棄てられ姫は誰にも愛されない
最終更新:2021/7/7
作品紹介
「何故こんな目に合わなければいけないの」 アインホルン王国の王女リーゼロッテは声にならない程小さく呟いた。 目の前には父親であるアルベアト王が、 爛々と目を光らせながら「終焉の業火」と 唱え闇魔法と思しき巨大な黒い炎をリーゼロッテに向けて発した。 そもそも齢9歳、「本無し」とはいえまだ幼く、ましてや実の父親に殺される程の何の罪を犯したと言うのか。 リーゼロッテの頬に一筋の涙がこぼれ落ちた瞬間、黒い炎は身体全体を巻き込んで更に強く燃え盛った。 全身が黒焦げになるのを遠ざかる意識の隅で感じた。 父王に殺されかけ、黒焦げになり、他国の王子に拾われ生きていくことになるリーゼロッテ。 救いの手を差し伸べてくれた王子を慕い、尽くすが、残酷な運命がリーゼロッテを襲う。 沢山の出会いを通して 愛し愛されたいと一生懸命に生きていくリーゼロッテに幸せは訪れるのか。
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