自殺を図ったことがきっかけで精神科病院に入院した‘僕’。行動を制限され、病室仲間ともうまくいかず、妻や娘との関係も拗れていく彼は早期退院を目指して奮闘するが……
タイトルである籠の鳥とは、一体なんだったのか? ラストシーンで‘僕’の手記を読んだ妻の言葉が全てを物語っているのかもしれない。この作品では精神疾患が扱われているが、果たしてこれはお話の中の他人事で済むことなのだろうか?
心の闇というのは誰しもが持っているもので、ふとしたことがきっかけで簡単に表に現れて、人の心を蝕んでいくのではないだろうか。そう、考えさせられた一作だった。
登録:2021/10/25 22:36
更新:2021/10/25 22:20