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挫折を知らなかった主人公の成長の物語。

5.0
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【物語は】

冒頭からあるメッセージを感じる作品。天才は苦労を知らず。しかし、苦労を知らないものには、超えられないものが必ずある。天才には天才の苦労があるとは思うが、ここでは苦労を知らない者という意。神童と呼ばれた者が魔王に負け、初めての敗北を味わうことになる。きっと身体だけでなく、酷くプライドが傷ついたに違いない。そんな彼が、表へ出て見つけたのは、喫茶店であった。場所は魔王城のすぐそば。疑いつつも入ってみることに。そこに待ち受けていたものとは…?


【物語の魅力】

主人公は喫茶店側の者だと思っていたら、ある冒険者の視点で始まる。意外性があり、主人公を客観視点で見ることが出来る演出は面白い。この物語では、”黒騎士で詰んで進めなくなった旅人”が常連の店であり、珈琲を飲むことでおかしな部分が出るという。主人公の目的は、”黒騎士”とエンカウントせずに済む隠し通路を見つけること。その情報を掴むためにここで働いているのだ。彼女はここで、人生の味を知り他の人にも教え伝えたという事が分かって来る。本編に入ると、彼女の過去から描かれており、プロローグ部分が何故別の旅人の視点だったのかが分かって来る。つまり、冒頭の旅人は主人公と同じなのだ。ビフォーアフターを分かりやすくするという演出だと感じた。その事により、主人公に何が起き現在のようになったのか、読者の興味を惹くのだ。


【登場人物の魅力】

主人公はプロローグに出てきた旅人のように、今まで苦労を知らず、人よりも能力に恵まれた人物だった。しかし、魔王討伐の為に訪れた先で初めての挫折を味わう。そこからは、ある意味とても人間らしい行動に出る。慎重さを失ってしまうのだ。魔王討伐への希望の為に大金を使い、その事を忘れ突っ走る。その結果、お金に困った上に路頭に迷う。だからと言って故郷に戻ることもできない。初めての敗北、きっと他人に頼みごとをするのにも慣れていないに違いない。しかし彼女はチャンスを見て切り出すことになる。ここからが主人公の本当の闘いなのかもしれない。果たして、主人公はどのようにして成長していくのだろうか。この物語は、主人公の成長物語なのではないだろうか?


【物語の見どころ】

主人公は、戦術剣士という職。戦いにおいての職業は、喫茶店には無関係と思いきや、活かされている。この物語は魔法が使える世界。常連たちに特性があり、それぞれ職業が違う。ある常連客は、この店に魔石というものを提供している。全員の狙いは一応”魔王城への抜け道”であるが、職業が店に影響を与えていたりもする。そして、魔王城の城下町は支配はされていない。この物語には、たくさんの謎があるように感じる。伏線があるように感じるところが多々あり、登場人物の職業などが必然性で決められているように思う。つまり、ほのぼの先に何かがあるのだ。世界観がしっかりしており、想像しやすい物語。だが、先の展開は読み辛い。そこが魅力だ。主人公はこの店で働く前、彼女は”万能な自分には仲間”は要らないと思っていた、というのが印象的。つまり、彼女は仲間の大切さなどを知っていく物語なのではないかと想像する。


是非、あなたもお手に取られてみませんか?

挫折を知らなかった主人公が、これからどのように変わっていくのか非常に楽しみな物語です。扉を開ければそこには、個性的な常連客たちが待っています。おススメですよ。

crazy's7

登録:2021/8/1 12:05

更新:2021/8/1 12:05

こちらはcrazy's7さんが読んだ当時の個人の感想です。詳細な事実については対象作品をご確認ください。

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ウィッチドライブ ~女の子と事故って魔法少女になり身体の相性が良いから働かされてるんだけど俺はこれを許すべきか? 契約したからもう遅いわよ〜

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crazy's7

散華のカフカ

事件を追ったその先で、想定外の展開が待ち受ける!

【簡単なあらすじ】 ジャンル:ローファンタジー 「審判」から三十年。都市では人が灰になって消える灰化現象が続出。主人公たちは、その事件を捜査していた。灰の身元を調べようとしていたところある不一致に気が付く。更に詳しく調べようとしていたところ、ある人物に呼ばれ捜査資料を渡されるのだが。まさかそれが、自分たちのその後の運命を変えてしまうことになろうとは思ってもいなかった。彼らの運命はいかに?! 【物語の始まりは】 ”朽人”という意味深な言葉を発れられるところから始まっていく。ある二人が美しい砂のようなものを袋に詰めているが、一体それにどんな価値があるというのだろうか? 彼らを通して伝えられるのは、不思議な光景不思議な体験。そして、最後に残された言葉は誰のものなのか? 謎の多場面から始まり、本編に入ると何か事件が起きたことが分かってくる。被害者は二名のようだが、これが冒頭の彼らなのだろうか? 【舞台や世界観、方向性(箇条書き)】 人が灰の様なものにされる事件が多発してる状況。 埋葬屋という謎の人物が存在する。彼の仕事は一体? オーディナルシステムというものが存在する。 多視点からなる群像劇。 【主人公と登場人物について】 主要な人物は三人の刑事だと思われる。 彼らはこの事件(人が灰のようなものにされる事件)の対策チームで初めて出会ったようで、妙に馬が合い捜査を行う時はよく三人で行動しているようだ。 【物語について】 彼らが灰の身元を調べようとしたところ、ある不可解な点を発見する。それをさらに詳しく調べようとした矢先に、彼らに会いに来た者がいた。その者は普段ならば、絶対に会うことのできない人物。彼らはその人物から直々に事件解決の依頼と、その事件に関する話を聞くことになる。その者から事件の情報を手に入れた彼らは、その資料から犯人を導き出したのだが……。 彼らは犯人を調査していたところ、自分たちもある陰謀に巻き込まれていく。この物語は、死=終わりではない。それは序章に過ぎないと感じた。果たして主人公はどうなってしまうのだろうか。 【良い点(箇条書き)】 ・あらすじに”裏で起こる巨大な陰謀の渦に巻き込まれていく”とあるが、巻き込まれ方が想定外。 ・タグに”主人公は最強”とはあるが序盤では想像がつかない。一般の刑事に見えるからである。しかしあるところまで差しかかると、想定外の展開に驚く。 ・バトルものであるということは先に分かってはいるものの、構成が巧いので先が読めず、意外性と独創性が素晴らしい。 ・冒頭の方は事件ものであり、ミステリーのような雰囲気を持つが、異能力者たちのバトルが熱い。不思議なバランスと魅力を持つ物語である。 ・一人一人戦い方が違うようであり、戦闘自体に見どころがある。 【備考(補足)】8ページまで拝読 【見どころ】 まず構成が面白い作品だという印象。推理モノのような始まりであり、主人公達が事件を追っていくところから始まるが、気づけば異能力バトルとなっている。事件の黒幕は早々に分かる為、早くも事件解決か? と思わせる展開も秀逸。しかしそれは始まりに過ぎないのである。まさか主人公たちが事件自体に巻き込まれるとは、あらすじを読んでも想像できない。意外性の詰まった作品である。何故彼らが戦っているのかも、序盤で明かされていく。一体どんなラストになるのか、誰が勝利するのか予測不能である。 主人公はこの戦いにどのような立場や位置で関わっていくことになるのだろうか? 果たしてその結末とは? あなたもお手に取られてみてはいかがでしょうか? この物語の行く先をその目で是非、確かめてみてくださいね。お奨めです。

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crazy's7