な理由で追放された。 世界の希望を背負って立つはずの勇者によって。 マナポーターとは魔力不足のパーティに、魔力を供給するパーティのかなめとも言える重要なジョブである。 「僕がいないと、すぐにこのパーティは魔力不足でまともに戦えなくなります。考え直すべきです」 「黙れ! 落ちこぼれの分際で口答えをするな!!」 そうして追放された僕であったが―― 「待ってください! イシュア先輩!」 追いかけてきたのは、なんと勇者パーティの聖女・アリアであった。 彼女は冒険者育成学校に通っていたときの後輩である。 「先輩に見捨てられたかと、すごい後悔してました」 「勇者パーティはどう考えても、先輩のおかげで辛うじて持っていたようなもんじゃないですか!」 アリアは涙ながらに訴えかける。 勇者はあろうことか、パーティメンバーに黙って僕のことを追放したらしい。 「私、先輩に付いていきます!」 「あんなリーダーに付いて行っても未来はありませんから」 アリアはきっぱりと言い切り、僕と旅を続けることの望むと明言。 こうして聖女様との旅が始まったのだった。 一方、勇者パーティには修羅場が訪れていた。 勝手にイシュアを追放した勇者は、メンバー全員に責め立てられていた。 イシュアがパーティを支える重要人物であることを、勇者以外はみんな理解していたのだ。 それでも勇者の権力を笠に着て、強引にAランクダンジョンの攻略を進めようとする。 しかしメンバーが2人抜けて、すぐに魔力が枯渇する勇者パーティにそれは叶わない。 ――勇者パーティには、どこまでも暗雲が立ち込めているのだった。 ※別サイトにも投稿してます