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作:天音こかげ

【完結済】異世界喫茶カフィノム ―ラスボス前店―

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最終更新:2020/9/27

作品紹介

「世界の最果て……こんなところに飲食店って、どういう立地!?」  駄弁ってのんびり、たまーに人生の真面目な話。  喫茶店の中だけで話が進む、密室系コメディ!  ここは人間が住む人間界と魔物の住む魔界がある世界。  突如として人間界に現れ、侵攻をしてきた魔界の人型の怪物だったが、実力は一進一退の均衡した状態。  それを打開するべく、人間は魔界に『旅人』を派遣して魔界の中枢を叩こうとしていた。  『戦術剣士』という職業にいた、少女ファイもその旅人のひとり。  彼女は長い年月をかけて、ついに魔界の果て、魔物の王が住むと言われている城にたどり着く。  ……が、しかし。城門の前で待ち構える『黒騎士』があまりにも強すぎて、先に進めなくなってしまった。 「詰んだわ……」  途方に暮れたファイは、付近に一軒の廃墟を見つける。  不思議に思って入ると、そこは見慣れない『喫茶店』という場所だった。 「喫茶店、カフィノム?」 「うん。『コーヒー飲む』場所だから、カフィノム」  ここは、ファイと同じように、黒騎士で詰んで進めなくなった旅人が常連となっている場所。  どうやらここには、黒騎士をスルーして魔王の城の内部へ入れる隠し通路があるらしい。  そこでファイは、ただの常連としてではなく、ここで働きながら情報を探ることを決意した!?  糸目の女性マスター、シキも彼女を気に入り、雇うことをあっさり承諾する。  今までの経歴は置き、喫茶店見習いとして常連と関わっていくファイ。  結婚を夢見る、焦りがちな魔術師のお姉さん。  陽気で誰にでも飄々と接する暗殺者。  華奢で優雅、だけど性格ツンツンのお嬢さま。  寡黙で、この喫茶店という場を愛する老練の傭兵。  個性的な常連。しかも全員、コーヒーを飲むと、どこかおかしな部分が出てきて……? 「コーヒーって、そういう不思議な飲み物なの!?」  そんな常連達と関わり、働いていくうちに、ファイは自分の生き方についても考えるようになっていく。  彼女は隠し通路を通って、魔王の城へたどり着けるのか? それとも……?  少女剣士ファイと喫茶店のマスター、シキ。  そして個性的な常連達とで織り成す、ラストダンジョン前で繰り広げる喫茶店の日常コメディ、開店! 【表紙絵】:たにお(やっさにんにん)氏 に描いていただきました! 掲載許可済。

日常女主人公ファンタジーほのぼのコメディスローライフ

評価・レビュー

挫折を知らなかった主人公の成長の物語。

【物語は】 冒頭からあるメッセージを感じる作品。天才は苦労を知らず。しかし、苦労を知らないものには、超えられないものが必ずある。天才には天才の苦労があるとは思うが、ここでは苦労を知らない者という意。神童と呼ばれた者が魔王に負け、初めての敗北を味わうことになる。きっと身体だけでなく、酷くプライドが傷ついたに違いない。そんな彼が、表へ出て見つけたのは、喫茶店であった。場所は魔王城のすぐそば。疑いつつも入ってみることに。そこに待ち受けていたものとは…? 【物語の魅力】 主人公は喫茶店側の者だと思っていたら、ある冒険者の視点で始まる。意外性があり、主人公を客観視点で見ることが出来る演出は面白い。この物語では、”黒騎士で詰んで進めなくなった旅人”が常連の店であり、珈琲を飲むことでおかしな部分が出るという。主人公の目的は、”黒騎士”とエンカウントせずに済む隠し通路を見つけること。その情報を掴むためにここで働いているのだ。彼女はここで、人生の味を知り他の人にも教え伝えたという事が分かって来る。本編に入ると、彼女の過去から描かれており、プロローグ部分が何故別の旅人の視点だったのかが分かって来る。つまり、冒頭の旅人は主人公と同じなのだ。ビフォーアフターを分かりやすくするという演出だと感じた。その事により、主人公に何が起き現在のようになったのか、読者の興味を惹くのだ。 【登場人物の魅力】 主人公はプロローグに出てきた旅人のように、今まで苦労を知らず、人よりも能力に恵まれた人物だった。しかし、魔王討伐の為に訪れた先で初めての挫折を味わう。そこからは、ある意味とても人間らしい行動に出る。慎重さを失ってしまうのだ。魔王討伐への希望の為に大金を使い、その事を忘れ突っ走る。その結果、お金に困った上に路頭に迷う。だからと言って故郷に戻ることもできない。初めての敗北、きっと他人に頼みごとをするのにも慣れていないに違いない。しかし彼女はチャンスを見て切り出すことになる。ここからが主人公の本当の闘いなのかもしれない。果たして、主人公はどのようにして成長していくのだろうか。この物語は、主人公の成長物語なのではないだろうか? 【物語の見どころ】 主人公は、戦術剣士という職。戦いにおいての職業は、喫茶店には無関係と思いきや、活かされている。この物語は魔法が使える世界。常連たちに特性があり、それぞれ職業が違う。ある常連客は、この店に魔石というものを提供している。全員の狙いは一応”魔王城への抜け道”であるが、職業が店に影響を与えていたりもする。そして、魔王城の城下町は支配はされていない。この物語には、たくさんの謎があるように感じる。伏線があるように感じるところが多々あり、登場人物の職業などが必然性で決められているように思う。つまり、ほのぼの先に何かがあるのだ。世界観がしっかりしており、想像しやすい物語。だが、先の展開は読み辛い。そこが魅力だ。主人公はこの店で働く前、彼女は”万能な自分には仲間”は要らないと思っていた、というのが印象的。つまり、彼女は仲間の大切さなどを知っていく物語なのではないかと想像する。 是非、あなたもお手に取られてみませんか? 挫折を知らなかった主人公が、これからどのように変わっていくのか非常に楽しみな物語です。扉を開ければそこには、個性的な常連客たちが待っています。おススメですよ。

5.0

crazy's7