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ジャンル:青春・ヒューマンドラマ

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綴音学園 花の教え

これぞ『悪役令嬢』と言える一作。

 伝統ある女学園の頂点に座する少女を取り巻く、5人の少女たち。  思春期特有の万能感は自らを物語の主人公だと思わせる。  閉じられた世界のごく限られた期間、少女が少女でいられる時間をどう生きるのか。  その顛末はあまく、かぐわしく、知らぬ間に広がっていく毒のようでもありました。 ◆  全寮制の女子高を舞台にした、ほんのり百合の香りがただよう現代ドラマ作品です。  全6話(約6万字)で毎話、違う語り手の視点で話が進められます。  いいところで物語が締めくくられており、その結末に納得すると同時に「この先が気になる……!」としばらく唸りました。  そして「なるほど『悪役令嬢』とはこういうことを言うんだな」と感嘆しました。  タイトルに「花の教え」と添えられているように、話の中にはいくつもの花が登場します。  それらは語り手にうまく絡められており、主な舞台となるサロンだけでなくそれぞれの心情にも合っていて、この閉じられた世界観を彩っていました。  そして『花言葉』もまた意味深です。  ◆  あらすじ欄が『プロローグ』のように書かれているため、まずそこから読んでほしいです。  舞台となる学園の背景が語られ、物語の中心となる『エトワール』と呼ばれる二人一組の少女たちがどういった存在なのか分かります。  そして『物語』は彼女たちが所属する文芸部の部員勧誘に行動をうつすところから始まります。  私が『これぞ悪役令嬢と言える一作だ』と評したこちらの作品。  読んだ方には理解していただけると思います。  ━━━━━━━━━━  語り手は自身の背景を語る中で、いろんな考え方や他者への接し方を読者に示します。  一人称で語られるからこそ『本人』が見て感じたことと『他人』が知って感じることに差が生じることが面白い。  視点が変わると、同じことでも違う意味になってくる。  この物語の場合は『秘密』というワード自体、表裏一体のコインのように扱われるのが印象的でした。  そして語り手の少女たちは必ず、それぞれ違った角度から『エトワール』の二人を見ています。  ときには苦手意識を、ときには羨望の眼差しを。  一話一話いろんな少女の目線を通して魅せてくれます。  この物語においては『読者』ですら一種の舞台装置なのでは、と感じました。 ◆  ある話で「少女時代に同性しかいない空間で、同性に惹かれるのは一種の『ハシカ』のようだ」と描写されていたのが、個人的には好きでした。  自由が少ないところに生きている閉塞感や、その中で自分の性的嗜好に気づいたり勘違いしたり、本気になった人には振り向いてもらえない寂しさなんかも伝わってきました。  最初の語り手と、起承転結の『転』の部分が、個人的にはとても好きです

4.0
0
mochi*(読み専)

血と糞

ヤクザ事務所の、あの劣悪な生活が、忘れられない

語り手の「俺」(五郎)は、亮太、裕也(と一雄)と共にヤクザ事務所から逃亡し、亮太の実家の蕎麦屋に住み込みで働いています。 特別、不自由なこともなく、ダラダラ仕事をサボりながら、それなりに生活していますが、「俺」はなかなかヤクザ事務所での生活を忘れられず……。   嫌気が差して逃亡してきたはずだったのに、ヤクザ事務所のことが、そこでの劣悪な生活や人間たちのことが、忘れられない、というのがたいへんよく伝わってきました。   カラスが真っ赤に染った夕の空へ帰っていく様には、不穏さ、禍々しさがありながら、一方では語り手自身がネオン煌めくヤクザ事務所への帰郷を望んでいるような気配をうかがわせます。 青く広い空の元で気持ちよくタバコを吸っても、蘇ってくるのはシケモクを吸わされていた頃の記憶。 捕まって銃殺される幻覚を見ても、恐怖にかられるどころか、死んだようだった心に活力が満ちてきてしまうほどです。 語り手の心の芯は、あの生活に染まってしまっている、あの世界の中でしか生きられない、というのが本当によく分かりました。   心地よい平穏な暮らしに溶け込めない、溶け込むふりも上手くできない、そういう様子が感情を排したドライな文体から滲んできて、その行間にはなんとも言えない虚無感、やりきれなさ、そういったものが詰まっています。 友情という湿っぽい言葉は似合わない、逃亡仲間との関係も好きです。 仲良しではないし、お互いのことをよく知ってさえいないけれど、みすみす見殺しにもしたくない、という感情がリアルで、水びたしでない所がとてもいいなと思いました。   会話の節々におかしみがあるのも、それぞれのキャラクターがよく出ているのも、良かったです。 やり取りを読んでいて、こういう会話も人も、どこかに存在しそうな気がしました。   ラスト、最後まで見せないところも、余韻があり、語彙力がないので上手く言い表せませんが、すごくかっこ良かったです。

5.0
0
ぞーいー

さよなら私のドッペルゲンガー

珠玉の逸品をどうぞ

話題になっていたので拝読。  !!!絶対に作品を読み終わってからこのレビューを読んでいただきたいです!!!  とにかくギャグセンスが素晴らしい!  私も書き手ですが、嫉妬に狂うを超えて、こんなに素晴らしい掛け合いを読ませて頂いたことに感謝しかありません。  「幽霊」×「馬鹿」×「馬鹿」が織りなす三重奏は、物語が進んでいくにつれて様々な伏線もキラキラと輝きを増し、壮大なオーケストラへと変貌します。  私の個人的な「ああ! こういうキャラを待っていた!」は、佐々木先生です。  まさに、ハリウッド映画に出てくる重要な名脇役! 深い理由を聞かずとも何かを察してピンチの主人公をサラリと助ける! カッコイイ!!  待ってましたよこの展開!!!!! です。  クライマックスで墨染が自転車で駆ける描写、突然の大雨、この描写も良かった! 上手く情景で心情を表現されています。  墨染の漕ぐ自転車のスピードとともに読み手も「早く!早く!」と読むスピードが速くなっていきます。  そして「ちくしょー! 土砂降りやめろ! 今すぐやめ! 邪魔すんなぁああああ!!!」と思いながら読んでいたら……。  敵大雨からの祝福の拍手。 ニクイ。 お見事です。  最後の「勘違い」は私も「あ、そうだった!」と騙され(?)ました。 作品の勢いと叙述トリック的な何かによって気づけなかった!  悔しい! ビクンビクン!!!  ハリウッド化マダー? キョロ━(゚∀゚≡゚∀゚)━キョロ?

5.0
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つーちゃん「まおホス!」@小説家になろうノベプラたいあっぷ

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小説家になろうファンタジー短編完結

魔法少女になるからわたしと契約してよ

法律ヤクザな魔法少女

オチにニヤッとするが、私もこんな魔法少女はイヤだ。 短編小説に定評のある燦々SUN氏の作品で、安定した文章と構成は安心して読める。 「わたし、魔法少女コントラクターまりん! 父は弁護士母は詐欺師。愛読書は六法全書! 今日も、無法地帯出身の蛮族達に契約の恐ろしさを教えちゃうゾ☆」(本文より引用)

小説家になろう恋愛連載:119話完結

美醜あべこべ世界で異形の王子と結婚したい!

男性のみ美醜逆転の異世界に美少女イケメンハンター出陣します!

前世で喪女だった後悔からイケメンにガツガツの肉食系女子となった美少女主人公。前世含めて一目ぼれした異形と言われるほどの美少年(前世観)にアプローチをしてさっさと婚約者候補に収まり、誰も寄せ付けないいちゃらぶカップルになります。 外面もよく美少年に目がないですが、自分主観で醜いからと嫌うことはありません。恋愛対象ではなくてもちゃんと人として接する、人として優しい女の子だからこそ素直にその恋路を応援することができます。美少年と付き合うためにしていた善人の外面がよすぎてまわりからは誤解されてもいますが、そこも美醜逆転独特の笑いポイントとして楽しめます。 義理の弟を可愛がったり、不遇なイケメンも多数出てきて、乙女げー系小説っぽい世界観な感じですのでさくさく読めて最後まで一気に楽しめます。 ヒーローにも秘密がありちゃんと後々秘密を打ち明け合って、主人公が面食いなのも全部わかってもらって思いあうラブラブ小説です。 最後までぶっとんだ美醜観によるドタバタギャグが楽しいですし、完結済みなので一気に最後まで楽しめます。 世界観も楽しくもたくさんのキャラクターもそれぞれ個性がありいい人が多く、美醜逆転好きだけではなく乙女ゲー系の愛され主人公恋愛物が好きな人にもおすすめです。

小説家になろうヒューマンドラマ連載:88話完結

目的は生き延びること

展開は重めだが、『物語』として面白くて一気に読み終えた。 最終的にヒロインに想いを寄せる相手が、半分血のつながりのある義弟と、そうとは意図しないままヒロインを追い込んで、心と体に傷を負わせる原因を作った婚約者の王子の2人なのが、ああーーー……という気持ちに。 恋愛ものではないので、二人とヒロインがどうなるかは描写されないまま終わるが、個人的には義弟派。