カルミア・ヴァーミリオンは5歳の春に思い出す。ここが乙女ゲーム『アネモネデイズ』に酷似した世界であること。自分がその作中では全ルートで酷い結末を迎える、いわゆる「悪役令嬢」であったこと。そして、自分が前世では魔族を従えるカリスマ、魔王であったことを。 「はっ、約束された悲運が何だ。私は魔王だぞ? 魔法が使えない程度、些細なことだ」 「ほう、貴様が私の婚約者か……よろしい、私のことは魔王様と呼べ! 敬え! 跪け!」 「……待ってなにこれわけわかんない」 前世魔王、今世令嬢が好き勝手にやってたら何かと周りにモテる話。かもしれない。
更新:2016/7/30
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