夏祭り。 一見華やかな夏の催し。 その参加者は数多いが、全員が知っているわけではないもう一つの顔がある。 鎮魂祭。 地域それぞれで諸説あることは否めない。 しかし、吾妻 奏が住むその街の夏祭りには、確かに別の顔を持っていた。 中学二年生の夏祭り。 夕焼けに染まる街の中、仲の良い友人達と夕方集まって神社に出かけた。 遊び盛りの中学生にとって、諸手を振って夜遊びが出来る数少ない機会。 皆舞い上がっていた。もちろん、彼女も。 そして、奏は、一生忘れる事の出来ないであろう、不思議な体験をする事になる。 さあ、あの暑かった夜を、振り返ってみることにしよう―――
更新:2012/8/15
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