ユーザー登録・ログイン

新規登録

ログイン

作品

レビュー

登録/ログイン

その他

オノログについてFAQ利用規約プライバシーポリシー問い合わせユーザー管理者Twitter
レビューを投稿
書籍化
コミカライズ原作
ジャンル別
サイト別
サイト関連
運営している人

@オノログ

検索条件

ジャンル:ミステリー

Page9

条件をリセット
詳細条件で探す

私の中の社畜な悪魔

あなたは大丈夫だろうか? 暗にそんな問いかけも感じる作品

【物語は】 ある男が病院内で奇妙な体験をするところから始まる。 これが一体、本編にどう関わってくるのだろうか? 本編に入ると、外と中の温度差を比較という手法を使い表現している。このことにより外が、どれほど暑いのかを分かりやすく読者に伝えている。 主人公は病院に診察に訪れる前に、自分の症状を調べている。その為、医者から病状を告げられてもさほど驚かなかった。確かに、自分がいつもと違うと感じた時は、インターネットなどで調べたりすると思った。しかしそれは、安心したいという気持ちが大きい。知っていることにより、落ち着くというのはある。患者の心理にリアリティを感じた。 彼は、どうやら精神に問題を抱えてしまっているようだ。 【物語の魅力】 昨今では法律が厳しくなっており、残業にストップがかかったり、パワハラに対する注意喚起が強化されてもいるが、それでも弱者は強く出られないものである。どんなに法律が変わろうとも、ブラック企業がゼロになるのは難しいのではないだろうか。 時間が短くなった分、時間内の仕事量が多くなったり。中には、家に帰りたくないという人もいるように思う。人はいつもストレスにさらされており、それと上手く付き合えるかが、分かれ道なのかもしれない。 主人公は”社畜”と呼ばれる分類に入り、統合失調症となってしまった。この言葉自体は聞いたことがあっても、どんな病状なのか詳しく説明できない人もいるのではないだろうか。 この物語では、病状が詳しく説明がなされており、ぼんやりとしか知らなかった人も知識を得ることが出来る。拘りだけでなく、読者へ理解と注意喚起、どちらの役割も果たしている作品だと思う。 精神病棟というのは病院の中でも別の分類なので、お世話になることが無ければどんなところなのか知ることは出来ない。記事などで患者への扱いの酷さを目にすることはあっても。 この物語では、そういう知らない部分を知ることも出来る。 【主人公の魅力と運命】 主人公は病院へ診察へ赴く前に何らかの異変を感じていたはずだ。 段々と明かされていくタイトルにある、”悪魔”の存在。 この”悪魔”が統合失調症の症状の一つである、幻聴、幻覚なのかはまだ分からない。 モチーフが上手く使われていると感じた。自分が見せる何かなのか、それとも別のものなのか。コミカルに描かれてはいるが、入院の原因でもあるのだろう。しかし、これは物語の中ではターニングポイントと言って過言でないのではないだろうか? 主人公は、真面目である。悪魔の話に耳を貸そうとはしないところから”現実主義”でもあるように感じた。そんな彼が悪魔にとりつかれた為、入院をせざるを得ない状況に陥る。しかし、そこに事件が起きるのだ。 あらすじには、”主人公が精神病棟内で起こる事件を解決するべく、挑み続けた”と書かれている為、悪魔との出会いが必然であることが分かる。 主人公の性格は真面目、誠実、小心者。自己主張の苦手なタイプの方は、ストレスを溜めていないか、無理していないか自分自身に問いかけることも大切なのではないかと感じた。 【物語のみどころ】 統合失調症は、他人事では済まされないかも知れない、現代病の一つではないだろうか。それをモチーフに、コメディ要素も取り入れつつ、ミステリーをプラスした作品である。 あなたは大丈夫だろうか? 暗にそんな問いかけも感じる。 こういったモチーフを扱った場合、全体に重く暗くなりがちだが、この物語にはコメディを取り入れている。その為、興味を持った方が更に追い詰められるを避けられるのでないかと感じた。(これはあくまでも個人の見解です) 彼は望んで入院することになったわけではない。しかし、それがきっかけで、事件に遭遇し解決を目指すこととなる。 それは彼に良い影響を与えることとなるのだろうか? まだ、序盤の段階ではこの後の展開を想像することは出来ない。 あなたもお手に取られてみませんか? この物語の結末を、是非その目で確かめてみてください。 おすすめです。

5.0
0
crazy's7

乱歩のまなざし

乱歩を読んでなくても大丈夫

 タイトルにもあったので、乱歩作品を読んでいないとわからないかもという不安がありましたが、未読でも全く問題なし!という事を、まず。  もしそれを気にして読んでいない方がいらっしゃったら、ご安心下さい。私は少年探偵団のシリーズしか読んでないけど、大丈夫でした。  「私」視点の、「私」の物語。  女子大生の、リアリティある心情と、学生生活、人間関係。  ジャンルはミステリーになっているけど、人間ドラマに感じられました。「私」のドラマ。    文学の話かと思いきや、心理学についての内容が濃密で、読み終えると色々な知見が得られている点も一読をお勧めできる部分ですが、これら一見、難しそうで尻込みしてしまう要素に見えて、それが面白さに転換されているという。  作者の文体、構成、表現が秀逸。馴染のない理論や用語がわかる、すらすらと。  最初は軽く読もうと思って、まず各話の最初の二行、最後の二行だけを見たのですが、その間が読みたくて仕方なくなりまして。  全部読みたい。    この引力をどう表現したらいいのか。  難しそうで、自分に合わないかも?と思われるなら、まず私と同様に最初と最後の二行を読んでみて欲しいです。間違いなく、全文読みたくなります。 「私」のキャラも、准教授の名木橋のキャラも、とても印象と記憶に残る人物像で、各話でいろいろと、心揺さぶられます。最初に人間ドラマと書きましたが、強いてミステリー感を感じたのは名木橋という人物ですね。カッコイイけど、存在が何気に謎めいているというか……。  熱く感想を語れる要素が多いので、この作品レビューを書く人は、自然と長文になる点でも、色々とお察しください。

5.0
0
MACK

正史の悪魔

悪魔が怖い、深淵はそこにある

 「乱歩のまなざし」に続く二作目なので、時系列・登場人物的にはこちらを後に読むのがおすすめです。ただ人物相関は複雑ではないので、先に読んでも問題はなさそう。  「乱歩のまなざし」は文学物に見えて心理学重視のように感じたのですが、今作は心理学に見えて文学的です。  心理学の実験風景を、「僕」と共に体感する感じなのですが、どんどん闇が深まって、狂喜乱舞する悪魔が見える、ゾッとする光景が文章により表現されており、とんでもないです。  「乱歩のまなざし」の方は、”乱歩っぽい”、どことなく気味が悪いような?という感じの雰囲気が漂っていましたが、こちらは”正史っぽい”、人間が一番怖い、という雰囲気が漂っており。  横溝正史の”悪魔が来りて笛を吹く”から「僕」は実験内容の着想を得るという話ですが、そちらの作品を読んでなくてもわかる内容です。  悪魔を作る事は出来るか?という実験に、興味本位に付き合っている気分で読んでいたので、最後の数話は悶絶しました。  名木橋、ありがとう!もうこの感想しかない。  最悪になりかけた読後感から私を救ってくれてありがとう・・・!  ほんと救世主。

5.0
0
MACK

ルナティック・ブレイン 【-特殊殺人対策捜査班-】

ミステリーを愛する全ての人におすすめしたい作品

【物語は】 ある事件現場から始まる。ある人物の記憶の一部によって。書き出しから凄く引き込まれる本格派ミステリーだと感じた。本編に入ると、情景描写などから入り、推理モノ、サスペンスもののドラマの1場面を想像させる、あの『警視庁』が出てくるのだ。少し硬さを感じる作風が、ミステリーらしさを醸し出し読者の心をぐっと掴む。特に冒頭の日付や時間の記載は、もうそれだけでワクワクしてしまう。ミステリーというジャンルへの期待を充分満たしている作品だ。しっかりと情景描写、行動描写、人物描写が書き込まれており、必要な情報が分かりやすくスラスラと読み進められる。ここで、設定の時代の世界観が分かって来るのだが、それは必然性で作られている為、理解しやすく納得しやすい。単に技術が進んだという理由ではなく、安全のためというのも納得だ。あらすじには、『連続殺人を史上最速のハイスピードで解決に挑む』とある。この主人公は、恐らく通常ではない方法で事件に挑むのではないだろうか?とても期待が高まる。 【物語の魅力】 まず、事件ものに魅力を感じる人の重視している点というのは色々あると思う。事件そのものに面白味を感じる人、なぞ解き部分に魅力を感じる人。推理に対しての思考に面白味を感じる人など。その中で、自分が一番興味を持つのは、動機である。何故、そんな理由でという事件は後を絶たない。しかし現実社会であれば、追い詰められてしまい、それが事件に繋がるというのは心理的に考えても、納得はいく。事件もののフィクションというのは、何故かそこにリアリティを置いても納得できない場合があるのだ。犯人の方が理不尽なのではないかというものも多くある。その中で、この物語はもしかしたらその動機について、重点を置き描かれているのではないだろうか。 安全になったはずの日本で、それでも事件は起きる。その性質がどのようなものか、作中で語られていく。推理モノでもあるが、登場人物の設定がしっかりしており、ヒューマンドラマ要素も含んでいると感じた。 【登場人物の魅力】 主人公は、ある事件が元で復讐心を抱き刑事になる。しかしながら、どんなに憎しみを抱えたまま生きていたとしても、笑うこともあれば喜ぶこともある。例えそれが心からではなかったとしても。主人公には、そう言った意味でとても人間らしさを感じた。知り合いに再会すれば喜ぶ、悔しさを感じることもある。登場人物、一人一人がとても人間らしく感じるところに凄く魅力を感じる。事情により騙されるという場面もあり、淡々としているわけではない。ミステリーものはどうしても登場人物が多くなってしまう。それはジャンルの特性上どうしても起きてしまうことだが、この物語は一場面に複数が登場しても混乱することがない。恐らく、無駄なセリフは省いている為だと思われる。決してセリフが少ないというわけでもない。とても書き方が巧いと感じた。 【世界観等について】 この物語は、犯罪者予備軍にマークをつけるというオリジナル要素が盛り込まれている。どうやって決めるのかについては別として、確かに犯罪を起こしそうな人が判れば安全であるという考え方は理解できる。しかし、彼らはあくまでも予備軍であり、犯罪者ではないという事。人権は尊重されなければいけないし、予備軍だからと言って、偏見があってもならない。偏見から始まる犯罪は、現実でもに起きている。このバランスはとても難しいと思われる中、もちろん作中で人権について触れている。そういういところからも、世界観に対してのリアリティを持たせていると感じた。 【物語の見どころ】 この物語の最大の魅力は、世界観に対するリアリティ部分。ザッと小タイトルを見た時に感じたのは、犯罪予備軍が判るという事は無差別殺人などで犯人が特定できない場合には、容疑者が増えるという可能性を示している。これはプロットや構成としてとても面白いのではないかと思った。この、犯罪予備軍がどうやって決められているのかも、もちろん作中にて丁寧に描かれている。この物語には、語りつくせないほどの魅力が詰まっている。 せひ、お手に取られてみませんか。 ミステリー好きの方はもちろん、事件の在り方に興味を持たれている方にもおすすめです。ミステリーは難しいけれど興味がるという方にもおススメですよ。

5.0
0
crazy's7

冬野つぐみのオモイカタ

ストーリーも構成も非常に面白い作品

【物語は】 親友の視点から始まっていく。ある者に囚われ、キーワードである黒い水が出てくるものの、まだ事件は謎に包まれたまま。何故彼女は囚われたのか。どうやって囚われたのか。何故彼女だったのか。色んな疑問を残したまま、事件以前の二人の日常へと移っていく。事件から過去へという時間の戻るスタイルは、ミステリーにはとても合ったスタイルであり、一体何が起きるのだろうかという好奇心を刺激する効果を持つ。ここから、主人公視点となり二人の日常風景が明かされていくこととなる。 【物語の魅力】 会話文から始まることには、注視の効果がある。しかもその中で、二人が似たモノ同士であることが明かされており、相手が否定をしないことから、二人がとても仲が良いことも分かって来る。主人公には今まで、心から気を許せる友人がおらず、彼女に出逢ったことを喜んでいたり、その友人を大切にしている様子が伺える。何故二人が友人になれたのか、どうして気が合うのか。主人公の心情が丁寧に描かれているため理由が納得でき、二人の関係が羨ましくも思える。 日常の中では贈り物をモチーフに、素敵なエピソードが盛り込まれており、微笑ましい一面もある。自然な流れで、好意を感じさせたり話の流れがとても巧い。交互に繰り返されていく日常と、親友の現在。その高低差は、日常がか輝かしいほど、親友の現在を絶望が襲い、読者の恐怖感を呼び覚まし、ゾッとさせる。書き方、構成が巧いと感じた。この手法は、読み手によって感じ方が違うかも知れない。 【登場人物と事件の在り方】 はじめは似た者同士で、とても仲の良かった二人。ある日を境にその関係は少しづつ変化していく。しかし読者は冒頭で親友の想いに触れているため、根底は変わらないのではないかと思うに違いない。つまり、何か理由があるのではないかと疑ってしまうのだ。変わらない自分と、変わってしまった親友に寂しい気持ちを持ちながらも、それについて何も言わない主人公。事件は、二人の絆を試しているのかも知れない。主人公の洞察力の良さについても、裏付けのとれるエピソードが書かれている。 この物語に出てくる登場人物は多くはなく、主人公と親友にスポットがしっかりと当たっているように感じる。そして、ミステリーとしてとても面白い。犯人探しというよりは、事件の全容を知りたい気持ちの方が勝る物語だ。 【物語の見どころ】 事件現場と、過去から現在という二場面が交互に描かれている為、非常に感情が揺さぶられる。恐怖と平穏はいつしか恐怖と不安へと移り変わり、気づけばすっかり作品の虜となって読む手が止まらなくなる。この二場面制は非常に面白く、事件現場では事件が進んでおり、過去から現在へ向かう主人公サイドでは、段々と事件についての内容などが分かっていく。その事により、早く続きが読みたいという読者の好奇心を刺激するのだ。 とても構成の面白い作品だと感じた。 ミステリーの好きな方に特にお奨めしたい作品です。 是非あなたもお手に取られてみませんか?

5.0
0
crazy's7

最近の「いいね!」

小説家になろう恋愛書籍化コミカライズ連載:67話

ガリ勉地味萌え令嬢は、俺様王子などお呼びでない

人は見た目じゃない

第一部は俺様王子編。 傲慢俺様なイケメン王子が『良い』と思えるのは、ヒロインが王子のことを好きになることが前提かつ、ヒロインとのふれあいで傲慢で俺様なだけではない王子の奥底にある良さ等が見えてくるからであって。 ヒロインに好きな人がいて王子のことはこれっぽっちも好きではない場合、権力と自身の魔法の力に物を言わせて人の話を聞こうともせず迫ってくるような俺様っプリは、『キュン』とするどころか『ただただ壮絶に面倒くさい』としか思えないんだな……と乙女ゲーマーとして目から鱗が落ちる思いがした。この手のタイプは乙女ゲではわりとメイン攻略対象として存在するので……前提と視点が違うとここまで意味合いが変わってくるのか……と。 王子の言動と彼自身が迷惑でしかないヒロインと、王子に憧れているヒロインの友人との会話での分かりやすい見え方の違いにめちゃめちゃ納得した。 第二部は俺様王子の弟の腹黒王子編。 第一部は学園内でことが収まっていたけれど、第二部はガッツリ王家が絡んできてヤバさが一段とアップ。 人の話を聞かない第一王子の次は、やはり人の話を聞かない第二王子に王妃と、この国の行く末が非常に不安になる。 が、番外編で第三王子が登場し、なんとかなるのではないかと一息つける。 物語全体を通して会話のテンポがよいので読み進めやすく、最初から最後まで一気に楽しく読めた。 いつも全力で好きを押し出すシャリーナと、困惑しながらも段々惹かれていくリオルの二人が可愛い、物凄く可愛い。 見た目は地味なガリ勉少年で、しかも魔法が使えないという欠点があるけれど、シャリーナの為に己が頭脳と持てる力を全力で使って戦うリオルは本当にカッコイイ。

小説家になろう恋愛連載:66話完結

【完結】セクハラ貴族にビンタしたら社交界を追放されたので、田舎で人生やり直します。~一方、そのころ王都では~

難アリ家庭から逃げた先で努力し幸せを掴む物語

親の歪んだ教育方針により世俗に疎くすれていないヒロインのため色々とおぼこいが、助けてもらった先の家で色々と教わり、『自分』を出せるようになっていく変わりようが良かった。こういう、若干テンションのおかしいヒロインは好き。 ヒーローも少々珍しいタイプで好ましかった。 さくさくとテンポ良く話が進むため、じれじれな恋愛ではあるがイラつくほどの長さではなくニマニマと過程を楽しめた。悪党が断罪されているのもよき。 軽めですっきりと読了できる作品だった。

小説家になろう恋愛連載:119話完結

美醜あべこべ世界で異形の王子と結婚したい!

男性のみ美醜逆転の異世界に美少女イケメンハンター出陣します!

前世で喪女だった後悔からイケメンにガツガツの肉食系女子となった美少女主人公。前世含めて一目ぼれした異形と言われるほどの美少年(前世観)にアプローチをしてさっさと婚約者候補に収まり、誰も寄せ付けないいちゃらぶカップルになります。 外面もよく美少年に目がないですが、自分主観で醜いからと嫌うことはありません。恋愛対象ではなくてもちゃんと人として接する、人として優しい女の子だからこそ素直にその恋路を応援することができます。美少年と付き合うためにしていた善人の外面がよすぎてまわりからは誤解されてもいますが、そこも美醜逆転独特の笑いポイントとして楽しめます。 義理の弟を可愛がったり、不遇なイケメンも多数出てきて、乙女げー系小説っぽい世界観な感じですのでさくさく読めて最後まで一気に楽しめます。 ヒーローにも秘密がありちゃんと後々秘密を打ち明け合って、主人公が面食いなのも全部わかってもらって思いあうラブラブ小説です。 最後までぶっとんだ美醜観によるドタバタギャグが楽しいですし、完結済みなので一気に最後まで楽しめます。 世界観も楽しくもたくさんのキャラクターもそれぞれ個性がありいい人が多く、美醜逆転好きだけではなく乙女ゲー系の愛され主人公恋愛物が好きな人にもおすすめです。