社畜こそが宇宙で活動するための最適人材であることを証明したい
最終更新:2020/6/21
作品紹介
西暦2222年、第三次世界大戦から80年から経過し、一時的に減少していた人口はさらに増え、地上は人間であふれかえっている。 地上では数百年前から比べて、変わったものと変わらないものがあるが、地上を飛び出した先でも大きな進展があった。 月には国連名義の基地が建ち資金力がある国家は宇宙軍を続々と設立していて、各惑星や衛星の軌道上には宇宙ステーションが建造される時代になっている。 核融合炉技術やグラヴィティ・アクセラレータという重力点を生成し自由落下による加速を行う技術、それらを使い宇宙空間を自在に飛び回る宇宙専用艦船など。 数百年前からは考えられないレベルの速度で宇宙技術開発が行われている。 しかし、それでもなお公的な機関の人員として宇宙に出るのは狭き門であることには変わりなく、一般人にとって宇宙とは遠い遠い世界の話でしかなかった。 そんな時代、ブラック企業を渡り歩いてきた38歳の日本人”大和 夏樹”はブラック製造業から、ブラックホール企業として名高い株式会社ディスカバリーへの転職を決意した。 30年ほど前に生まれたこの企業のキャッチコピーは「誰でも宇宙船パイロット」。 設立当初はたいそう話題になったものだが、5年後生存率が5%という噂もある上に、設立経緯やこれまでの成果などほとんど情報が出ないということから好んで就職しにいくような会社ではなくなっていた。 底辺だろうがなんだろうが、なんだかんだと安定して暮らすことのできる日本という国家に住む人間にとっては特にそうと言えるだろう。 そんな社畜が、宇宙でやっていくために学ぶ凡そ6か月間の物語。
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