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作:鳴沢巧

呪われし者の英雄譚

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最終更新:2015/3/29

作品紹介

「何故だっ! 何故、貴様は我の呪いを受けないっ!」  叫んだのは目の前にいる魔族ではない。心配そうにこちらを見ている女王でもない。ラースリッドの右手に握られている、ひと振りの魔剣だった。 人間には必ず火・水・風・土の四大属性が備わっている。生まれた時に司教から、その子の守護属性を教えてもらうのが慣習だった。 ところが生まれたラースリッドには、属性が備わっていなかった。司教が叫ぶ。 「祝福を得られなかった、呪われた子だ」 両親が他界し、叔母の家に預けられたラースリッドは16歳になる。呪われた子として、周囲から蔑まれる日々を送る。 ある日、ラースは王都へ引っ越す叔母に置いていかれる。不思議に思ってると、魔物の軍勢が住んでる町へ押し寄せてくる。 なんとかしたいと手に取ったのは、所有者の体を乗っ取り、生ける屍とする暗黒の魔剣だった――。 呪われた子として意味嫌われていたラースリッドは、いかにして英雄と呼ばれる存在にまでなっていくのか。

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