俺が中学校に上がって間もない頃、元々身体が弱かった俺の母親が病気で他界してしまった。まだ身体も心も未熟だった俺は、そのことが受け入れられず、寝ても覚めても常に真っ暗な闇の中にいるみたいで、完全に生きる希望を見失ってしまっていた。そんな俺を見兼ねたのか、隣の家に住んでいる同い年で幼馴染の柚葉(ゆずは)が、ある日俺の家に押しかけてきて、「今日から私が恭介(きょうすけ)の――いや恭ちゃんのお母さんになる!」と言い放ったのだった。――それから四年。柚葉は今ではすっかり俺の母親として、おはようからおやすみまで、一日も欠かさず俺の面倒を見ているのだった。……だが、俺にはそれが煩わしくてしょうがなかった。
更新:2019/4/12
評価
レビュー
読んだ
気になる
読んでる
※作品の評価点について
登録数が少ない期間は単純平均点で表示します。
より多くの作品数・レビュー数になったら新評価式を適用します。
書籍化/コミカライズのタグについて
該当作品の書籍化・コミカライズ判定は、プログラムによる自動判断です。厳密な確認事項でないことをご了承ください。