ある村に、「とかげの姫様」と呼ばれる少女カラナが住んでいた。 カラナには、首すじにとかげの形のあざがあった。そのあざを持つ娘は、大人になったら村の護り神の「とかげの神様」の妻になる決まりなのだ。そんなカラナに、青年の姿のとかげの神様、ガレトは、繰り返し同じ話を語ってやる。 「昔、愛し合うとかげの神と少女がいました。彼らは『何度生まれ変わってもまた一緒になろう』と誓い合いました。少女の首すじについたあざは、転生しても分かるよう、神様のつけた目印なのです」。 自分たちの昔の話を、カラナは何度も聞いては笑った。 やがてカラナは大人になり、ガレトの妻になる。少女はとても幸せだったが、ただ一つ気がかりなことがあり……。 それは魂の恋人たちの、痛いくらいにひたむきな愛の物語。
更新:2016/9/8
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